翻訳(Language Change)

朝鮮半島を分断する軍事境界線と非武装中立地帯DMZを観光しよう!

日本のお隣の国である韓国は、一昔前の韓流ブームもあって日本人が気軽に行ける海外旅行先の一つになりました。

そんな韓国ですが、一つ忘れてはならないのは名目上「戦争中」の国であるということです。近頃よくニュースでも報道がなされている北朝鮮と韓国の間では1950年に朝鮮戦争が勃発し、1953年に休戦協定を結んだことで戦闘自体は停止されました。

俗に「38度線」と呼ばれる軍事境界線で現在も南北が分断されており、その線の両側には約2キロメートルに渡って非武装中立地帯(DMZ : De-Militarized Zone)が設けてあります。そして韓国側のDMZにはツアーに参加することで訪れることができます。

今回は最も一般的に知られている、ソウル近郊の坡州市(パジュ)にあるDMZとその周辺の観光スポットに焦点を当ててご紹介します。

坡州市のDMZ周辺の観光スポット

ソウルからは日帰りのDMZ観光バスツアーが多数企画されています。ツアーですと事前に申し込みをして、主要ホテルや観光地からバスで移動するというパターンがほとんどで一番便利です。

ソウル発のツアーに参加せずとも、DMZ手前の臨津閣国民観光地や最寄りの臨津江駅までは観光列車や車移動で個人的に行くこともできますが、その先のDMZ内や付近の観光をするためにはツアー参加が必須となっています。

臨津江駅や国民観光地でも現地発のバスツアーを申し込むことは可能です。ソウル発・DMZ付近から現地発のツアーでも見て回る観光スポットはほぼ同じで、DMZ観光ツアーに申し込むことで見学できる主な観光地は第三トンネル・都羅山駅・都羅展望台です。

第三トンネル

第三トンネルとは、北朝鮮が韓国侵攻に備えて掘ったトンネルの一つです。現在までで4つのトンネルが発見されていますが、未発見のトンネルもまだあるという噂もあります。第三トンネルは軍事境界線の200メートル手前まで近づくことができ、一番人気のあるトンネルです。

トンネル内へはトロッコで入り、その後自力で歩いてトンネルの先端(封鎖地点)まで行きます。トンネル内は狭く、湿気のため滑りやすくなっています。見学の際は天井にも足元にも十分気をつけましょう。

都羅山駅

都羅山駅は、韓国の最北端に位置する駅ですが、現在はツアーの一環である観光列車の発着のみで、一般には使用されていません。

駅内には入境管理施設や平壌方面と書かれた案内板があったり、有料で見学できるプラットホームには次の駅名として臨津江駅(韓国側)と開城駅(北朝鮮側)と表記してある案内板もあります。南北分断の現状を痛感させられる観光スポットでもの寂しさが漂っていますが、将来利用される日がくることを祈らずにはいられません。

都羅展望台

都羅展望台は韓国側の境界線上に建てられている迷彩柄の展望台です。

展望台室内はガラス張りでホールのようになっており、そこで施設や北朝鮮などについての案内ガイダンスが行われます。
外の展望台からは北朝鮮側を眺めることができます。

天気がいいときに有料の望遠鏡を使えば、開城工業団地や近隣の村で農作業をする北朝鮮の人々まで見ることできるため、北朝鮮の人々の生活を垣間見ることができる貴重な観光スポットとなっています。

現在の展望台は老朽化が進んでいるため、2018年の6月までに新たな展望台が建設される予定とのこと。今ある展望台から北朝鮮を眺められる期間はそう長くはなさそうです。

板門店見学ツアー

DMZ内にはもう一つ特別なエリアが存在します。それは軍事境界線上の真上に位置する板門店(パンムンジョン)で、ここには会談や業務のための施設があります。このエリアは共同警備区域(JSA : Joint Security Area)になっており、北朝鮮の兵士と国連軍(主に韓国軍)の兵士が境界線を挟んで対峙しています。

板門店を見学するには、ソウル発のツアーに事前に申し込みが必須となります。DMZ観光ツアーのように現地での申し込みはできません。

日本語でのツアーも多くありますが、ツアー会社によって申し込みの締め切りや参加者のパスポート情報などの提出期限が違うので、早めに申し込みをして準備をすませる必要があります。

板門店ツアーでは軍事停戦委員会本会議場を始め、韓国側の施設である自由の家、帰らざる橋などを見ることができます。その中でも、軍事停戦委員会本会議場の緊張感と雰囲気は別格です。会議場は境界線の真上に位置しており、一つの同じ空間であるにも関わらず、両サイドを別々の軍の兵士が警備をしています。

名物はもちろん両国の兵士たち。板門店に配属されている韓国側の兵士は、北朝鮮側の兵士に表情を読まれないよう特別にサングラスをかけています。これもここでしか見ることのできない韓国兵士の特別な装いです。

板門店は特別な場所で、観光客は「国連軍のゲスト」という位置づけになります。そのため、ツアーに参加する際には厳しい服装規定やパスポート・荷物検査、言動の制限など様々な規制が設けられています。

「キャンプ・ボニファス」という施設で禁止事項や言動制限についての説明がなされ、緊急時には死亡または負傷する可能性があること、それを承知の上で自己責任で見学に参加する旨が書かれた誓約書に署名する必要があります。特に服装などの詳細なルールや制限事項は事前にしっかり調べておきましょう。

DMZ・板門店見学ツアーでの注意点

これらのツアーに参加する際はパスポートの携帯が必須になります。どちらのツアーでも検問があり、憲兵による身分証の確認と手荷物検査が行われます。パスポートを忘れるとツアー参加は不可になりますので忘れないようにしましょう。

ツアーで見て回る観光スポットには必ず憲兵がいます。普通に見学している分にはほぼ問題ありませんが、写真撮影や場所によっては憲兵から注意や指示されることも。兵士から何か話しかけられたらとりあえず今やっている行動をやめ、指示に従いましょう。

板門店のツアーでは先述した通り詳細な服装規定や言動制限はもちろん、ツアー前の飲酒禁止、2列に並んでの移動など様々なルールが存在します。必ず事前にルールを調べて準備するようにしましょう。

また、板門店のツアーは参加できる国籍が限られています。意外なことに、韓国籍の人はこのツアーに参加することができません。国籍によっては書類の提出期限が早かったり多くの書類を求められる場合もあるので、外国籍の人と一緒にツアー参加を計画している場合は、この点にも注意が必要です。

そして、どちらのツアーも不測の事態が発生した場合はキャンセルになったり途中で切り上げになったりする可能性があります。筆者もこれまで3回ツアーに参加しましたが、一度境界線付近の地雷が起爆したことでツアーが途中で中止になった経験があります。

状況次第で事前キャンセルや当日キャンセルもありえるので、申し込んでも必ず行けるわけではないことも念頭に置いておきましょう。

最後に

隣国韓国において、北朝鮮との軍事境界線があるDMZ周辺エリア。DMZエリア内の観光スポットは、ツアーに参加しなければ行くことができません。ツアーは、DMZ周辺のスポット巡るツアーと板門店を訪れるツアーの2種類があり、どちらもソウルから日本語のツアーが多く開催されています。

どちらのツアーもソウル発のバスツアーを事前予約することがオススメですが、第三トンネルなどを巡るDMZ周辺の観光ツアーは、臨津江駅や臨津閣(イムジンガッ)国民観光地まで個人で移動して現地発のバスツアーを申し込むことも可能です。板門店見学を含むツアーは必ず事前予約が必要で、パスポートなどの事前提出などが求められます。

どちらのツアーもパスポートの提示が必要で、忘れてしまうとツアーに参加できません。板門店ツアーの場合は厳密な服装規定や言動規制などのルールがあるので、こちらも事前に調べておきましょう。国籍によってツアーに参加できる人が限られているので、外国籍の人と一緒に行く場合は注意が必要です。

街中にいればそんな雰囲気は微塵も感じることはありませんが、DMZ付近の観光スポットへ行くと戦争中なのだと実感させられる国である韓国。日本や他の海外の国でもなかなか体験できない貴重な経験ができるので、韓国旅行の際は是非足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。