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市民・観光客の憩いの場!バルセロナのシウタデリャ公園とは?

スペインを代表する観光都市バルセロナ。

バルセロナ市内にはさまざまな広場や公園が存在しますが、その中でも最大級の公園の一つがシウタデリャ公園です。その広さは東京ドームの3倍以上にもなります。

この公園は長い歴史を持っており、それはバルセロナ市民にとっては良いもものではありませんでした。実は、この公園は元々要塞だったのです。

18世紀初頭のスペインの王位継承戦争において、バルセロナは最後までフェリペ5世が率いるスペイン・フランス連合軍に抵抗しますが、一年以上の包囲の末に降伏します。

戦後、フェリペ5世はバルセロナを監視するために要塞の建築を命じました。星型の巨大な要塞で、当時はヨーロッパで最大級の要塞だったそうです。

要塞を立てるため、当時多くの市民が住んでいたリベラ地区は壊され、市民は移動を余儀なくされたそうです。

中央政府の圧政を象徴するかのようなこの要塞は長年バルセロナ市民から忌み嫌われていたようですが、19世紀中頃に廃止が決定、その後1888年のバルセロナ万博を契機として、元要塞は公園として生まれ変わりました。

万博に合わせて、新しく凱旋門とプロムナードも建設されました。

現在は、観光スポットとしてはもちろん、地元の人たちもピクニックや散歩・運動を行う憩いの場として親しまれています。

戦争と万博という全く異なる二つの背景をもつこの公園には、両者の名残を残す観光スポットが存在します。今回は、このシウタデリャ公園の観光スポットとその魅力をご紹介します。

公園への入り口、バルセロナの凱旋門(Arc de Triomp

先述の通り、バルセロナにある凱旋門は1888年の万博に合わせて立てられた門です。万博会場であるシウタデリャ公園への入場門として、地元の建築家ジュゼップ・ビラセカ・イ・カザノバスによってデザインされました。

キリスト教とイスラム教の建築様式が融合したネオ・ムデバル様式で、高さ約30mの門です。

パリにある凱旋門は白色ですが、こちらは赤レンガで作られており、どっしりとした重厚な印象が特徴です。門の四方の角には天使の彫刻が、門上部には商業や農業、芸術などをモチーフとした彫刻が彫られています。

門の前の交差点の広場の街灯もチェックポイント。

こちらも彫刻が入った凝った作りなのですが、この彫刻にはカタルーニャ自治州のエンブレムが掘られているのです。この公園の歴史的背景を知った上でこれを見ると、バルセロナの人々が地元に誇りと強い愛着を持っていたことが伺えます。

門から先はシウタデリャ公園に続く約400mのプロムナードがあります。ヤシの木の並木道が続くこの遊歩道は道幅も広く、とてもゆったりとした雰囲気です。

モデルニズモ(スペインのアール・ヌーヴォー)様式の街灯にも、芸術の街バルセロナを象徴するかのような繊細なデザインが施されています。

門から公園へ向かって歩くと、左手にはカタルーニャ検察庁の建物が見えます。こちらの建物も古くて魅力的な建物。正面玄関の細かい彫刻は見事です。ぜひ足を止めてこちらも鑑賞してみて下さい。

市内最大級!シウタデリャ公園(Parc de la Ciutadella

凱旋門からプロムナードを通りシウタデリャ公園に入ると、まず右手に現れるのが三頭龍の城(Castell dels Tres Dragons) です。

この建物は、バルセロナの世界遺産であるサン・パウ病院やカタルーニャ音楽堂を建てた建築家ドメネク・イ・モンタネールの初期の建築作品です。

万博の際にはカフェ・レストランとして使用されており、今はバルセロナ市の自然科学博物館の一部、動物博物館として使われているのですが、現在改装工事中のため閉館しています。

こちらも煉瓦造りの建物で、壁の上部には青色で鮮やかに絵が描かれた白地の陶器タイルが飾られています。タイルは一枚一枚絵柄が異なっています。

また、城にはこじんまりとした塔の部分があります。鉄製の塔のオブジェの模様は細かく、晴れの日には塔の一部に使われている青色のグラスがキラキラと光り輝いてとても美しく見えます。

続いて、三頭龍の城から反対側に向かって行くと、公園随一の見どころである噴水に辿り着きます。

この公園は建築家ジュゼップ・フォンセーレによって開発の指揮が取られたのですが、この噴水の部分を担当したのは、実はガウディなのです。当時まだ美術学校の学生であったガウディの才能を見込んだフォンセーレは、噴水部分の建築をガウディに任せたのでした。

この噴水はイタリアにあるトレビの泉をモデルにしたと言われています。

噴水のそれとは思えないほど豪華なパビリオンの上には、ギリシア神話の女神をモチーフとした黄金の像が輝いています。

噴水の真ん中の浮島を囲むように水を吐き出す4頭の龍(翼のせいでパッと見はペガサス?と思ってしましますが龍です)が配置されており、よく見るとそれぞれの翼や顔が微妙に異なっていることがわかります。

ガウディのこだわりがよく現れているポイントですので、じっくり鑑賞して下さい。

噴水から公園中央に向かって歩いていくと、ひときわ大きな建物が現れます。

石造りのこの建物は、この公園が要塞だった頃に軍の武器庫として使われていたそうです。現在はカタルーニャ州の議会議事堂として使用されています。なんとも皮肉な感じがしますね。

赤色と濃いグレーの壁と明るいオレンジ色の屋根が特徴で、グレーの部分の壁にある窓枠の周りには美しい模様が描かれていますし、桟の部分の彫刻も綺麗です。

議事堂前の庭園を挟んで反対側には、要塞時代の礼拝堂と総督邸宅が残されています。この公園内で要塞として使われていた頃から残っている建物はこの三つのみ。ぜひ散歩がてら通ってみて下さい。

そして公園の南側の部分には、創立125周年を迎えたバルセロナ動物園があります。週末やバケーションの時期は多くの家族連れで賑わっています。

長い歴史を持つこの動物園では400種以上の動物が飼育されており、公園の約半分の面積を占める巨大な動物園のため、しっかり見て回ると半日かそれ以上かかります。

以前は、かなり珍しい白いゴリラのコピートが大目玉立だったのですが、現在は亡くなってしまいました。

この動物園では動物との触れ合い体験なども常時行っており、バケーションシーズンにはキャンプなどのさまざまなイベントを実施しています。観光の息抜きに動物に癒されるのもいいかもしれません。

基本的に10~19時が開園時間ですが、曜日や時期によって多少時間が変更されます。

入園料は大人一名21.40ユーロとお高めですが、事前にオンラインで購入すれば20%オフになります(2018年4月現在)。

凱旋門、公園へのアクセスなど

シウタデリャ公園へは、地下鉄L1のArc de Triomf駅か、地下鉄L4またはトラムT4線のCiutadella Vila Olimpica駅が最寄駅になります。

Arc de Triomf駅の方が他の主要観光地からアクセスしやすく、すぐに凱旋門が見えるのでオススメです。

また、旧市街エリアからも徒歩でアクセスが可能です。カテドラル(サンタ・エウラリア大聖堂)から公園までなら徒歩15分未満、カタルーニャ広場から凱旋門までも15分程で行くことが出来ます。

バルセロナはいたるところに古い建物や美しい景観が潜んでいる町なので、晴れていれば散策も兼ねて歩いてみることをお勧めします。

見どころが点在しているシウタデリャ公園。公園なのですがゲートで囲まれているため、いつでも入れるわけではありません。

公園は10時から日没まで入ることができます(夏の陽が長い時期は22:00前後が閉園時間の目安)。凱旋門やプロムナードはゲートの外側なのでいつでも見ることができます。

旧市街から公園までの町歩きをお勧めしましたが、シウタデリャ公園付近を夜に散策するのはあまりお勧めできません。

というのも、凱旋門の近くにはスペイン国内やヨーロッパ内からの高速バスが発着する北バスターミナルがあり、観光客目当てのスリやひったくり被害が多いエリアです。日没頃ならまだ観光客は多くいますが、22時以降などの遅い時間は十分気をつけましょう。

また、公園の北東側は住宅街で、細い道に入るとカフェなどもないし人通りも少ないエリアが続きます。

区画によっては低所得者層が多く住むエリアも。失業率が高いスペインでは、昼間から住宅街の公園などに若者がたむろしているところもよく見かけます。

特に名所があるわけでもないので、公園の北側は昼間であっても一人や女性少人数で行くことは避けた方が無難でしょう。

最後に

バルセロナ最大級で市民の憩いの場であるシウタデリャ公園。要塞があった過去や19世紀後半の万博など、長い歴史の中で変遷を経た場所です。

公園への入り口として、万博に合わせて建設された煉瓦造りの凱旋門や南国の雰囲気が漂うプロムナードは、運動や散歩する地元の人はもちろん、多くの観光客で賑わっています。

シウタデリャ公園内には、万博時にレストランとして使用されていた三頭竜の城や、当時学生だったガウディによってデザインされた噴水とパビリオンなどがあります。

また、要塞として使われていた頃からある建物としては、軍の武器庫(現バルセロナ州議会議事堂)や総督邸宅、礼拝堂の三つが現存しています。

公園の南部には125周年を迎えた巨大なバルセロナ動物園も。

凱旋門およびシウタデリャ公園へは、地下鉄L4線のArc de Triomp駅からのアクセスが便利です。また、観光名所のカテドラルがある旧市街や観光の基点となるカタルーニャ広場からも徒歩15分程度で行くことができます。天気が良ければ公園まで徒歩で散策するのもオススメです。

シウタデリャ公園付近はスペイン国内・欧州から発着する高速バスターミナルがあるので、観光客を狙ったスリやひったくりが多いエリアです。夜遅くに一人や女性のみでこの近辺を出歩くのは避けた方がいいでしょう。

何かと見どころの多いバルセロナ。

いろいろ見るために過密なスケジュールになりがちですが、休憩や息抜きにはもってこいの公園です。

時間に余裕がある人や2回目以降のバルセロナ訪問の際は、ぜひこのシウタデリャ公園付近も散策して見て下さい。