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冒険心掻き乱れるイギリスの世界遺産!ゴーハムの洞窟群へ行ってみよう!

今回ご紹介するのは世界遺産、イギリスの「ゴーハムの洞窟群」です。

皆さんはゴーハムの洞窟群についてご存じでしょうか。

ゴーハムの洞窟群はイギリスの海外領土、イベリア半島のジブラルタルにある先史時代の遺跡で、10万年以上前にネアンデルタール人が暮らしていた4つの洞窟から構成されています。

この洞窟からはネアンデルタール人の文化水準や生活様式、私たち現代人への進化の過程を知るのに重要な情報が詰まった出土品が発見されており、計り知れない考古学的価値があると言われています。

そんなゴーハムの洞窟群の魅力についてご紹介していきたいと思います。

ネアンデルタール人について

彼らは五十万年前から四十万年前に出現して、二万五千年前に絶滅したとみられる人類の亜種です。

数千体を越える化石が発見されていますが、ヨーロッパでの推定最大生息数は六千体程度で、地球全体でも二万体を越えることはなかったのではないかと言われています。

以前は私たち現代人の祖先だとする説が一般的でしたが、化石から採取したミトコンドリアDNAを科学的に解析した結果、彼らは人類の直径祖先ではなく、どこかの段階で分化した人類の亜種ではないかと言われています。

遺伝子解析の結果は、犬などの動物種で言えば別種と認定されるレベルでの差異が認められ、私たち現代人とは交配ができなかったと考えられていました。

しかし、西暦2010年に科学の専門誌で発表された研究結果によれば私たち現代人の遺伝子の中に2パーセント程度、ネアンデルタール人の遺伝子が含まれているとされています。

これは、彼らが人類と遭遇していたということを示しており、また、いままでに考えられていたような断絶期間があったわけではなく、両者が共存していた時期があったことを示しています。

また最新の研究結果によれば、この遺伝子はほぼすべての人が持っていることがわかっています。

従来は彼らの事を旧人と表記している場合もありましたが、近年の研究成果によって旧人という表現は相応しくないのではないかとも言われ始めています。

今後、彼らの生態についての科学的研究が進み、亜人類であることが確定すればこの表記は使われなくなるのでしょうがそれまでにはまだ少し時間が必要なようです。

以前は私たち現代人と比較して知能程度が低いというのが定説となっていましたが、その脳容量の平均値は1600立方センチメートルで、私たち現代人と比較しても見劣りするものではなく、むしろ脳の容量は大きかったことが判明しています。

彼らの特徴として、頭骨が上下に短く前後に長くなっています。

また顎が大きく発達していて、頭骨全体の幅が広くなっていることも特徴の1つです。

男性の平均身長は165センチメートル程度ですが、太くて丈夫な骨格と頑強な筋肉を持っていたため平均体重は80キロを超えていたのではないかと見られています。

道具の使用については狩猟のために手製の武器を使用していたことが判明しています。

ハンドアックスやポイントと呼ばれる剥片石器を作成して使用していたことからも、高い知能があったのではないかと推測されています。

単純に尖った木を槍のように使っていたというわけではなく、木の棒の先に鋭い石を取り付けて槍としていた武器が各地で出土しているのです。

また彼らは日常的に火を使用していたことが判明しています。

彼らの住居後からは多数の炉と思われる何かを燃やした後が発見されているのですが、特定の場所を炉として使用していたわけではなく、燃やしたいときに燃やす、というような使い方をしていたようです。

ゴーハムの洞窟群は海から近いこともあり、遠い昔に地中海で取れた魚介類をここで焼いて食べていたと思うとなんだか感慨深いものがありますね。

道具の使用や日常的に火を使っていたことからも彼らが他の動物とは違い私たちに近いレベルの知性を有していたことが窺えます。

何がきっかけで姿を消してしまったのかはわかりませんが、もしかしたら彼らではなく私たちの方が姿を消していた未来もあったのかもしれませんね。

彼らは埋葬の習慣を持っていたことが判明しています。

集落付近からは屈葬といって足を曲げて体を小さくした形で埋葬されている化石が多数発見されています。

また、自然界では考えにくい量の花粉が同時に発見されたこともあり、埋葬にあたって花などを副葬品とする習慣を持っていた人もいたのではないかと考えられています。

死者を悼む習慣を持っていたその一方で彼らは食人行為を行っていたのではないかと見られています。

その理由は調理された形跡のある化石や、切断された形跡のある化石が発見されていることによります。

調理された方の化石は、埋葬時に肉をはがしたのではないかという説もありましたが、切断された方の化石は食人行為が行われていたことの強い裏付けになると見られています。

埋葬の習慣を持っている一方で食人の習慣も持っていると聞くと、野蛮なのか文化的なのかよくわかりにくい印象もありますが、ポリネシアの原住民にはかつて勇敢な戦士や優れた君主の遺体を食べることでその力を得ることができると信じられていたとも言われていますので、一概に野蛮だから食べていたというわけでもないのかもしれませんね。

ジブラルタルについて

ジブラルタルはイベリア半島の南端に位置している半島の名前で、地中海の大西洋への出口となっている海峡のヨーロッパ側に位置しています。

ヨーロッパに残る最後の植民地とも言われており、長年に渡ってスペインはイギリスに返還交渉を行っていますが、両者の合意には至っていません。

18世紀には武力での奪還を挑んだこともありましたが再三に渡りイギリス軍に撃退されています。

イギリスがこの地を領有してから既に300年以上が経過しており、現地在住のイギリス人は現地生まれ現地育ちの代々のイギリス人という意識がある人々が多いため、住民投票でもスペインへの帰属は否定されています。

イギリスの立場からしても地中海から大西洋へ抜けるこの海峡を押さえているということは海上交通権の確保という面からも、また北アフリカに兵力を展開することになった場合の前線基地としての戦略的価値を非常に高く見積もっている為、返還に応じることはないでしょう。

スペイン政府は返還交渉を続ける意欲を見せてはいますが、イギリスのEU離脱決定の時にも現地政府、住民ともにスペインへの併合を拒否する姿勢を鮮明にしていましたので、スペインに戻ることはないと見られています。

また、スペインはイギリスに対して返還を求めていますが、同時に海峡のアフリカ大陸側にはモロッコにスペイン領セウタを領有しており、自己矛盾を抱えた状態となっています。

ゴーハムの洞窟群について

石灰岩の岩肌に空いた4つの洞窟がゴーハムの洞窟群です。

10万年以上前にこの地に定住していた人々はこの4つの洞窟を住居としていました。

鳥や魚、貝などの食料や衣服、装飾品として毛皮や羽毛を使用していた形跡、火を使用していた形跡や壁面に描かれた抽象画などの考古学的遺物は彼らの文化水準を現在に伝えています。

現在はかなり海から近い場所にありますが、当時は海面が現在よりも低く、海から少し離れた位置にあったそうです。

全長約100メートルの洞窟は現在でも発掘作業が続けられていて、少しずつですが奥へと掘り進められているのだとか。

洞窟の中には入場可能ですが、あまり人がいないので気が弱い方は同行者とはぐれないようにしましょう。

もっとも迷路のようになっているわけではありませんので、はぐれてしまったとしても入り口に向かって歩けば迷うことはないと思います。

お役立ち情報

こちらではゴーハムの洞窟群観光に役立つ情報や豆知識をお伝えします。

現地通貨の両替

現地では独自通貨のジブラルタルポンドが流通していて、これはイギリスポンドと等価で交換できる通貨となっています。

イギリスポンドと等価のため、ジブラルタルではイギリスポンドはそのまま使用できます。

しかしこちらの通貨はイギリス本国に持ち込んだ場合は使用することはできません。

出境の際には忘れずにイギリスポンドに両替してください。

またユーロについては使えるお店は非常に多いのですが、お店によってレートが異なっています。

ジブラルタル空港

この空港は土地が狭いことから空港の中に生活道路が走っているのが特徴となっています。

滑走路と交差するように一般道路が走っていて航空機の離着陸意外のタイミングではバイクや自動車、それに歩行者も普通に滑走路を横切っているのです。

離着陸が近づくと滑走路両端の踏切が警報とともに遮断され、立ち入り禁止となります。

土地が少ないのでこうなっているのは理解できますが、何もしらずにこの光景を見てしまったらびっくりしてしまいますよね!

最後に

いかがでしたか。

これをきっかけにゴーハムの洞窟群に興味を持って頂けたなら幸いです。

ゴーハムの洞窟群を訪れたことのある方は、日本ではほとんどいないかと思います。

ラスコーやアルタミラの洞窟と比較すると日本での知名度も低く、その洞窟なに?と聞かれてしまうことも多いです。

しかし、ネアンデルタール人の生活様式を知る上で非常に重要な役割を果たしたのがこのゴーハムの洞窟群ですので、もしスペインの南部を訪れることがあるようでしたら是非足を運んで頂きたいスポットの1つです。

この他にもムーア城などの観光スポットがありますので、丸1日楽しめるかと思います!