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進化生物学の博物館!?ロシアの世界遺産バイカル湖の実態に迫る!

今回ご紹介するのは世界遺産、ロシアの「バイカル湖」です。

皆さんはバイカル湖についてご存じでしょうか。

バイカル湖は世界で7番目に広い湖で、広さだけではなく世界最高の透明度を持つ湖として、また世界で最も深い水深を持つ湖として、更には世界で最も多くの淡水が貯蔵されている湖としても良く知られています。

しかし実はバイカル湖の最も重要な価値は、世界最古の湖というところにあります。

進化の天国として有名なガラパゴス諸島のように、外海から切り離されているため、バイカル湖に住む生き物は独自の進化を遂げ、進化生物学の博物館とも呼ばれています。

300本以上の河川が注ぎ込んでいるにも関わらず、バイカル湖から流出している河川は1本しかないため水量も常に豊富で非常に多くの生き物が生息しています。

そんなバイカル湖の魅力について、周辺の歴史も踏まえてご紹介していきたいと思います。

バイカル湖周辺の歴史

バイカル湖はもともと海の底だったと考えられています。

約3000万年前に地殻変動によって外海から切り離され湖となったあと長い年月をかけて淡水湖に変わっていきました。

普通は沼や湖は河川が運んでくる土砂が堆積すること埋まってしまうのですが、バイカル湖の場合にはユーラシア大陸の地下にあるユーラシアプレートとアムールプレートの境界線上にあるバイカルリフトと呼ばれる地溝部にあたるため、土砂の堆積にも関わらず3000万年が経過しても湖のままとなっているのです。

また、そうなるまでには非常に長い時間が必要ですが、いずれは北極海と繋がって海の一部になるのではないかと見られています。

バイカル湖周辺では約2万年前に人類が定住していたことが判明しています。

湖西側のアフォントバ山の麓で現生人類と見られる遺骨が発見されているのです。

この土地で寒帯性気候に適応した後、アジアを南下し始め、中国の北東部、朝鮮半島などの東アジアに広がっていったと見られているこの人々は、日本人の祖先にあたるのではないかとも言われています。

バイカル湖周辺にはブリヤート人と呼ばれる民族が古くから定住していました。

この民族はスキタイ人の一派と思われていますが、10世紀頃からより東のモンゴル族の影響下に入っていったことがわかっています。

また湖に浮かぶ最大の島には古い時代の釜が発見されていて、チンギスハーンに由来するものという伝説も残っています。

長い間モンゴル族などの遊牧民族の支配下にあったバイカル湖周辺ですが、17世紀中ごろにはロシア帝国がこの地に進出し、西暦1658年までには領土に編入しました。

西暦1991年に旧ソヴィエト連邦が崩壊したのち、西暦1997年にはバイカル湖がその独自の生態系の価値を認められユネスコ世界遺産に認定されます。

世界遺産となってからは世界中から観光客が訪れるようになりました。

バイカル湖周辺にはLNG(液化天然ガス)やレアメタルなどの地下資源が大量に眠っていることが判明しており、ロシア連邦内のブリヤート共和国では経済的な理由によりこれら地下資源の開発を進める声が挙がっていますが資源開発がバイカル湖周辺の生態系へもたらす悪影響を懸念する声も強く、現地住民の意見も割れています。

バイカル湖の生態系

一年の内の約5か月もの間、分厚い氷に閉ざされる寒冷地にあるバイカル湖ですが、湖には約1500種類もの生物が生息しています。

この1500種の内、1000種以上がバイカル湖に固有の天然種で、「ロシアのガラパゴス」、「シベリアの真珠」という異名も持っています。

湖の生態系の頂点に君臨しているのはバイカルアザラシというアザラシで、世界で唯一淡水にのみ生息しているアザラシとなります。

他のアザラシの仲間と比べるとやや小ぶりで濃いグレーの可愛らしい姿をしています。

この他にもたくさんの生物が生息するバイカル湖ですが、中でも有名なのはチョウザメです。

チョウザメと聞いてもピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、世界三大珍味のキャビアと聞けばお分かりになるのではないでしょうか。

今では高級食材となったキャビアはチョウザメの卵で、高値で取引されることからチョウザメが乱獲されてしまい、個体数が激減してしまいました。

世界一透明度の高い水を持ち、冬場に凍りついた氷柱はまるでカットされたクリスタルのように美しいバイカル湖ですが、近年は湖周辺の工場から排出される工業用水によって水質が悪化しています。

環境が悪化したことにより、体内に腫瘍を持ったアザラシが発見されるなど、多くの固有種に危機が広がっていると言われています。

この環境汚染問題はロシア連邦政府当局も把握しており、プーチン大統領が水質改善を訴えたこともあり、ブリヤート共和国、ロシア共和国ともに生態系保護、環境改善に取り組んでいます。

お役立ち情報

こちらではバイカル湖観光に役立つ情報や豆知識をお伝えします。

バイカル湖でのアクティビティ

バイカル湖の観光シーズンは夏と冬です。

夏場は20度以上になるため、その気になれば湖で泳ぐこともできます。

またボートに乗ってアザラシや鳥などをウォッチングしたり、釣りを楽しむ人も数多くいます。

冬場はマイナス20度を下回ることもあるほどの寒さで、広大な湖も厚さ1メートル以上もの分厚い氷で閉ざされてしまいます。

毎年3月には凍結した湖の上を走るバイカルアイスマラソンが開催されています。

また冬の終わりが近づくと湖の氷が解け始め、地平線の彼方まで続く氷の割れ目が出現することもあります。

氷が割れ始めるのは4月後半からですが、この時期には毎日違った姿の湖を楽しむことができます。

最後に

いかがでしたか。

これをきっかけにバイカル湖に興味を持って頂けたなら幸いです。

私たち日本人が抱くバイカル湖のイメージは、ひたすら寒そう!というものではないでしょうか。

確かにマイナス20度にもなる非常に寒い土地なのですが、短い夏には20度を超え、半袖で過ごすこともできるのです。

夏に訪れて世界でもここにしかいない可愛いアザラシの姿を楽しむのもいいですし、冬の厳しい寒さの中を訪れて、その寒さと透明な水が作り出す幻想的な風景を楽しむのもまた楽しいと思います。

次回のご旅行先がお決まりでないようでしたら、バイカル湖へのご旅行もご検討下さい!