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潮の満ち引きに翻弄される孤島に浮きたつ修道院モンサンミシェルinフランス

フランス北西部のノルマンディー地方にあるサン・マロ湾上に浮かぶ修道院。カトリックの巡礼地のひとつであり、1979年には世界遺産に登録され、1994年10月にはラムサール条約登録地となりました。毎年300万人もの観光客や巡礼者が訪れる、フランス国内最大の観光地となっています。

708年に地元の司教が「この地に聖堂を建てよ」という大天使ミカエルからのお告げを受けて礼拝堂を造ったことが、「聖ミカエルの山(モンサンミシェル)」の由来です。

モンサンミシェルのあるノルマンディー地方南部サン・マロ湾はヨーロッパでも潮の干満の差が最も激しい所として知られています。潮の満ち引きの差は15メートル以上もあり、修道院が築かれた島はかつては満ち潮の時には海に浮かび、引き潮の時には自然に現れる陸橋で陸と繋がっています。島の入口には潮の干満時刻を示した表示があり、満潮時には浜に降りないようにと記されています。

現在は、モンサンミシェルと陸地をつなぐ橋が2014年に完成しました。遠目にモンサンミシェルを確認してから結構歩くわけなのですが(徒歩で片道30分程)、少しずつ建物が近くなるにつれて興奮度が上がりまくります。

歴史と百年戦争

この島はもともとモン・トンブ(墓の山)と呼ばれ先住民のケルト人が信仰する聖地でした。中世には、ベネディクト会の修道院を島に建て、これが増改築を重ねて13世紀にはほぼ現在のような形になったとされています。

中世以来、カトリックの聖地として多くの巡礼者を集め、増改築を重ねたこともあり、修道院の主要部はゴシック様式の建築ですが、内部はさまざまな中世の建築方式が混ざり合って構成されています。カロリング期の様式、ノルマン様式、ロマネスク様式、フランボワイアン・ゴシック様式。

さらに建物内が上層、中層、下層に分かれており、至るとこで様々な建築様式を見ることのできる貴重な場所でもあります。また。剣と秤を持つ金のミカエル像を奉る修道院の楼と尖塔は1897年に完成しました。

イギリスとフランスは百年戦争(1337-1453)へと突入します。イギリス、フランス間に位置するモンサンミッシェルは修道院としては閉鎖され、イギリスの侵攻を防ぐ城塞として利用されることになります。干満の差と潮流の激しさが助けとなって敵が船で近づくことができず、モンサンミッシェルは長い戦いの時代を無事乗り越えました。

百年戦争が終結すると、モンサンミッシェルが戦乱を乗り切ったことで守護の大天使であるミカエルへの人々の崇拝は高まり、フランス国内を中心にヨーロッパ中から聖地モンサンミッシェルへ巡礼者たちが訪れるようになりました。巡礼者はモンサンミッシェルに到着すると捧げ物をし、巡礼マークやバッジなどの大天使をモチーフにした記念品を選んで身に着けました。

最後に

屋内では帽子を取るなど、基本的にマナーはキリスト教の教会を訪れるときと同様。パリなどと比べて北に位置しており、海風が強い時などは真夏であっても肌寒いので、防寒着を持っておくべきです。修道院の中には、お土産やレストランも立ち並ぶ。

巨大オムレツも名物料理として人気で、卵を3倍の量になるまで泡立てるため、これでもかというほどふわふわの食感。バター風味が絶妙です。モンサンミッシェル内部はもちろん、周囲にもオムレツを提供するレストランが点在しているので、観光と併せて名物オムレツも是非食べてみてください。

フランスの首都パリから出発するツアーも出ているモンサンミッシェル。日帰りで楽しむことのできるこの修道院は歴史上の様々な顔を楽しむことにできる稀有なスポットでもあります。もちろん、付近の宿で一泊し朝の荘厳な雰囲気、夜の美しいライトアップ双方を楽しむのもおすすめです。