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メキシコの世界遺産!古代都市ウシュマルにズームイン!

概要と歴史

メキシコのメリダを南方に78kmほどいった距離に位置する古代都市ウシュマルは古いマヤ語で「三度に渡り建てられた町」という意味があります。

古代都市ウシュマルの建造物への熱心な整備や復元と同時に、真摯に考古学的な研究や発掘、調査が行われています。これまでの調査によると、当時の人口は約2万5千人ほどと考えられており、古代都市ウシュマルがフン・ウィツィル・トゥトゥル・シウによって建てられたのは紀元500年。

建造物の多くが建てられたのは、紀元700年〜1100年の間だと言われています。

建設以来、ユカタン西部で最も強力な都市として何代にも渡りシウ家により支配されてきたウシュマルは、チチェン・イッツァと結んだ同盟によりユカタン北部全域を支配していました。

しかし紀元1200年以降はマニへ首都を移したことを境に古代都市ウシュマルの人口減少が加速しました。

スペインに征服された後にシウ家はスペインの同盟者となりましたが、1550年代以降ウシュマルは放棄されることとなりました。

古代都市ウシュマルの建造物

古代都市ウシュマルにおいて最も目を引くのが「魔法使いのピラミッド」と「プウク式の建造物群」です。

プウク式とはユカタン半島でみられる独特な建築様式のことで、長短に切った石灰岩を積み重ねて組み合わせ壁面に神像を描くという壁と彫刻を合わせて一体化した美しい造形です。

壁面に描かれている神像にはジャガー、カメ、フクロウなどの動物だけでなく羽のある蛇の神ククルカンなど伝説の神々も含まれます。

その中でも特に際立った存在感を見せるのが、マヤで広く信仰されていたとされる雨の神チャックの像です。雨が豊作をもたらすことから豊穣の神ともいわれるチャックは、他にも魔法使いのピラミッドや尼僧院等の壁面にも描かれています。

その他の建造物をご紹介します。

魔法使いのピラミッド

長さが73メートル、幅も高さも37メートルを誇るこの巨大なピラミッドは楕円形のような土台をもったタルー・タブレロ式と呼ばれる建造方法で建てられており、傾斜壁と垂直壁の基壇を交互に積み重ねた階段状の外観をしています。

この外観にある急傾斜で有名な118段の階段を上って頂上まで行くことができます。

この頂上にある神殿は小神殿が大神殿へと拡大されたもので、神殿内部には階段の横も含め無数のチャック像が描かれており、その様はとても壮観です。

現在に至るまでの保存状態がとても良好で珍しい歴史的建造物です。

総督の館

縦横が190メートル×150メートルという、これまた巨大な土台の上に立つこの建物は縦横の長さが96メートル×12メートルであり、神秘的なプウク式の彫刻群が施されているのが特徴です。

内部にあるいくつかの執務室のような部屋が見つかったことから「総督の館」と命名されたものの、その用途が実際にどのようなものであったのかはまだ謎のままです。

グラン・ピラミッド

高さ32メートル、底面80メートル×30メートルの大きさを誇る四角錐ピラミッドです。

一部が土に埋もれている階段を上ると頂上にはチャックを代表にさまざまな神々の像が描かれた神殿、そして鳩の館が置かれています。

尼僧院

縦横が64メートル×45メートルの中庭を囲むように4つの建物が配置されており、僧院のように見えることからスペイン人につけられたあだ名が「尼僧院」という名の由来です。

しかし実際は、支配者の宮殿だったのではないかと言われています。

壁面にはとても美しいプウク式の彫刻があり、やはりチャックやククルカン、ジャガー、フクロウなど先ほど紹介したものが描かれているのが分かります。

大球戯場

ゴム製のボールを地面に落とさないように足で蹴り続け、壁の上側に取り付けられている輪の中に蹴り入れるというサッカーに似たスポーツが豊作祈願の儀式として催されていた場所です。

ここ大球戯場には、チャン・チャク・カクナル・アハウ王により901年に奉献されたと銘文が刻まれています。

鳥の館

ピラミッドの脇にある中庭を囲むように立っているこの鳥の館にはコンゴウインコを代表とする数々の鳥の彫刻がみられます。

亀の館

亀の彫刻が刻まれているという、この上ないシンプルな理由から名付けられたこの亀の館は、総督の館の隣に建造された長方形の建造物です。

とてもシンプルながらシンメトリーが特徴的でとても美しい外観をしています。

魔法使いのピラミッドとその伝説

その昔、この一帯に魔法を操るおばあさん(魔女)が住んでいましたが、彼女には子どもがいなかったために、それを不憫に思った小人たちが彼女に一つの卵を贈ることにしました。

彼女は喜びそれをたいそう大切に温めていると、ある日その卵が割れ、ひとりの子どもがその卵の中から現れました。

とはいえ、その子は小人ほどにしか育たずすぐに成長は止まってしまいましたが、産まれながらにして言葉が話せるなどとても聡明で、母である魔女を驚かせました。

その一方で、予言によりウシュマルでは新しい王が誕生するという噂が流れていました。

魔女の子どもは見えない不思議な力が働いたのか、彼は王への候補者となり、与えられる多々の試練をくぐり抜けた彼はとうとう王の後継者に選ばれました。

新たな王となった彼はウシュマルにおける都と呼ばれるにふさわしい神殿の必要性を訴え、たった一夜のうちにピラミッド一つの建造を終えてしまいました。これが魔法使いのピラミッドの伝説です。

ジャングルの中に神々しくそびえ立つピラミッドを見て人々は新王の力を認めて讃え、歓迎したと伝えられています。

ウシュマルの衰退期

チチェン・イッツァがアヤパン族の侵攻のより滅亡し、ユカタンの権力がマヤパンへ移行していく1100年頃、古代都市ウシュマルのおける支配者であるシウ家が、マニへ首都を移動するとともにウシュマルの人口もみるみる減少していきました。

1550年頃までは住んでいた人々がいたこともスペイン人の侵入もなく忘れ去られてしまいました。

最後に

メソ・アメリカには独特な建造物やピラミッドが多数見つかっており、もちろん古代都市ウシュマルに存在するものも独自の様式を持ったものです。

それに加え、古代都市ウシュマルにはさまざまなタイプの建造物があることもご紹介しました。

これらの歴史的建造物はもちろんその当時の歴史の流れや宗教などを反映しているのは言うまでもありません。

ここでご紹介した内容はもちろんのこと、古代都市ウシュマルを訪れる前に当時の歴史を学びなおすことで、みなさんの旅もさらに楽しく有意義なものとなるでしょう。

古代都市ウシュマルを皮切りに、それぞれつながりあっているメソアメリカ全体の専門家となってください!