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痛みと汚れに打ち勝て!イタリアの「オレンジ祭り」に参戦してみよう!

「オレンジ祭り」とは?

ヨーロッパの食べ物を用いた有名なお祭りとして、スペインのトマト祭りがあります。
トマトで町中が真っ赤に染まる光景を、テレビなどで見たこともある方も多いと思います。

実は他にも、ヨーロッパには食べ物を使ったお祭りがあります。
それが今回紹介する、イタリアのオレンジ祭り。

祭りの内容はその名の通り。
町の人々がとにかく、オレンジを投げつけます。

皮も厚い分、トマトよりも痛い。笑

にもかかわらず、人々はほとんど防具をつけることなく、目が腫れたり、鼻血を出したりしながらも、オレンジを投げ合います。

その起源、激しさから「オレンジ戦争祭り」または「オレンジ合戦」と称されることも。
町は投げつけられたオレンジでいっぱいになります。

某番組で宮川大輔さんも参戦していましたね。

そんな、最高にクレイジーなオレンジ祭り。
その歴史やルール、参加方法まで、レポートしていきます。

「オレンジ祭り」の歴史

起源は、農民による一揆

オレンジ祭りは13世紀、町を支配していた領主に対して、農民たちが反旗を翻した話が起源といわれています。

13世紀、領主は重税や厳しい政治を行い、人々を苦しめていました。
その中に、すべての花嫁の初夜権を領主が握るという取り決めがありました。

あるとき、ヴィオレッタという粉屋の娘が結婚することに。

結婚は喜ばしいことだけれど、領主のもとに行かなければならない…。
悲しむ夫に対して、断固として領主には屈しないと、ヴィオレッタは誓います。

そして、結婚した日の夜、取り決め通りに領主の城へと出向いたヴィオレッタ。
なんと隠し持っていた短剣で、領主の首を切り落としたのです。

その勇猛な姿に人々は歓喜し、一斉に城を攻撃。
領主を失った城は、あっという間に人々の手に落ちました。

この一連の出来事が、貴族VS農民のオレンジ合戦という形で、現在に受け継がれているといわれています。

なお、現在でもヴィオレッタは「La vezzosa Mugnaia(粉屋の美しい娘)」という名で親しまれており、毎年、ミスMugnaiaを決定するコンテストも開催されています。

「オレンジ祭り」の始まりは豆合戦?

また当時の領主たちは、農民に厳しい政治を行っていました。

改正を求める声にも領主は聞く耳を持たず、農民たちは厳しい納税をしのぐため、年に二回、鍋いっぱいの豆を献上することでとりなしました。

しかし、なんとか我慢してきた農民たちも、ついには限界を迎えます。
施された豆をつかみ、領主に投げ返して反抗し、見事勝利を収めたのです。

こうした背景から、中世時代にはカーニバルの時期、豆合戦をするようになります。
それが、オレンジ祭りの始まりといわれています。

でも、なぜ豆合戦がオレンジ合戦となったのでしょうか?

豆がオレンジになった理由

時は1800年ごろのカーニバル。

町を練り歩くパレードの馬車に向けて、女性が自分の家のバルコニーから、花や紙吹雪を撒く慣習がありました。

その理由のひとつは、パレードに参加している気になる男性にアピールするためです。
花や紙吹雪がラブコールだったわけですね。

アピールするためには、目立たなければ意味がない。
自分を目立たせるため、当時、北イタリアでは珍しい果物だったオレンジを投げる女性がでてきました。

すると少しずつ、パレードの参加者からも気持ちのお返しとして、オレンジを投げ返すように。

その名残が、現在のオレンジ祭りにつながっているのです。

「オレンジ祭り」の開催場所、開催時期

場所は北イタリアのピエモンテ州にある小さな村、イヴレア。
首都トリノから電車で1時間ほどのところにあります。

開催はイタリアのカーニバルに合わせて、毎年2月中旬から3月上旬の1週間にかけて行われます。

祭りは6つの広場で同時に行われますが、狭いうえに人が多い場所もあるので、注意が必要です。

「オレンジ祭り」のルール

お祭りは、貴族側と平民側に分かれて行われます。

場所に乗っているのが貴族の役。
50以上の馬車を出し、1000人以上で編成されています。
甲冑を着ていた中世時代の貴族にならい、馬車の上でヘルメットをかぶって参戦します。

貴族側に対して、その周りを歩いているのが平民役。
防具はつけていないものの、その数は4000人以上。

居住地ごとに、以下のような9つのグループに分かれ、チームごとにお揃いの衣装を身にまといます。

Picche(スペード)
Morte(死)
Tuchini(トゥキーニ)
Scacchi(チェス)
Arduini(アルドゥイーニ)
Pantere(パンサーズ)
Diavoli(悪魔)
Mercenari(傭兵)
Credendari(クレデンダリ)

そして彼らの傍には、大量に積まれたブラッドオレンジが用意されています。
その重量、なんと約400トン!
祭り前にはそれらをつまみ食いするおじさんや、それらを絞ったジュースで気合を入れる人も。笑

いよいよ合戦開始。
合図とともに、両チーム一斉に、ものすごい勢いでオレンジを投げ始めます。
暴君貴族を攻め立てて倒すという史実に基づいて、合戦が繰り広げられます。

合戦には審判もおり、合戦を観察しながら、かわし方が上手、攻撃が上手い…などで点数をつけ、両チームでそれぞれ一番優れていたチームが勝ちとなります。

オレンジ投げの前後には、先ほどの領主を殺した勇敢な村娘、ヴィオレッタ役の女性が登場。
花やキャンディを見物客に投げ与え、勝利する民衆たちを褒めたたえるのです。

「オレンジ祭り」の楽しみ方

出場者として参加する場合

オレンジ祭りには原則、地元住民しか出場することができません。
しかし裏技があり、それぞれのチームの外部参加者枠としてエントリーできます。

参加費は5ユーロほど(約580円)で、他にもお揃いの衣装代などがかかるので注意です。

このオレンジ祭り、とにかく町も自分もオレンジまみれになります。
服にしみついたオレンジは、簡単に取れるものではありません。

汚れても構わない服装で祭りに臨みましょう。
さらに、時期は2月の北イタリア。

かなり寒いですので、防寒具も忘れないように準備してくださいね。

観客として参加する場合

観客として参加する人は
• フリジア帽と呼ばれる赤い帽子をかぶる
• 金属製のネットの外で観戦する

この二つがポイントです。

まず、フリンジ帽をかぶることが、自分が合戦に参加していないというアピールとなります。
会場に入る際にもらえます。
また、カルツァと呼ばれる靴下型の帽子も5ユーロほどで売られています。

観客として参加する方は、必ずネットの外で観戦するようにしましょう。
でないと巻き添えをくらいます。

しかし、ネットを突き抜けてオレンジが飛び込むこともありますので、くれぐれも流れ弾には気を付けてください。

なお場所取りに関しては、祭り開始の2,3時間前から始まりますので、早めに到着するようにしましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか?

とにかくクレイジーで、最高に楽しいオレンジ祭り。

自分も町もオレンジに彩られた光景は、みなさんにとって、きっと、衝撃的なものになること間違いなしです。
ぜひ、イタリアの小村、イヴレアに足を運んでみてください!