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老若男女楽しめる!?イギリス開催「パンケーキ・レース」とは?

 

子供から大人まで、みんな大好きなおやつといえば、パンケーキ!!

幼い頃、3時のおやつにお母さんと一緒に作ってみたり…そんな懐かしい思い出もあるのではないでしょうか。

近年日本では、密かにパンケーキブームが巻き起こっていますね。

「幸せのパンケーキ」や「gram」など、名だたるパンケーキ専門店が立ち並び、お店は連日、たくさんの若者で賑わっています。

ちなみに、パンケーキとホットケーキは、厳密に言うと同じものだそうです。

パンケーキとは、フライパンなどで焼き上げたケーキの総称であり、フランス語の「パケヌ」から転化した英語。

「パケヌ」はクレープ生地の薄いものから、一般的にホットケーキと認識されやすい厚めのものまで、その対象は幅広いです。

しかしながら日本の製菓会社の見解はさまざまであり、人気ながらにその定義はあいまいという、なんともまあ、不思議なおやつなのですね。

さて、今回はそんなパンケーキにまつわるお祭り。その名も「パンケーキ・レース」。

そのまんまですが「パンケーキ・デー」に行われるレースで、その歴史にならって多くの人々が参加します。

一体どんなお祭りなのか。

その歴史や見どころなど、レポートしていきます。

「パンケーキ・レース」の開催場所、開催時期は?

そもそも「パンケーキ・デー」は、ジェントルマンの国、イギリスで始められた祝日。

日本では馴染みのないものですが、実はヨーロッパ圏では非常にポピュラーな祝日で、

「パンケーキ・デー」には、ヨーロッパのみならず、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなど、世界の至る所でイベントが行われます。

それもそのはず。

というのも「パンケーキ・デー」はれっきとしたキリスト教行事だからです。

その経緯は後述しますが、開催時期はその年の復活祭(イースター)により変動します。

開催時期の定義は「イースター・サンデーの47日前」であり、2月ごろに開催されることが多いようです。

2018年は2月13日に開催されました。

なお、パンケーキ・レースの開催場所として有名なのは主に2か所。

1つ目は、レース発祥の地といわれるイングランド南東部バッキンガムに位置する街、オルニー。

もうひとつは、皆さんご存知イギリスの首都、ロンドンで開催されるレースです。

「パンケーキ・レース」の歴史

まずは「パンケーキ・デー」についての歴史から。

キリスト教におけるイースターの前には、四旬節と呼ばれる40日間(日曜日は除く)の断食期間が存在します。

断食期間が近づくにつれて、戸棚にある卵や牛乳を消費するため、あるいは、それらを飲食することで英気を養うため、パンケーキを作って食べたことが「パンケーキ・デー」のはじまりであるといわれています。

今では40日間、徹底した食事制限を行う人は少ないものの、毎年2月の告解の火曜日にパンケーキを食べる習慣は、伝統として受け継がれています。

さて、そこからどう、レースへと発展していったのでしょうか。

舞台は15世紀のオルニー。

パンケーキ・デーには人々が教会に集まり、告解(キリストへの懺悔)を行うのが習わしでした。

1445年、ある1人の主婦がパンケーキを焼いていたところ、礼拝の始まりを告げる鐘が鳴り響きました。

「もうこんな時間!?急いでむかわなきゃ!!」

主婦はもう大慌てです。

パンケーキを乗せたフライパンを持ったまま、エプロン姿で教会へと駆け込んでいきました。

実は以上の物語が、レースのきっかけであると言われています。

まるでマンガのようなお話ですね。

一介の主婦の爆走がきっかけで始まったパンケーキ・レースは、今やなんと500年以上の歴史を持つ祭りとなっています。 

「パンケーキ・レース」の見どころ

宗教的な要素も含まれたイベントですので、オルニー、ロンドン共に慎ましやかながら、非常にアットホームな雰囲気のなかで行われます。

さすがは500年以上の歴史を持つレースです。

原則として参加資格は17歳以上の村人に限るものとし、先述の歴史から、以前は女性のみが参加できるものでした。

しかし、現代は男女平等の世の中です。

少しずつ制度は見直され、現在では男性も参加可能となりました。

ただし“女装”が参加の条件です。

参加者はみんな頭に三角帽をかぶり、エプロン姿で参戦します。

フライパン片手にパンケーキをひっくり返しながら、415ヤード(およそ400m弱)を全力疾走するのです。

様々な部門が設けられており、小さな主婦たちがとことこと歩いていく子どもオンリーの部門は、とにかく見ていて癒されます。

優勝者にはパンケーキだったりフライパンだったりいった経験が贈呈されます。

オルニーのレースでは、教会の神父から祝福と平和のキスが。

あくまで宗教的、伝統的なお祭りですので、賞金などの制度はありませんが、とにかく参加者みんなが楽しんでいます。

レースだけではありません。

「パンケーキ・デー」中にはパンケーキも販売されます。

日本と異なり薄めの生地ながら、その味は確かです。

ここでも売上金の一部はチャリティーへと還元されるなど、主催者側の人々の温かさが感じられます。

ロンドンだけでも、パンケーキ・レースはありあまるほどありますが、とりわけ有名なものは、以下の3つです。

  • The Great Spitalfields Pancake Race

ロンドンの東部にある、スピタルフィールズという場所で開催されるレース。

4人編成でのリレー方式で、飛び入り参加も可能です。ぜひ友達を誘って参戦してみては?

  • Parliamentary Pancake Race

ロンドンのウエストミンスターにて実施されるレース。

この祭りの面白い点が、なんと国会議員が参加するという点です。

下院議員、上院議員、マスコミ関係者がグループに分かれ、みんなスーツ姿にエプロンを着て競い合います。

1998年から始まったもので、ロケーションも国会議事堂の隣。

その土地柄、観光客にも人気のレースです。

日本では政教分離が常々ささやかれるなか、すさまじいギャップですよね。

  • Poulters’ Pancake Races

古くから、職業団体であるギルドが発達していたロンドン。

その名残を受け継ぎ、職人組合ごとに分かれて争います。

ステキなおじ様たちがエプロン姿で、フライパンを持ってかけまわる姿は必見ですよ。

最後に

こちらの「パンケーキ・レース」、地元住民であることは最低条件ですので、参加したいという方は、三か月ロンドンに滞在していると地元民として参加できますよ。

パンケーキの入ったフライパンを持って走るという、一見バカな設定のお祭りながら、その内実は非常に素敵で、人々の慈悲の心がよくあらわれているお祭りです。

ロンドン開催とアクセスも良好ですから、気になった方はぜひ足を運んでみてください。