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進撃の巨人のモデル!?城壁に囲まれた街ネルトリンゲンとは?

ネルトリンゲンという街の名前を聞いたことがある人はそう多くはないでしょう。

しかし、ここ数年で日本において知名度が上がっていることは確実です。このネルトリンゲンは大ヒットしているコミック・アニメである「進撃の巨人」の主人公たちが住む街のモデルとされている場所なのです。

「進撃の巨人」ファンじゃないと楽しめない…なんてことは全くなく、それを抜きにしても誰でも十分に楽しめる魅力的な観光スポットです。今回はこのネルトリンゲンをご紹介します。

ネルトリンゲンはどんな街?

ネルトリンゲン(Nördlingen)はドイツ南部のバイエルン州にある街で、「ロマンチック街道」上に位置しています。
この街は1500万年前に落下した隕石の跡地にすっぽりと収まっており、街の直径は1kmほど。街は城壁で囲まれているのですが、その城壁を一周回っても3kmほどの小さな街です。

急げば2時間ほどで主な観光スポットは一通り回れてしまいますし、半日もあればゆっくり十分に見学できます。街の中心部にはインフォメーションセンターがあるので、観光に必要なマップや情報はここで収集可能です。

近代的な建物などはなく、中世ドイツの面影を色濃く残した街並みが特徴です。オレンジ色の屋根と白壁の建物が所狭しと城壁の中に並んでいる姿はとても可愛らしいです。

豚との縁も深く、街のいたるところに豚の置物があります。中世の頃、敵が奇襲をかけようとした際に豚が騒いだので事前に察知できたのだとか。今ではこの街の守り神や縁起物の位置づけのようで、金色の豚からとてもカラフルな豚まで大小様々なものが街中に飾ってあります。

小さくこじんまりとした街で豪華さはありませんが、歴史の面影をさまざまなところで色濃く残している街なのです。次の章では、ネルトリンゲンの観光スポットの内メインとなる3つをご紹介します。

オススメチェックポイント

• ゲオルグ教会とダニエルの塔

ネルトリンゲンには数軒の教会がありますが、オススメはゲオルグ教会です。街のど真ん中のマルクト広場の横にあり、インフォメーションセンターの反対側に位置しています。

ゲオルグ教会内部の柱や壁は白で統一されており、さっぱりとしたシンプルな作りになっています。それとは対照的に、正面の祭壇や左側面にあるパイプオルガンなどは細かい彫刻や模様・絵が描かれておりとても豪華です。壁には円形や四角などのモチーフがたくさん飾られており、それらの彫刻もとても精巧で一見の価値ありです。

この教会の最大の観光スポットは、教会の鐘楼である「ダニエルの塔」です。高さが90mあり、ここへ登るとネルトリンゲンの街並みが一望できるため、街一番の観光スポットとなっています。教会内部は無料で見学できますが、ダニエルの塔は有料です(私が行った時は3ユーロでした)。

塔への入口は教会の外にあるので、一度外へ出て塔の方へ回ります。

古い教会なのでもちろんエレベーターはありません。徒歩で350段の階段をひたすら登ることになります。結構しんどいので、登る際は歩きやすい靴と覚悟で登りましょう。

最初は石造りの螺旋階段、途中からは木造の階段をぐるぐると登って行きます。木造の階段の途中には大きな木造の歯車や車輪のようなものがあり、それらも見所の一つです。

てっぺん近くまで登ると開けたスペースがあり、見張番のおじいさん料金を払います。高額紙幣は好まれないので、コインか5または10ユーロ紙幣を準備しておきましょう。料金を払ったらもう少し階段を登ります。

塔の頂上に着くとネルトリンゲンの町並みを一望できます。これがまたかなりの絶景です。円形に綺麗に治るオレンジの屋根、その先に広がる草原と青空の景色は登る際の苦労を一瞬にして忘れさせてくれます。

• 城壁

先述の通り、ネルトリンゲンは全長3kmほどの城壁に囲まれています。1327年に築かれたこの城壁には5つの門と11の塔があり、現在もほぼ当時のままの姿を保っています。

城壁の内側には幅1m程の通路が敷設されており、木造の屋根が張り巡らされています。この通路は登って歩くことができ、城壁のいたるところに城壁に登るための階段が設けられているので、容易にアクセス可能です。

城壁にあるのぞき穴や鉄砲穴、開放部から街の外を眺めることも出来ますし、街の方を見れば中心に聳え立つゲオルグ教会を眺められます。

城壁にある門や塔は全て形が異なっており、塔と一体になっている門やただの石造りのアーチのような門、先端が尖ったような不思議な形の塔などさまざまです。城壁には小さな出城のような部分もあり、大砲が設置されていた名残が伺えます。

城壁の外側周辺には遊歩道はもちろん、小さな公園やベンチスペース、石像なども点在しており隠れた休憩スポットです。街の中のカフェなどが混雑している場合は、テイクアウトして外周のベンチなどで休憩するのもいいでしょう。
時間や体力に余裕がある方は、城壁の内側と外側、どちらも歩いて見ることをオススメします。

• リースクレーター博物館

ネルトリンゲンは隕石の衝突でできたリース盆地の中にあります。隕石やクレーターとは切っても切れない縁があるこの街には、リースクレーター博物館があります。隕石が衝突した時のシュミレーション動画や周辺地域の土地の成り立ち、世界中のクレーターなどについて学ぶことができます。実際に衝突した隕石の破片も展示されています。

残念なことに、解説はドイツ語なので詳細はわかりませんが、映像や手動で動かす展示も多いので大まかなことは理解できます(英語の解説パンフレットあり)。

そしてこの博物館には、本物の月の石が展示してあります。というのも、月に行ったとされるアポロ14号と17号の宇宙飛行士たちは、ネルトリンゲンがあるリース盆地で訓練を行ったのです。

リース盆地で採掘できる特殊な石が、月面の岩石と類似しているためにこの地が選ばれたそうです。

ネルトリンゲンにはその時の宇宙飛行士が宿泊していたホテルも実在しており、同じ部屋に泊まることもできるそうです。宇宙に興味がある人にとってはたまらない観光スポットですね。

リースクレーター博物館はネルトリンゲン北西の旧市街エリアに位置しており、中心部からは多少離れています。駅などからはほぼ正反対の位置になるので多少歩かないと行けませんが、時間が許せば是非訪れて欲しい観光スポットです。

ネルトリンゲンへの行き方

ネルトリンゲンへ交通手段としては、バスと列車のどちらかになります。残念なことに、交通の便はよくありません。列車の場合はミュンヘンやニュルンベルクなどの大都市からネルトリンゲンに向かうことができます。

ミュンヘンとニュルンベルクから列車で向かう場合は所要時間は1.5〜2.5時間ほどで、まずドナウベルト(Donauwörth)行きの列車に乗ります。ミュンヘンから向かった場合、ドナウベルトまで直通のもあればその手前のアウグスブルグ(Augsburg)で乗り換えが必要な列車もあるので、乗車の際に確認しておきましょう。

また、直通列車の場合は途中の駅で車両が切り離されますので、正しい車両に乗っていないと別の場所へ行ってしまうため注意しましょう。

ドナウベルトに着いたら、アーレン(Aalen)行きの普通列車に乗り換え、ネルトリンゲン駅で下車します。ローカル線になるので、英語案内はなく全てドイツ語になります。

また、このローカル線は1日に運行する本数が10本前後ですので、ネルトリンゲン駅についたら帰るための列車の時間を調べてから観光に向かいましょう。

フランクフルトからも列車でアクセス可能ですが、かなり時間がかかります。乗り換えも少なくとも2回以上する必要があるので、フランクフルトから向かう場合は、観光バスを使って行くほうがいいでしょう。

フランクフルトからは、ハイシーズン時はロマンチック街道観光のためのバスが出ています。ミュンヘン・フュッセンへ向かうこのバスは、ネルトリンゲンを含む観光名所で各2〜30分程度停車します。

ミュンヘン方面からもフランクフルト行きの同様のバスがありますので、上下線の時差を利用すれば、2時間程ネルトリンゲンを観光することができます。

これのバスはフランクフルト−フュッセン間の主な観光地に停車するので利用しやすいのですが、上下線とも1日に1本しかなく冬場は運休というのがネックです。

ネルトリンゲン周辺の街からはローカル路線のバスもありますが、そこまでは結局列車移動になるので、ドイツ語が流暢でない限りはネルトリンゲンまで列車移動の方がお勧めです。

最後に

隕石落下の跡地にすっぽりと収まった小さな街、ネルトリンゲン。

中世の面影を色濃く残すこの街には、街を一望できる展望台をもつゲオルグ教会、建設当時からほぼ姿を変えていない街を囲む城壁、クレーターや隕石落下、ネルトリンゲン一帯の土地の成り立ちを学べるリースクレーター博物館など、見所がたくさんあります。

残念なことに、交通の便はあまりよくありませんが、ミュンヘンやニュルンベルクなどの大都市からは列車を乗り継いで行くことができます。
夏場は、フランクフルトから出ているロマンチック街道観光バスを利用してのアクセスも可能です。

語学に不安がある方はなかなか行きづらい場所ではありますが、行ってみる価値は十分にある魅力的な街です。ぜひチャレンジしてみてください。