翻訳(Language Change)

生物の歴史の宝庫!カナダの世界遺産ミグアシャ国立公園に迫る!

カナダ東部のケベック州にある「ガスペジー」という名の半島に位置する自然保護区であるミグアシャ国立公園。

もともとフランスの植民地となっていたカナダに位置するこの公園は、当時からの名残でクラシックな街並みの色が残っており、1999年に世界遺産に登録されました。

“人種のサラダボール”に代表される混合文化やカナディアンロッキーなどの大自然が印象的なカナダですが、そのカナダの要するこのミグアシャ国立公園にはカナダだけでなく地球における生命の進化を解く鍵が眠っています。

ここではミグアシャ国立公園を訪れる前に知っておきたい歴史や発見物をご紹介します。これであなたも考古学へ目覚めるかもしれませんね。

デボン紀の化石

ミグアシャ国立公園は、約3億7000万年前のデボン紀の化石が数多く発見されたことを機に、「化石の宝庫」とも呼ばれており、何十億年にも及ぶ魚類から四肢動物、脊椎動物への進化過程が観察できる場所としてとても有名です。

5000個にも及ぶと言われる貴重な生物の化石が発見されているこのミグアシャ国立公園がエイブラハム・ゲスナー氏(ケロシンの発明者)によって発見されたのは1842年。

地殻変動の煽りを受けたもののかつては赤道近くに位置していたと言われるこの土地には、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ多種多様な生物、特に火口付近には多種にわたる魚類が生息していました。

水中やその環境の変化に適応するために生息していた魚類たちは進化していったと行考えられており、初めて水中から陸上に上がり四足歩行をしたと言われている「ユーステノプテロン」の化石もミグアシャ国立公園から数多く発見されています。

ミグアシャ国立公園が世界遺産に登録されたのも、この地が「地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本」として認められたことが理由です。

4億1600万年〜約3億5920万年前までの時期を「デボン紀」と呼びますが、この時代は魚類の種類の多さ・進化の豊かさ・出現する化石量の多さからまさに「魚の時代」と言われています。

シャルール湾の断崖に残っている3億7000万年前の地層である「エスクミナック層」では、当時海岸付近に生息していた21種の魚類とその他の脊椎動物、10種の植物の化石の出土が確認されています。またデボン紀に生息していた6大魚類のうち5種類の化石が発見されていますが、

特筆すべきは量だけでなく化石の質の良さです。

「軟骨のような柔らかい部位の化石」「血管や神経の痕跡」などその保存状況が鮮明な良いことがとても高い評価を得ていることから、「魚の時代」の異名を持つデボン紀を知る上で、ミグアシャ国立公園は決して欠かすことのできない存在となっています。

発見された魚類の種類

『無顎類』・・顎骨(アゴの骨)のない種類で、最古の脊椎動物とも言われています。太古の形体を思い浮かべるためには、現存しているヤツメウナギやヌタウナギが近いものとして挙げられます。

「代表的な4種類の無顎類」

・エンデイオレピス・アネリ
・エウパネロプス・ロンガエウス
・エスクミナスピス・ラティケプス
・レウェスクアスピス・パッテニ

エスクミナスピス・ラティケプスは、2004年12月に脊椎動物の中で最初の内骨格(石灰化した軟骨でできた単一の板でできている骨格)であると認められており、四肢動物への進化過程の理解に重要な発見とされています。

また、エンデイオレピス・アネリとエウパネロプス・ロンガエウスは、シルル紀に絶頂を迎えたグループの生き残りとして貴重な存在です。

『板皮類』・・骨質の甲殻がまるで亀の甲羅のように硬い魚類で、胴体部に曲線のみえる甲羅の上側が、まるで頭蓋骨のように強調されており、これまでの進化の過程が見られます。

この魚類はデボン紀終盤にほぼ完全に絶滅しまい、ミグアシャ国立公園からは、胴甲目のボトリオレピス・カナデンシスと節顎目のプロウルドステウス・カナデンシスが発見されています。

ボトリオレピスの化石を再構成することで、この魚類が底生生物の生活様式に適応していたことが分かっている他、歯を持たない顎を備えたプロウルドステウスは、平らな板状の上顎を下顎骨にまるでハサミのように押しつけるような構造していました。

『棘魚類」・・腹部と背部に硬い棘を持った小型の魚類で、ミグアシャ国立公園からは、以下の4種が発見されています。

・ディプラカントゥス・エリシ
・ディプラカントゥス・ホリドゥス
・ホマラカントゥス・コンキヌス
・トリアゼウガカントゥス・アフィニス

『条鰭類』・・放射状の鰭が最も特徴的なこの魚類は、現在の魚類の原始の姿言っても過言ではありません。

その中で、大部分の現生魚類25000種超を含む条鰭類において最も原始的な分岐と考えられている代表的なものとしてケイロレピス・カナデンシスが発見されています。

『肉鰭綱』・・ シーラカンスやハイギョなど脊椎動物の亜門であり、骨盤のヒレは四肢動物の大腿骨や脛骨そして腓骨と同様の構造をしていると同時に、胸ビレも上腕骨や橈骨そして尺骨で構成されていることから、水棲から陸棲の四肢動物への橋渡し的存在であった魚類のグループ形成をしたと考えられています。

「代表的な魚類」

・ミグアサイア・ブレアウイ
・スカウメナキア・クルタ
・フレウランティア・デンティクラタ
・エウステノプテロン・フォールディ
・カリスティオプテルス・クラッピ
・エルピストステゲ・ワトソニ

『無脊椎動物』・・陸棲最古の部類に該当する体長30センチメートルほどのサソリであるペタロスコピオ・ブレアウイなど、エスクミナック層には7種の無脊椎動物がみられます。

アクティビティについて

ここまで考古学を中心にミグアシャ国立公園をご紹介してきましたが、もちろん誰もがみんな考古学に興味があるわけではないでしょう。ここではそれ以外にも楽しめる方法もあります。

シャルール湾と豊かな森林では美しい大自然の景色にリラックスした気分になれます。特に夕暮れ時は絶対に外せません。辺り一面が夕日でオレンジ色一色になる景色は一生忘れることができないでしょう。

また、キャンプやハイキング、釣りやカヌー、クロスカントリーに狩猟も楽しめます。クロスカントリーは用具が全てレンタルできるので安心です。まさに一年中アクティビティが楽しめます。

最後に

私たち人類を含めて陸で生活する生物は、全て魚類や水中生物を起源に持ちます。

その始まりとも言える地がここミグアシャ国立公園なのです。さまざまな化石が発見されるこの地にはまさに生物の歴史がたっぷり詰まっている他、博物館も完備されており本当にさまざまなことを学ぶことができます。

またその大自然そのものがアクティビティスポットともなり得る、まさに開放感あふれた公園となっています。

頭も体もフル活用できるミグアシャ国立公園をぜひお楽しみください。