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芸術と歴史の街ナントを巡る前にこれを見よ!〜後編〜

前回から、フランス西部の都市で芸術と歴史の街に登録されているナント(Nantes)の観光スポットについてご紹介していますが、ナントに興味を持っていただけたでしょうか?

城や博物館、大聖堂など見所が点在しているナントは観光地としてはもちろん、ショッピングエリアも中心部にまとまっているので、買い物も観光も手軽に楽しめる街です。

前回は中心部から西側のエリアにあるオススメスポットをご紹介したので、今日は中心地から東側の観光スポットを詳しく紹介していきます。

ナント中心部の東側はブルターニュ公爵城や大聖堂などがあり、歴史的な雰囲気が色濃く残るエリアです。

城や大聖堂の周りにはブルターニュ特産のお土産を扱ったギフトショップなどがたくさん集まっており、また交通の基点である国鉄ナント駅も東側なので、旅程の都合であまり観光に時間が避けない場合でも町歩きに最適のエリアと言えるでしょう。

今回はブルターニュ公爵城に次ぐ、東側エリアの3つの観光スポットをご紹介します。

*サン・ピエール=サン・ポール大聖堂(Cathédrale Saint-Pierre-et-Saint-Paul)

サン・ピエール=サン・ポール大聖堂はナント近隣を代表する教会です。

この教会の起源は6世紀にまで遡りますが、数度の改修・増築などを経て現在のようなゴシック様式の姿になりました。

1434年に拡大するために新教会の建設が始まりましたが、フランス革命や火事などのため全てが完成したのは1891年で、実に457年もの歳月を費やしたのだとか。

完成したかと思いきや、第二次世界大戦の空襲と70年代の大火災で全面的に崩壊してしまったという悲惨な歴史を持った大聖堂なのですが、1985年に修復され現在に至りました。

この大聖堂の第一の見どころはその佇まい。

白亜の美しい外観は、天気がいいと青空とマッチしてとても美しい景観を生み出します。

「地上の楽園」というイメージで作られたとされる正面ファザードには、門を取り囲むように無数の天使などが彫られており、圧巻の景観です。

聖堂内部に入ったらファザードの真ん中のドアを見てみましょう。

中心のドアには、1434年の建設が始まった年の礎石と、1481年に取り付けられたと言われている年季の入った木造の古い扉が残っています。

教会内部は比較的新しいのですが、窓枠にはめられたステンドグラスが他の教会とは異なり斬新です。

教会のステンドグラスは聖書や聖人、歴史に関連する絵や幾何学模様が描かれていることがほとんどですが、この教会は雰囲気のある光を生み出すことを目的に作られたため、炎のようにも見える形のガラスが無作為に散りばめられているのが特徴です。

淡い色合いのガラスから色彩の濃いものまで、細かく組み合わさったステンドグラスは他には見られない独特で美しい雰囲気を醸し出しており必見です。

また、中央部の南側通路にはブルターニュ公爵のフランソワ2世と妻の遺骨が収められた墓碑があります。

この墓碑はフランスカトリック芸術の傑作の一つとも言われるもので、柩の周りを多くの彫刻像が取り巻いています。

四角にそれぞれ賢明さ、節制、力、正義を司る像が立っているのですが、彼らをよーく見て見ましょう。

一体だけ気づくと「え!?」とびっくりするものがあるので、ぜひご自分の目で確かめて下さい。

また、この墓碑の上にある聖人などを描いたステンドグラスは、フランス国内で一番高さと広さがあるものなので、こちらも見落とさずにしっかり見て行ってください。

大聖堂は基本的に毎日9~18時まで開いています(4~9月は19時まで)。

また、週末は教会左側の庭園スペースから地下聖堂にも入ることができるので、タイミングが合えばぜひこちらも見学するといいでしょう。

*サント・クロワ教会(Église Sainte-Croix)

サント・クロワ教会は、大聖堂から徒歩5分ほどのところにある中規模の教会です。

この教会も起源は11世紀にまで遡る古い教会で、17~19世紀にかけての改修・増築で現在の建物になりました。

最初はゴシック様式の建物でしたが、17世紀後半にイタリア・ギリシャ風の柱やペディメントになったため、外見は神殿様式のような外観です。

外観の見どころは、19世紀に再建された時計台と鐘楼です。

四面全てに取り付けられた大きな時計と、天使の銅像に囲まれた鐘楼は実に見事です。

教会内部は大聖堂と打って変わって少し暗めで、両翼の身廊の天井は木組みでできており、石造りのアーチ部分とともに洗練された雰囲気を醸し出しています。

内部の見どころは祭壇部分とステンドグラス。

祭壇奥の3枚の大窓にイエスや聖母マリアなどの絵が描かれており、外からの光を浴びて祭壇に反射するステンドグラスの色合いがとても神秘的です。

また、側面のステンドグラスは美しい幾何学模様が描かれており、光を浴びて美しく輝く姿は必見です。

こちらの教会の基本の開放時間は8~19時となっています(ミサの時間帯や洗礼式などがあっている場合は入れません)。

正面扉は開いていなくても側面の扉が開いていたりもするので、閉まっていても諦めずに別の扉に回って見てください。

この教会前の広場では、小規模の常時古本や骨董市が行われているので、立ち寄ってみるのも面白いでしょう。

*ナント植物園(Jardin des Plantes)

最後にご紹介するのは、ナント駅前にある植物園です。

名称では植物園となっていますが、実際は緑豊かな大きな公園のような場所です。

この植物園の前身は17世紀に作られた植物の栽培工場だったそう。

18世紀にルイ15世が植物のコレクションを増やそうと船の船長達に航海から植物を持ち帰るように命じたことで、フランス国外の植物も扱う植物園になったのです。

園内にはカフェやベンチ、美しい芝生が広がっており、繁華街や学校に近いということもあって、昼間は観光客や地元の人たち、学生などの憩いの場となっています。

広い園内にはヨーロッパやアジア原産の植物が数多く植えられており、カエデやツツジなどの花が日本のものとして紹介されています。

季節によって色とりどりの花が咲いているので、いつ行っても楽しむことができ、温室などもあるので亜熱帯の植物や食虫植物なども展示してあります。

特に、コレクターに寄贈されたというサボテンの数は凄まじく、見応えがあります。

この公園の見どころは植物だけではありません。

この公園内を歩いて回ると、波打ったような面白い形をしたベンチや鳥居ほどの大きさがある巨大ベンチ(もちろん高すぎて座れません)、マトリョーシカのように小さいものから大きなサイズまでずらっと並んでいるベンチなど、遊び心満載のベンチを見ることができます。

巨大ベンチにはぶら下がるような格好で写真を撮るのが人気なようですので、手が届く人はチャレンジして見てはいかがでしょうか?

また、園内には植物で作られた巨大な動物のオブジェもあります。

2018年の8月の時点では、可愛い熊?のようなオブジェが芝生の上でお昼寝をしていました。

この動物オブジェは毎年変わるそうなので、なんの動物が見られるのかは行ってからのお楽しみです。

オブジェに限らず、園内には本物の鴨やアヒル、インコやオウムなどの鳥類や可愛らしいヤギや羊などがいるスペースもあります。

天気が良ければ近くのベーカリーでサンドイッチやコーヒーをテイクアウトしてまったりするもよし、駅にも近いので列車などの町時間潰しにももってこいです。

この植物園は季節によって開園時間が異なります。

開園時間は8:30ですが、閉園時間は冬季が17:30、夏季は20:00、それ以外は18:30となっています。

基本的に日没前までは開いているので、時間があればぜひ立ち寄って市民に混じってゆったりして見てはいかがでしょうか。

もちろん入場料などはかかりません。

ナントの移動手段

前回の記事ではナントまでの移動方法を紹介したので、本記事ではナント市内での移動手段についてご説明します。

前述の通り、ナントはコンパクトな街なので、これまでに紹介した観光スポットは徒歩でも回ることができます。

しかし、全てを歩いて回ると結構な距離になり、夏場などの暑い時期は日差しが強いので、徒歩とトラムを組み合わせることをお勧めします。

ナントのトラムは全部で4本(実際はトラム3本、バス専用路線1本)ありますが、ナント中心部の主要観光スポットは、ナント駅前などを通る1番路線の6つの停留所の間に集中していますので、簡単に利用できるはずです。

トラムは5~10分程度の間隔で運行しているので、待ち時間もそれほどありません。

チケットはトラムの停留所の自販機で購入できます(コインかカードしか使えません)。

料金は一回券が1.7ユーロ、一日券が5.6ユーロです(2018年9月現在)。

トラムに乗ったら入口付近にある打刻機で時間を記載することを忘れずに。

検札があった場合、チケットを持っていても打刻していなかったら罰金になるので注意しましょう。

また、大聖堂の前のサン=ピエール広場(Place Saint-Pierre)からは、主要観光スポットを回る赤と白の車両が目印のプチ・トレイン(Petit Train De Nantes)も出ています。

4~9月の間は毎日、10~17時の間で1時間おきに広場から出発します(13時発は昼休憩のためなし)。

料金は大人一名6.5ユーロで所要時間は40分程なので、観光スポットの内部まで入ってゆっくりする時間はない場合などに、効率よくナント中心部を見て回る手段としてお勧めです。

まとめ

フランス西部にある芸術と歴史の街ナント。

前回に引き続き、本記事ではナント中心部の東側エリアの観光スポットを紹介しました。

白亜の堂々とした外見に緻密な彫刻が施された正面ファザードが圧巻のサン・ピエール=サン・ポール大聖堂は、15世紀の礎石や木造扉、斬新的なステンドグラス、カトリック芸術の傑作と称されるフランソワ2世の墓碑、フランス一高くて大きなステンドグラス窓などが見どころです。

大聖堂からも程近くにあるサント・クロワ教会は、イタリア・ギリシャ風の神殿様式の作りの影響が見られる教会で、四面全てに設置された時計盤がある時計塔と、その上に天使の銅像に囲まれてそびえ立つ鐘楼が見どころです。

内部は薄暗い印象があるものの、木造の天井や、幾何学模様や聖人たちを描いた祭壇奥の美しいステンドグラスなどは必見です。

ナント駅前にある植物園は美しい庭園やカフェなどが揃っており、市民や観光客の憩いの場になっています。

園内には世界中から集まった植物が植えられており、季節によって色とりどりの草木に囲まれた美しいところです。

庭園以外にも、特大サイズや波形などの遊び心満載のベンチや、植物で作られた動物のオブジェなども見ることができます。

ヤギやオウムなど本物の動物とも触れ合うことができます。

これまでに紹介した観光スポットは、中心部エリアに集まっているので全て徒歩で回ることも可能ですが、夏場などはトラムと徒歩を組み合わせての街歩きをお勧めします。

トラムの1番路線上にあるナント駅から6つ先の停留所の間にほとんどの観光スポットがあるので、トラムの利用も簡単・便利です。

また、4~9月は大聖堂前のサン=ピエール広場から観光名所を回るプチ・トレインも運行しているので、効率よく手短に観光スポットを見て回りたい人にはお勧めです。

ナントはフランスでは6番目の規模の街ですが、フランス人が選ぶ住みたい街で1位をとったこともある人気都市です。

観光やショッピングエリアが中心部に凝縮されており、またパリなどに比べると観光客も多くないため、見応えのある観光スポットをゆっくりじっくりと堪能でき、またフランス人の日常生活を直に感じることができます。

親切な人も多く、中心地では意外と英語が通じるところも多いので、フランス語がわからない人でも比較的旅しやすい街と言えます。

本物のフランスを短時間で堪能するにはもってこいの街ナント。

これからは黄葉が美しくなり、また冬にはクリスマスマーケットや大聖堂のプロジェクションマッピングなどもあります。

ぜひ秋・冬の旅行先の一つに検討されてはいかがでしょうか?