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宙を舞うのは立派なマグロ! オーストラリア「ツナラマフェスティバル」とは?

「ツナラマフェスティバル」とは?

日本の誇るべき食文化である、お寿司。
「一番好きなネタは?」と聞かれた際に「マグロ」と答える人も多いのではないでしょうか。

寿司職人によって丹誠に握られたシャリ。
その上に乗せられた真っ赤なマグロ。
回転寿司から高級店まで、あらゆる寿司屋で見かけるネタであり、その味に老若男女が舌鼓をうちます。

今回は、そんなマグロに関連したお祭り。
その名も「ツナラマフェスティバル」です。

このお祭り、ただマグロを食すだけではありません。
なんとそのメインイベントでは、マグロをハンマー投げの鉄球代わりにします。
そう、つまり、マグロを投げるのです。

なんのことなのか、理解できなくて当然ですよね。
これからその歴史、見どころなどレポートしていきます。

「ツナラマフェスティバル」の開催場所、開催時期

祭りの開催場所は、オーストラリア大陸中南部、エアー半島と呼ばれる逆三角形の半島の先端にある都市、ポートリンカーンです。

1836年まで、アボリジニの一族であるパーンカラ族が居住していた地域であり、クロマグロの水揚げ量は世界一を誇ります。
アクティビティも充実しており、ポートツアーやシュノーケリング、ドライブにも最適です。

ツナラマフェスティバルは港近くの公園で実施されます。
開催時期は例年1月後半の週末、土日の2日間開催されています。

メインイベントであるマグロ投げ選手権は土曜日が予選、日曜日が決勝戦となります。
もちろんそれ以外にもパレードや多くの屋台が開かれ、街は大いに賑わいます。

「ツナラマフェスティバル」の歴史

起源は1962年。
当時、ポートリンカーンの新規事業として注目されていたマグロ漁業を活性化させるため、ツナラマフェスティバルは始められました。

ポートリンカーンでは漁業だけでなく農業も盛んです。
マグロをはじめとするアトラクションと食の祭典であり、収穫祭としての意味合いも兼ねているのです。

現在でも、マグロ投げ選手権だけでなく、地元のスイカを使ったスイカの早食い選手権や海の生物パレードなど、さまざまなイベントが催されています。

ちなみにマグロだからなのか、大会にも日本人選手の姿も目立ちます。
なんと2015年には、日本人選手がワンツーフィニッシュを決めました。

優勝者はハンマー投げの赤穂弘樹選手、そして準優勝はタレントで元やり投げ選手でもある照英さんでした。
とあるテレビ番組の企画での出場だったそうです。

「ツナラマフェスティバル」の見どころ

クリエイティブなパレード

まず、土曜日にはパレードが実施されます。
さすがは漁業の街、シークリーチャーをテーマとしたコスプレパレードです。

ポセイドンやマーメイドなど、王道の想像上の動物はもちろんのこと、マグロやイカ、エビやホタテなど、ニッチな魚介類のコスプレをするツワモノもいます。

原則として関係者のみのパレードではありますが、観客としてコスプレするのも自由です。
そしてそうしてしまえば、紛れ込むのも簡単です。

見つかったとしても歓迎されることがほとんど。
お叱りなどめったにくらいませんから、ぜひとも紛れ込んでいただきたいです。

世界のお祭りに比べると、その規模はこぢんまりとしています。
その分パレードにはアットホームな雰囲気が漂っており、観客としても心穏やかに、のびのびと見ることができると思います。

ちょっぴりおバカなイベントたち

メインイベントであるマグロ投げ選手権、シークリーチャーのパレードだけでなく、ツナラマフェスティバルには様々なイベントが存在します。

マグロ投げ選手権の次に人気のある、手が使用禁止のスイカの早食い選手権や、子どもを対象としたエビ投げ選手権、プロの料理人や熟練の主婦たちによるエビの皮むき選手権など、その内容は一風かわった、ちょっぴりおバカなものばかり。

それでもさすが、収穫祭としての側面は持ち合わせており、陸海空すべてをフルに用いた催しばかりです。

他にも地元アーティストによるコンサートやワークショップが実施され、夜には花火も打ち上げられます。

メインイベント:マグロ投げ選手権

最後にご紹介するのが、メインであるマグロ投げ選手権です。
ハンマー投げの要領でロープの取り付けられたマグロを投げこみ、その距離を競います。

男女ともに参加できるイベントであり、アマチュア部門とアスリート部門に分かれています。
土曜日の予選を勝ち抜いた男女それぞれ上位10人が、日曜日の決勝の舞台に進むことができます。

ちなみに、使用されるのは地元の海で採れたミナミマグロ。
その重さは8㎏-10㎏ほどです。
以前はすべて本物のマグロを使用していましたが、マグロがもったいないとの理由から、数年前からは決勝のみ本物が用いられ、予選ではゴム製のレプリカが使われるようになりました。

会場にはアットホームながらも、どこか真剣な雰囲気が伝わってきます。
緊張した面持ちでブルンブルンと振り回して飛ばし、雄叫びをあげる。
そこにはオリンピックさながらの臨場感、ドラマがありながら、投げているのはマグロ。
なんともシュールな光景です。

ちなみに、歴代最高記録は37.23mです。
オリンピック出場経験のある元ハンマー投げ選手がたたき出した記録です。
この記録がすごいのかどうかはもはや分かりませんが、負けず嫌いな読者の方は、しっかり鍛えてから出場されるのがよいでしょう。

「ツナラマフェスティバル」へのアクセス

ポートリンカーンを含むエアー半島は少々辺境の地にあるため、到着まで時間がかかりそうです。
まず、成田国際空港または関西国際空港より、ケアンズ国際空港を経由して南オーストラリア州都であるアデレードに向かいます。

アデレードからポートリンカーンまでは飛行機で45分、または車で7時間(650㎞)の道のりになります。

少々遠くはなりますが、前にも述べたようにエアー半島は美しい海の景観をもつ島です。
気楽にドライブで景色を楽しみながら、のんびりとポートリンカーンを目指してみてください。

最後に

マグロ投げ選手権をはじめとする、一風変わったイベントが目白押しの「ツナラマフェスティバル」。
負けられない戦いが、そこにはあります。

おバカな事にも全力でトライする人々の姿に、あなたもきっと感じるものがあるはずです。

誰でも参加可能のお祭りですので、ぜひ、足を運んでみてくださいね。