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空模様ならぬ「傘」模様!?ポルトガル「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」とは?

“アート”や“芸術”について、みなさんはどのようなイメージを抱いていますか?

「アートって難しい…」「芸術とかよく分からない」というように、多くの日本人の方は、アートに少し苦手意識を持っているイメージがあります。

一方で西洋や東欧では、アートは人々の生活に、より身近なものである印象があります。

自分の好きな絵画はあって、それについての造詣が深かったり、部屋に一枚の絵を飾るのが当たり前だったり…。

さまざまなアートを扱った芸術祭も、頻繁に行われています。

今回はポルトガルで行われる芸術祭「アゲダグエダ芸術祭」で行われる「アンブレラ・スカイ・プロジェクト(Umbrella Sky Project)」について、レポートします。

一面に広がる“傘”模様!

その見どころや歴史など、十分にお伝えできればと思います。

「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」の開催場所、開催時期

「アゲダグエダ芸術祭」の開催場所は、ポルトガル中部、第2の都市ポルドの近郊にある街、アゲダ。

ポルトの賑やかさとは打って変わり、アゲダは中心駅が無人駅であるほどの小さな街。

しかしながら、芸術祭の時期には街中がアートやオブジェで盛りだくさんに。

とりわけ有名なのが「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」であり、たくさんの観光客が街を訪れるのです。

なお開催時期について、アゲダグエダ芸術祭については7月中実施されていますが、「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」については7月から9月末まで、展示が行われています。

「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」の歴史

同プロジェクトが始まったのは2012年。

アゲダグエダ芸術祭自体はそれ以前から行われていましたが、著名な写真家Patricia AlmeidaさんがSNSに写真を掲載したことがきっかけとなり、今ではプロジェクトのほうが有名となっています。

日本でも、大手家電メーカーのテレビCMにてプロジェクトの光景が使用されましたので、もしかすると、見たことがある人もいるかもしれません。

さて、このプロジェクト、もともとは町おこしではなく、なんと「日射病対策」として実施されたものでした。

というのも、アゲダを含むポルトガル中部は、気候区分によるところの地中海性気候。

基本的に冬でも温暖な気候であるのが特徴です。

夏は日本並みに高温になりますが、湿度が低く、太平洋側、カナリア寒流からの風が吹くこともあって、日本以上に快適に暮らすことができます。

そのため自己の脱水症状に気づかず、日射病、日中症に陥るケースが多いようです。

また紫外線も強いため、特に女性のみなさまにとっては、悩ましい気候だったわけですね。

そうした背景から考え出されたのが、このプロジェクト。

青空一面に傘がさされたことにより、夏の間でも快適に街の中を歩けるようになりました。

効果は絶大で、実際に日射病の患者が減ったというデータも存在するそうです。

人々の生活を改善させつつ、心まで明るくさせるアート。

すごく素敵なプロジェクトですよね。

「アゲダグエダ芸術祭」の見どころ

同プロジェクトの実施される「アゲダグエダ芸術祭」では、アゲダの街のいたるところがアートのキャンバスとなります。

「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」の場合、その名の通り「空」がキャンバスとなるわけですね。

開催時期になると、街の空にワイヤーが張り巡らされ、そちらに傘が通されていきます。

なお、同プロジェクトで使用される傘のデザインや配置などは、デザイン会社によって毎年考え出されています。

そのため、年ごとにその色合いが違っているのも見どころです。

芸術祭自体には「カラフルにする」というコンセプトがあるようで、とにかく街中がレインボーカラーに。

ベンチや路地の階段はもちろん、街灯や柱、お店の看板にまで色が施されたり、絵が描かれたりしています。

なにも芸術祭は絵画だけではありません。

開催期間には街の広場に仮説のテントが設営され、連日コンサートが開かれています。

コンサートの内容は日ごと、に異なり、子どもや学生によるアマチュアレベルのものから、プロのロックシンガーやクラシック奏者によるコンサートまで様々です。

芸術祭の期間中は、どうぞみてくれと言わんばかりに、街中に休憩所が設置されていますから、一日中、カラフルなアートを楽しむことができますよ。

「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」の楽しみ方

ここで、メインの展示である「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」の楽しみ方について、伝授したいと思います。

とにかく、様々な傘を楽しむ!

そのタイトルの通り、アゲダの街はいろいろな傘であふれかえっています。

黄、赤、緑、青と、色とりどりなだけではありません。

なかにはオレンジの輪切り模様をあらわしたものや、透明な傘にペンキが塗られたような模様、傘自体が様々な色に塗り分けられたものなど、デザインに工夫が施されたものもたくさん。

色だけではありません。

ビルの窓にぎっしりと傘が張り巡らされていたり、傘と一緒に人形が浮かんでいたり、しまいには「傘の木」、お土産用に「傘クッキー」なんてものも。

とにかく街中が傘、傘、傘。

ディズニーランドで「隠れミッキー」を探すような感覚で、たくさんの傘を見つけてみてください。

めざせ“インスタ映え”撮影方法3選

これまでのレポートを読んで、インスタグラマーの血が滾っているみなさんに「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」でしかできない撮影方法をご紹介。

  • まずは初級編。普通に傘、あるいは景色と一緒に撮影

傘がカラフルであるがゆえ、普通に撮影するだけでもキレイな風景が撮れます。

傘のあるスポットでは、そこにあるベンチや壁も同じ雰囲気であることが大半ですので、一緒に撮影するのも“インスタ映え”ですね。

  • ガラスに反射された傘を撮影

「普通にとるだけじゃ物足りない」という方は、ガラスに映った傘を撮影するのもおススメ。

思いのほかキレイに反射されますので、実物の傘と反射された傘を一緒に撮影すると、まるで傘の量が2倍になったような写真に。

  • 傘の影を撮影

天気のいい日には、傘の影が地面や建物の壁へと映し出されます。

この風景がまた、インスタジェニックなのです。

その映し出された模様は、まさに傘のステンドグラス。

ぜひ、試してみてくださいね。

最後に

「日射病対策」というところから実施された、今回の「アンブレラ・スカイ・プロジェクト」。

実用面を考えたところからのプロジェクトというのは、世界でも珍しい例かもしれません。

日本からアゲダへの直通便はなく、リスボンから電車で約3時間半というアクセスにはなりますが、それだけの道中を経てもなお、魅力的なお祭りであると思います。

カラフルな傘模様のもと、優雅な夏の昼下がりを感じながら、ぜひ、インスタジェニックな一枚を撮影してみてください。