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3国に保護される世界遺産!ワッデン海の実態をまとめてみた!

今回ご紹介するのは世界遺産、北西ヨーロッパにある「ワッデン海」です。

皆さんはワッデン海についてご存じでしょうか。

ワッデン海はオランダ、ドイツ、デンマークの北西に広がる海の名称です。

世界遺産の登録地域としては海域だけではなく、そこに注ぎ込む河川の河口付近や干潟、浮かんでいる島々や海岸付近の湿原地帯などを含む広大な地域となっています。

オランダのデンヘルデルを南西の起点として、デンマークのスカリンゲンまでの全長約500キロメートルに及ぶ海岸線とそこから広がる約1万平方キロメートルもの広大な領域には魚介類や鳥類をはじめとするさまざまな生物が生息しています。

そんなワッデン海の魅力について、歴史を踏まえながらご紹介していきたいと思います。

ワッデン海保護活動の歴史

潮の満ち引きによって海底が複雑な地形となり、近海に多くの群島を持ったワッデン海は、早い時期からその多様な生態系と自然環境の保護が行われてきました。

西暦1978年の段階で既にオランダ、ドイツ、デンマークの三カ国によって共同の環境保護運動が行われ、西暦1982年には「ワッデン海の保護に関する共同宣言」が採択され、海域環境保護活動における対等の義務を確認し、活動の指針を策定しました。

さらに西暦1997年には三国間ワッデン海計画」を採択し、連携を強化しています。

その生態系

ワッデン海は非常に多くの生物が生息していることで良く知られています。

潮の満ち引きによって海面から露出する干潟の砂の中には1万種類以上の生物が生息していると言われています。

このように潮の満ち引きで、干潮時に陸地が出現し、満潮時には海面下に水没する場所のことを総称して潮間生態系や感潮域と言います。

ワッデン海の干潟は潮間生態系としては世界でも有数の大規模な地域で、環境汚染が進んでいない、貴重な場所でもあります。

潮間生態系では、水生生物は潮が引いたときに空気に晒される時間が増え、陸上生物は潮が満ちた時に水に浸かる時間が増えるために他の環境で生きる生物種と比較して、環境ストレスが増えやすいと言われています。

水生生物と陸上生物は互いに捕食を繰り返し、どちらかが優位に立つという状況が生まれにくいために生物の多様性が保持され、さまざまな生物が生息するようになります。

日本でも夏場に潮干狩りを楽しむ方々が多くいらっしゃいますが、ワッデン海でも同じように、潮が引いたときに浅瀬の水をすくいあげるといろいろな種類の貝や魚、エビやカニなどといった魚介類を捕まえることができます。

アザラシ、ハイイロアザラシ、ゼニガタアザラシ、イルカなどの大型の水生哺乳類も数多く生息していますので、天気の良い日を選んでフェリーでの沖合クルーズに出れば浅瀬でくつろいでいるアザラシや、元気に飛び跳ねるイルカの姿を観察することもできます。

最近ではクジラの仲間も以前より多く見られるようになっています。

ザトウクジラやミンククジラは北大西洋一帯で増加傾向にあり、ワッデン海を訪れることも多くなっているようです。

鳥類も数多くの種類が干潟に生息しています。

シギ、ツバメ、ツバメなどは季節によって居住場所を変える鳥は移住の中継地点として、また、冬を越えるための越冬地としてワッデン海に立ち寄ります。

アヒル、ガチョウ、ワシ、フラミンゴ、ペリカン、サギなどの鳥は干潟に定住し、他の地域では珍しくなってしまった希少種も数多く存在しています。

水生生物も多様な種が存在していて、アトランティックサーモンやブラウントラウトなどの一般的な魚類から、サメ、エイ、海に住むカタツムリの仲間やカキなどの貝類までいろいろな生物が確認されています。

長い間天然種の楽園だったワッデン海ですが、工業化時代を迎えた後は、環境破壊と大型、小型の外来種の持ち込みによって生態系もかなりのダメージを受け、絶滅種こそ少ないものの、天然種の90パーセントが危険な状況にいるという学説もあります。

お役立ち情報

こちらではワッデン海観光に役立つ情報や豆知識をお伝えします。

泥歩き

ワッデン海で一番人気のアクティビティが泥歩きです。

英語ではマッドフラットハイキング、オランダ語ではワドローペンと呼ばれている泥歩きは、干潮時に現れる泥の上をフリジア本島から他の島々へと歩いていくのが最も一般的なルートです。

これはフリース人、またはフリーセン人、フリジア人などと呼ばれている、オランダの低地地方に住んでいた先住民族の間で行われていた習慣を元にしたスポーツで、およそ3時間から6時間をかけて行います。

ガイド付きで泥の上を島まで歩くツアーに参加するのですが、ツアーによっては年齢制限やグループのみでの参加など条件付きのツアーもあります。

何しろ相手は自然ですので、急な天候の変化など、さまざまな状況に合わせて臨機応変に対応する必要があります。

オランダではとても人気のあるアクティビティで、毎年参加している方も少なくないのだとか。

泥に刺さったままのカキや、取り残されたエビなどの可愛い生き物たちを見つけたり、360度どこを見渡しても水平線になっている景色を楽しんだりと、なかなか日本では体験できないアクティビティかと思いますので、体力に自信のある方は是非参加してみてください。

一部のルートはガイド必須となっていますので、詳しくは現地の観光案内所(ツーリストインフォメーション)でお問い合わせください。

最後に

いかがでしたか。

これをきっかけにワッデン海に興味を持って頂けたなら幸いです。

淡水と海水が混ざり合い、潮の満ち引きによって海底の浅瀬が姿を見せるワッデン海、現在はオランダ、ドイツ、デンマークの三カ国の協力によって環境保護が行われていますが、地球温暖化による海面上昇などの影響がどのように出るのかはまだ不明なところもあり、一説によれば近い将来干潟は露出しなくなってしまうとも言われています。

子供の頃に泥遊びをしたことのある方はわかるかもしれませんが、泥の中を歩いて島を渡り歩くのは思っていた以上に楽しいという方も多くいらっしゃいます。

ワッデン海をご訪問するのでしたら、思い切ってワドローペンに参加してみてはいかがでしょうか!