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危機遺産からの脱却!エクアドルの世界遺産サンガイ国立公園とは?

サンガイ国立公園について

サンガイ国立公園はあるのは、エクアドルです。

この国立公園の名称は国立公園内にある5230メートルの活火山であるサンガイ山から由来されていますが、この公園内にはもう一つの活火山である標高5016メートルのトゥングラワ山と休火山である標高5320メートルのアルタール山があります。

補足情報ですが、このアルタール山は美しいカルデラ湖をもつことで有名ですので、サンガイ国立公園を訪れる際はそちらもぜひ見ておきたいですね。

サンガイ国立公園はエクアドル国内の3県(モロナ・サンティアゴ県、チンボラソ県、トゥングラワ県)にまたがった公園で、5177.65平方キロメートルもの面積があります。自然遺産としてユネスコの世界遺産に登録されたの1983年ですが、登録部分は国立公園全体の約半分に過ぎません。

サンガイ国立公園の生態系

サンガイ国立公園は先述の通り5000メートルを超える山々が連なっています。

高くなればなるほど酸素も薄くなるなどその他環境もそれぞれ違ってきますし、地域も高山地帯から亜熱帯性雨林のような密林地域まで広範に及ぶため、その標高に合わせてさまざまな植物や動物の類にお目にかかることができます。

800〜1800メートル地域

アマゾン川上流のマラニョン川流域の低地帯は、高温多湿の熱帯雨林で、樹高30~40mの大木が密生し、大きなくちばしが特徴的なオオオニハシイワドリ、多種多様なハチドリ、コンゴウインコや40種類のオウムをはじめとし豊富な種類と数の鳥類が生息しているほか、モルフォチョウなど数え切れない種類の昆虫の住処ともなっています。

それだけにとどまらず、アマゾン川の支流にはピラニアまで生息しており、比較的標高が低くそこまで厳しくない環境の下、多彩な種類の生態系がみられます。

コンゴウインコ

最大の体長と翼長をもつインコ科で4本の趾の対趾足をもちます。主に樹林帯や熱帯雨林に生息地としており、スペイン語ではグァカマヨス、ポルトガル語ではアララスとも呼ばれています。

モルフォチョウ

生物学上はタテハチョウ科・モルフォチョウ亜科・モルフォチョウ族・モルフォチョウ属に分類される種で、金属のようにキラキラと光り輝くとても大きな翅(はね)が特徴的なチョウです。

この翅は青色に発色することがほとんどですが、そのように翅が鮮やかな色をしているのはオスの方であり、茶色な抑えめな青など少し地味にみえる方がメスとなります。

また飛行の際は不規則な軌道で飛ぶのが特徴的なので、みつけるのはさほど難しくありません。

またさらなる翅の特徴として、翅の裏側に描かれているまだら模様があります。これはまるで目玉のような模様をしていることが多く、外敵や天敵から身を守るための工夫だと考えられています。そのため、もちろん翅を閉じている際にはあまり目立つことはありません。

ピラニア

私たちに馴染みのあるピラニアは、一般的にはカラシン目セルサラムス科セルサラムス亜科の魚ですが、ピラニアとは固有の種を指すのではなく、あくまでアマゾン川を代表として南アメリカの熱帯地方に生息する肉食淡水魚を総じて指す名称です。

2000〜3000メートル地域

この高度には森林が広がっていて、サンガイ国立公園のシンボルにもなっているヤマバク、アメリカバクをはじめとして、ジャガー、メガネグマ、リスザル、アカホエザル、メガネカイマンなどが生息しているなど貴重な動物も多い。

ヤマバク

バク科としては最も小さい種類であり、体長は180センチメートル、体重は重くとも250キログラムです。一般的に全身は黒色や暗褐色をしています。もともと2000〜4400メートルの標高に生息する習性があり、草・葉・芽を好んで食べる草食動物なので普段は森林や草原、また水辺を好んで住処とします。夜行性の性格であるため、昼間はあまり見かけることがないかもしれません。茂みで眠っていることが多いため、予期せぬところで相見えるかもしれませんね。

アメリカバク

ヤマバクより一回り大きい種目で、体長200〜220センチメートルほどありますが、体重はヤマバクと大差ありません。

生息地は森林や湿地帯で、群れることなく単独生活や単独行動を好むマイペースな動物です。ヤマバクと同じく草食型の夜行性で、水泳も得意な水中も苦にしないタイプのおもしろい動物です。

アカホエザル

巨大化した下あごに大きな共鳴袋があり、さまざまな変化をつけながら大きな声で鳴くことからこの名前がつきました。霊長類の中では、人間について喘ぐことをするとても特徴的な種目です。

メガネカイマン

目と目の間に存在する隆起がまるでメガネのようであることからこの名前がつきました。全長は250〜300センチメートルで、背面が暗黄褐色である種と暗黄緑色である種に大きく分けられます。淡水域に生息し、魚や小型の哺乳類などを食す肉食です。

4000メートル地域

この高度になると植生はまばらになるが、アンデスコンドルなどは棲息している。4000メートル以上は氷河と岩肌のみの荒涼な地形になる。

アンデスコンドル

空を飛ぶタイプの鳥の中ではアホウドリが最大の大きなを誇りますが、アンデスコンドルにはそれに匹敵する大きさがあります。

その大きさと重さのため、空中を飛ぶ際は羽ばたくというよりグライダーのように風に身を任せて飛ぶようなスタイルをとります。

先述の通り体が大きく重いため、主に動物の死骸を食す肉食性であり、狩をするにしても動きの遅い生まれたばかりの小動物かもしくはすでに衰弱している種を狙うのみです。

オスの頭のてっぺんには肉冠(とさか)がありますので、訪れた際にはぜひあたりを見回して探してみましょう。
アンデスコンドルは現在、残念なことに絶滅危惧種とされています。珍しい種の生き物であることに変わりはないのですが、見つけた際にもそっと優しく見守る程度にしましょう。

最後に

サンガイ国立公園は危機遺産リストに登録された過去を持ちます。

危機遺産とは、世界遺産として登録されたものがその価値を保つことが困難と判断された場合に「世界遺産リスト」から除外されるものです。「価値を保つことが困難」とは、たとえば劣化や風化、自然災害による崩壊や損傷などが要因の場合もありますが、もちろん密猟や乱獲、意図的な損壊など人為的なことが要因となることもあります。

サンガイ国立公園も同様で、密猟がはびこったことにより生態系が崩れたことや公園内にグモモテ=マカス道路を建設したことにより環境を著しく破壊してしまったことから、1992年に危機遺産リストに加えられてしまいました。

事態を重くみたことから密猟を取り締まったり工事が停止され計画そのものが見直されたことにより、サンガイ国立公園は2005年に晴れて危機遺産リストから外れることとなりました。
結果だけを見ればめでたしめでたしですが、行き着くところまで行き着かないと懲りない、という人間のエゴを浮き彫りにする悪例とも言えます。

世界遺産にもさまざまな種類があり、サンガイ国立公園は自然遺産という分類に属します。すなわち地球が生まれてからさまざまな自然環境の乗り越え、また自然環境とともにその姿を作り上げて現在に至るものです。

これまで紹介してきたサンガイ国立公園における山脈や生態系、そして人類が存在する以前からその地球上に存在していたこの地域を、私たちのエゴにより破壊して修復することは許されることでありません。

サンガイ国立公園を訪れる際には、ぜひ自然への敬意を表しながら、そしてそこに住む生態系への愛おしさを感じながら素晴らしい体験を送ってください。