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芸術と歴史の街ナントを巡る前にこれを見よ!〜前編〜

フランス西部の都市ナント(Nantes)とは?

世界史を勉強したことがある人であれば、「ナントの勅令」でこの街の名前を聞いたことがある人も多いでしょう。

フランス西部のブルターニュ半島周辺のエリアはブルターニュ公国として独立していた国で、16世紀にフランスに合併されるまで、ナントには公爵家の居城が置かれていた都市として繁栄して来ました。

長い歴史を誇るナントの街には、歴史的価値の高い建築物が多く、また美術館や音楽フェスなどの文化面も充実しているため、フランス国内の芸術と歴史の街の一つに登録されています。

また、ナントはフランス人が選ぶ住みたい街で1位を獲得したことがあるほどフランス人の間でも人気のある街なのです。

パリなどに比べると知名度は劣るナントですが、コンパクトで観光客もそれほど多くないため待ち時間などもなく、かつ見応え十分な観光スポットが揃っています。

また、中心部にはおしゃれなブティックからヨーロッパのファストファッションのお店も勢揃いしているため、買い物もお手軽に楽しめます。

日本でも人気のロワール地方の世界遺産の古城巡りや、ブルターニュ地方観光の際にはぜひ足を伸ばしてほしい街です。

今回は、以前の記事では紹介しきれなかったナントの観光スポットを2回に分けてじっくりご紹介します。

中心地西部の観光スポット

ナントの街の中心部は、交通の要所である50オタージュ通り(Cours des 50 Otages)を挟んで、大まかに東西に別れています。

今回は、ショッピング・博物館エリアとして賑わっている西側の観光スポットに焦点を当てていきます。

*パッサージュ・ポムレー(Passage Pommeraye)

おしゃれブティックが立ちならぶクレビヨン通り(Rue Crébillon)から少し入ったところにあるのが、ヨーロッパ内屈指のパッサージュとして知られているパッサージュ・ポムレーです。

パッサージュとは商店街のことで、こちらは1843年に建てられたアール・ヌーボー様式のもの。

三階建てになっており、階段や廊下の欄干、柱や天井の彫刻は商店街とは思えないほどの芸術作品です。

フランス人はおしゃれという印象が強いですが、このような場所が身近にあるのなら彼らの洗練されたファッションセンスも納得です。

ヘルメスなどの高級ブランドからお菓子屋さんなど様々なブティックが入っており、お土産探しもウィンドウショッピングも楽しめるオススメスポットです。

二階のテラスにはカフェスペースもあるので、お買い物を楽しんだ後に建物を鑑賞しながら休憩することも可能です。

曜日や時期によっては、ストリートミュージシャンのバイオリン生演奏なども楽しめますよ。

基本的に毎日8~20時まで開いているので、時間があるときに立ち寄ってみるといいでしょう(店舗により昼休憩や店休日あり)。

*サン・ニコラ聖堂(Basilique Saint-Nicolas)

サン・ニコラ聖堂は、ナント中心部では東側にあるにある大聖堂に次いで大きな教会です。

この聖堂の前身は12世紀ごろに建てられ、19世紀に増築されました。

その後第二次世界大戦中の空爆により天井が損傷し、1974年に修復が完成して今に至っています。

約100メートルの鐘楼、シンプルな外観にとげとげしい屋根が印象的な建物ですが、内装はとても美しく絶句ものです。

身廊や天井は白い石で統一されているのですが、必見は祭壇から奥の部分です。

というのも、教会内の暗明のコントラストとステンドグラスが演出する採光の美しさが絶景なのです。

入り口から祭壇手前まではステンドグラスも無色で比較的明るいのですが、祭壇奥の窓には色味の強いものが使われているために暗く感じます。

しかし、濃い赤や黄色のステンドグラス、照明でオレンジ色に染まる祭壇周りの身廊は、神秘的という言葉がぴったり。

日差しが強い時間帯には、祭壇の柱や壁にステンドグラスの採光がはっきりと浮かび上がり、光が織りなす絶景を見ることができます。

この教会は毎日開いていますが、午後の一定の時間のみの解放となっています。

基本の解放時間は2~4時で、火・金曜日は6時まで開いています。
月曜日は午前中も開いており、10:00~11:45と4~6時が解放時間となっています。

筆者的にはかなりオススメ度が高い教会ですので、時間的な制約があるもののぜひとも訪れてほしいところです。

*自然史博物館・ドブレ歴史博物館(Muséum d’Histoire Naturelle/ Musée Dobrée)

中心部西側には、中規模の博物館が5つほど集まっています。

その中でも、自然史博物館とドブレ歴史博物館は展示内容・建物自体も見応えがあるのでオススメの博物館です。

自然史博物館は、アンモナイトなどの古代生物の化石、海獣や様々な陸上動物の骨格模型や剥製、木の化石から鉱石まで、本当に幅広い範囲のものを展示しています。

中には生きた蛇やカメレオン、昆虫などが展示されているスペースもあります。

建物の正面上部に大きな彫刻と巨大な円柱が並んでおり、中規模の建物ではあるものの外観も見応え十分です。

自然史博物館の前には芝生の広場があるので、天気が良ければ青空と芝生と博物館を入れたインスタ映えする綺麗な写真も取れますよ。

こちらの博物館は火曜日以外毎日オープンしており、開館時間は10~18時、大人一名4ユーロです。

自然博物館のすぐ近くにあるドブレ歴史博物館は19世紀に貿易商人だったトマス・ドブレによって開設されました。

アンティークコレクターだった彼がブルターニュ公爵家のマナーハウスを獲得し、広場や別棟を増築して現在の博物館に至りました。

特にヨーロッパの古代~中世の彫刻やコイン、絵画などの美術品が所蔵されています。

現在は2019年9月からの大規模な改装準備のために部分的にしか解放されていませんが、年季の入った美しい煉瓦造りの建物はまだ健在です。

周囲にはベンチなどもあり市民の憩いの場としても利用されているので、館外でものんびりとした時間を過ごすことができます(ガーデンスペースは8~18時まで利用可)。

臨時展示中は無料で見学でき、また普段は閉鎖されている塔に登ったりプロジェクションマッピングをしたりと頻繁にイベントを開催しているので、訪問前にホームページをチェックしてみるといいでしょう。

こちらの博物館は火~日曜日の14~18時が開館時間となっています。

ナントへのアクセス

ナントへのアクセスはフランス国鉄が運行するTGV(高速列車)が便利です。

パリからナントへは直行のTGVが一日10本前後出ており、所要時間は3時間ちょっとです。

TGVのチケットは早く購入するほど割引率がいいので、事前に旅行の計画が立てられる場合は決まり次第買うのがオススメです。

チケットは駅にある発券機で発券できますが、日本語には対応していないので、英語に自信がない場合は事前にホームページで購入したチケットを印刷して持参するか、スマートフォン用のアプリをダウンロードしてバーコードを提示する方が簡単です。

事前に印刷したチケットやアプリ上のバーコードは駅の改札口でのチェックはなく、車内での検札制です(フランスは結構適当な国なので、検札がないこともあります)。

ただ、駅などの発券機で発券した紙のチケットの場合は、ホーム各所に設置してある黄色の打刻機に通す必要があるので注意しましょう。

南フランスや東フランスの他の都市からナントに移動する際は、都市によっては飛行機を利用した方が便利な場合がありますので、飛行機・TGVどちらも確認することをお勧めします。

ナント空港からナント中心部までは空港シャトルバスが2~30分おきに出ており、20分ほどで中心部へ到着します。

料金は片道9ユーロ(209年9月まで)で、自販機や運転手から購入できます。

ナント中心部の移動は徒歩かトラムが便利です。

トラムについては次回の記事で詳しくご紹介します。

まとめ

歴史と芸術の街として登録されているナントには、ブルターニュ公爵城など以外にも多くの観光スポットが点在しています。

コンパクトにまとまった街で観光客もパリなどに比べると少ないので、観光もショッピングも快適に楽しむことができます。

今回はナント中心部の西側にある観光スポットを重点的にご紹介しました。

19世紀に建てられたオシャレな商店街であるパッサージュ・ポムレーは、アール・ヌーボー様式の美しい彫刻や欄干などが見どころです。

洋服や靴の高級ブティックからお菓子屋さんまで様々なお店が入っているので、お土産探しやウィンドウショッピングにも最適です。

サン・ニコラ聖堂は、そびえ立つ鐘楼と洗練された佇まいが特徴の教会です。

必見すべきは内部奥の祭壇周辺の部分。

教会入口と奥で異なる暗明のコントラストが大変美しく、祭壇付近の鮮やかなステンドグラスが暗めのオレンジ色の照明の中で壁や柱に反射する光景は大変美しいものです。

西側には博物館が集まっていますが、その中でおすすめなのは自然史博物館とドブレ博物館です。

自然史博物館は動物などの骨格標本や剥製、木の化石や鉱物など様々なものが展示されています。

ドブレ博物館はヨーロッパの古代から中世ごろの美術品やアンティークを所蔵しています。

展示物はもちろん、どちらも建物自体や中庭も見ごたえがあるので、外観だけでもぜひ見て欲しいところです。

天気が良ければ、空と建物と緑がマッチしたインスタ映えする写真を撮ることが出来ますよ。

ナントへのアクセスは、パリからであればTGVの利用が便利です。

定期的に直行便があり、所要時間は3時間ちょっとです。

チケットは早く買えば買うほどお得になります。

パリ以外の南フランスなどの都市からであれば飛行機を利用した方が便利な場合もありますので、TGVと飛行機のどちらも調べて比較することをお勧めします。

今回はナント中心部の西側の観光スポットをご紹介しましたが、東側にも必見スポットが集まっています。

後編では東側の観光スポットと、ナント中心部の移動についてご紹介しますのでお楽しみに!