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ロミオとジュリエットの舞台が世界遺産!人々を魅了してやまないイタリアのヴェローナ市街へ行ってみよう!

今回ご紹介するのは世界遺産、イタリアの「ヴェローナ市街」です。
皆さんはイタリアの町、ヴェローナについてご存じでしょうか。

ヴェローナはロミオとジュリエットの舞台となった事でも有名ですが、それ以外にもイタリアの歴史上で重要な役割を果たしています。

また中世以降は地中海の女王、ヴェネツィアの内陸拠点としても大いに栄えました。
そんなイタリアの世界遺産、ヴェローナ市街の魅力について、歴史を踏まえながらご紹介していきたいと思います。

ヴェローナの歴史

ヴェローナの歴史はとても古く、原始時代には既に集落が作られていました。
原始集落からは他文明との交易を示す品物も出土しており、早くも紀元前3世紀には古代共和制ローマの同盟市として文献にその名が現れます。

ガリア人と共和制ローマとの戦いに続き、ローマ最大の厄災と呼ばれたカルタゴの将軍ハンニバル=バルカとの第二次ポエニ戦争でも一貫してローマ同盟市として共和制ローマとともに戦いました。

紀元前1世紀には共和制ローマの支配下に入り、紀元前50年頃にローマ自治都市に認定されました。
この頃建設されたエルベ広場やボルサーリ門、レオーニ門は現在でも残っています。

ヴェローナはローマから伸びる街道の、オーストリア方面とダルマツィア方面への分岐点でもあり、また北イタリアを東西に走る街道との交差点でもあったため、古代ローマ史において、たびたび勢力争いの舞台となりました。
西暦69年のウェスパシアヌスとウィテリウスの戦い、西暦249年のフィリップス・アラブスとデキウスの戦い、西暦312年コンスタンティヌスとルリキウスの戦いなどがそれにあたります。

古代共和制ローマ、帝制ローマの中で重要な地位を占めていたヴェローナでしたが、西暦403年には西ゴート人の王アラリック1世によって占領されてしまいました。

この占領は西ローマ帝国軍によって解放されましたが、約50年後の西暦452年にはフン族の王アッティラが大軍を率いてヴェローナの付近まで迫りました。
この時にはローマ教皇レオ1世の説得によって、アッティラは軍勢を率いて撤退したと伝わっています。

キリスト教世界では長い間、教皇自らの説得の前にアッティラが恐れをなして引き返したと伝えられてきたこの説得劇ですが、現代の歴史家達は説得の言葉よりも大量の貢ぎ物が奏功したのではないかと考えているそうです。
歴史上ではこの事件は教皇の権威を高めるのに非常に重要な役割を果たしました。

西暦476年にガリア人の傭兵隊長オドアケルによって最後の皇帝ロムルス・アウグストゥスが追放され、西ローマ帝国は滅亡します。
ヴェローナもイタリア王を名乗ったオドアケルの統治下に入りましたが、東ゴート族の王テオドリックと戦ったオドアケルは敗走し、ヴェローナは東ゴート族の領土になりました。

東ゴート族の王テオドリックはヴェローナをイタリア統治の拠点としたため、ヴェローナは東ゴート王国の統治下でも成長を続けました。

東ゴート王国が東ローマ帝国によって滅ぼされると、一時期東ローマ帝国領となりましたが、西暦568年にはランゴバルト族によって占領されました。
ランゴバルト族はキリスト教に改宗するまでは頻繁に略奪を行いましたが、改宗後は穏便に行動するようになりました。

西暦774年にはフランク王国のカール大帝(シャルルマーニュ)がヴェローナの戦いでランゴバルト王国に勝利し、ヴェローナを占領します。
カール大帝と息子ピピンの時代にヴェローナの都市環境は大きく改善されました。
教会にも莫大な寄進を行い、サン・ゼノ大聖堂もこの頃建設されました。

フランク王国が衰退すると、バイエルン辺境伯、ケルンテン辺境伯、ヴェローナ辺境伯と次々に領主が変わりましたが、西暦961年にはヴェローナはイタリアで唯一、ドイツ人の王を頂く都市国家となりました。

西暦1136年にヴェローナは都市特許状を獲得し、帝国自由都市となりました。
この頃のヴェローナは寡頭政治を行っていた為、少数の有力貴族によって統治されていました。
13世紀には神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世の後ろ盾を得て、パドヴァなどの周辺都市を征服します。

この影響があったからなのか、13世紀以降の教皇派(ゲルフ)と皇帝派(ギベリン)の聖職者叙任権闘争ではヴェローナは一貫して皇帝派の立場を取りました。

西暦1405年にヴェローナは地中海の女王ヴェネツィア共和国の支配下に入りました。
政治的な主権を失ったヴェローナでしたが、強力な国力と経済力を持つヴェネツィア共和国の傘下に入り、内陸部の交易拠点となった事が逆にプラスに働き、ルネッサンスの時代、ヴェローナは北イタリアの商業、文化の中心的都市として繁栄しました。

16世紀にはペストなどの影響で人口が大きく変動しましたが、そのような社会情勢にも拘わらず、数多くの学校が建設されるなどし、文化、芸術、学問の中心地としての地位は揺らぎませんでした。
フランスの将軍ナポレオンによってヴェネツィア共和国が滅ぼされるまでヴェローナはヴェネツィア共和国の支配下にありました。

ナポレオンによってヴェネツィア共和国が滅ぼされると、ヴェローナは一時期フランス領となりました。
その後整理域1797年にはオーストリア領となり、西暦1866年まではオーストリア領でした。
その後、西暦1866年にイタリア王国に組み込まれ、現在に至っています。

代表的建造物

円形闘技場

1世紀頃に作られたとされている古代ローマの円形闘技場です。
当時は25000人を収容できたと言われています。
2階建てのアーチを持っていますが、11世紀頃までは更に外側に3階建てのアーチを持つ外壁があったそうです。

夏にはここでオペラが上演され、非常に多くの観光客が訪れています。

エルベ広場

「野菜(エルベ)」という名前を持つエルベ広場は、文字通りに野菜市場が開かれていたことからこのような名前になっているそうです。
長方形の形をした大きな広場は、古代ローマの時代に既に広場だったと言われています。

この広場にはヴェネツィア共和国に支配されていた時代の名残で、ヴェネツィアの守護聖人、聖マルコの有翼獅子が飾られている白い大理石の塔が立っています。
また、広場には非常に古い噴水、「マドンナの噴水」もあります。

歴史的建造物は広場の中だけではなく広場に面した建物にも含まれています。

長方形の一端には17世紀に建設されたバロック式のマッフェイ宮殿があり、広場の中央に面した市庁舎には、ランベルティの塔がそびえ立っています。
このランベルティの塔からはヴェローナ市街を一望することが出来るため、初めて訪れる時には是非最初に行って欲しいスポットです。

ヴェッキオ城

ヴェッキオ城は、14世紀後半にカングランデ2世によって建設されました。
現在は赤いレンガでできている城壁と6つの塔と跳ね橋が残されています。

中庭をコの字形で囲む建物内部には彫刻や絵画などが飾られています。

アディジェ川に向ってかかっている橋はスカリジェロ橋といいます。
基礎部分は白い石、他の部分は赤いレンガで作られている美しい橋です。

防壁のようになっているこの橋を渡っていると、まるで中世にタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえます。
ヴェローナの中でも人気スポットの1つで、いつも多くの観光客で賑わっています。

ジュリエットの家

世界中で有名なシェイクスピアの戯曲、「ロミオとジュリエット」のモデルになったカプレーティ家の娘が住んでいた家です。
ヴェローナでもダントツの人気スポットで、いつも多くの観光客が訪れています。

入り口から中庭までは無料なのですが、その中庭にあるジュリエットの像と記念撮影を撮る人が多いため、なかなか列が進みません。
また、この中庭にはロミオがジュリエットに向かって語りかけるシーンにあたるバルコニーもあり、こちらもやはり記念撮影をする人が多いです。

ジュリエットの家内部は、ちょっとした博物館のようになっていて、舞台のセットなどが展示されています。
バルコニーに女性が立って、それを外からパートナーが撮影するのが王道の記念撮影で、内部に入場した女性のほとんどがこの写真を撮影してもらっています。

役立つ情報&豆知識

こちらではヴェローナ観光に役立つ情報や豆知識をお伝えします。

ヴェローナカード

ヨーロッパでは一般的な、観光客用のフリーパスポートです。
市内の観光スポットと公共交通機関が無料になる他、お買いものでも割引が受けられるなど多くの特典があります。

唯一の難点は、ヴェローナカードは有効期間が短いタイプのものしか無い為、訪れる観光スポットの数によってはあまりお得ではなくなってしまうところです。

値段
24時間カード 18ユーロ
48時間カード 22ユーロ

有効期間のスタートは、カード購入時ではなく、最初にカードの特典を使用した時ですので、計画的にヴェローナ観光を行えればかなりお得なカードです。

野外オペラコンサート

円形闘技場をご紹介した時にも少しだけ触れましたが、ヴェローナでは6月の終わりから8月末までの間、歴史的建造物でもある円形闘技場を利用して、野外オペラが開催されています。

夜21時頃から始まる為、上演中に段々と辺りが暗くなっていき、野外オペラの会場としては世界最大級を誇る円形闘技場がライトアップされると、まるで歴史の流れの中に身を置いているかのような贅沢な時間を楽しむ事ができます。

約90年の歴史を誇るヴェローナの野外オペラコンサートは、世界中から観光客がやってくる非常に有名なイベントとなっています。

最後に

いかがでしたか。
これをきっかけにイタリアの世界遺産、ヴェローナ市街に興味を持って頂けたなら幸いです。

ロミオとジュリエットの舞台となっただけの町ではないのですが、やはり観光客の数ではジュリエットの家がナンバーワンです。
ちなみに、ロミオの家は個人の住宅なので開放されておらず、観光客も全然いません。
確かに主人公はジュリエットなのですが、なんだか男性の悲しさを感じてしまうのは私だけでしょうか。

ヴェローナの名物料理に、ニョッキというものがあります。
ニョッキ自体はジャガイモと小麦粉で作られたパスタの一種なのですが、ヴェローナのニョッキはどこで食べてもハズレがないほど美味しいです。
本格的なイタリア料理はちょっと重い・・・という場合にはニョッキを食べるといいですよ!

歴史的な町が余りにも多く複数都市の旅行日程が難しいと言われるイタリアですが、ヴェローナは丸1日あればほとんどの観光スポットを回ることができると思いますので、是非イタリア旅行の一部にご検討下さい。