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フランスの自然の神秘を堪能!パディラック洞窟の魅力とは?

フランスの観光地といえば、世界一観光客が訪れる首都パリや南仏のビーチリゾート、アルプスでのスキーなどを思い浮かべる人がほとんどでしょう。

しかし、フランスには自然が織りなす美しい景観が見られる場所も多数存在します。そのうちの一つがパディラック洞窟(Le Gouffre de Padirac)です。

パディラック洞窟があるのはフランス南西部のミディ・ピレネー地方。

この地方は石灰岩の大地が広がっており、大小さまざまな洞窟が存在しています。世界史でも習う壁画が有名なラスコーの洞窟があるのもこのエリアです。

パディラック洞窟は春先から秋までの期間限定で、ガイドツアーでのみ見学が可能です。フランスやヨーロッパ内では有名な観光スポットで、休暇シーズンにはヨーロッパ中から観光客が集まります。

ヨーロッパでの知名度から一転、日本でこの洞窟の名前を知っている人は少ないでしょう。日本の旅行代理店などの一般ツアーではまず訪れることのない場所ですし、近隣の町からバスツアーなどもありません。

まさに、自力で行かないといけない穴場中の穴場です。「え~、洞窟…?」と思った人はインターネットで検索して見てください。美しく壮大な写真を見れば誰もが行って見たいと思うはず!

今回はフランスの大穴場観光スポットであるパディラック洞窟をご紹介します。

パディラック洞穴の歴史

パディラック洞窟と訳されることが多いですが、Gouffreの正確な訳は「裂け目、淵」なので、パディラックの深淵といったところでしょうか。

裂け目や深淵という言葉が表すように、カルスト大地に直径35メートルほどの巨大な穴が空いています。穴の深さは約75メートル、最深部は103メートルもあります。

洞窟の奥行きは裂け目などの狭い部分を含むと40キロにも渡ると言われており、その中を流れる水脈は約25キロに渡っているそうです。この洞窟は約1億7千年前に形成されたと言われています。

 このパディラック洞窟は1889年にE.A.マーテルという男性によって内部調査が始まりました。彼はこの場所を一般に公開したいと夢見ていましたが、そのための資金がありませんでした。

しかし、同年に開催された万博を通じてこの洞窟の話が広まり、以降一般公開に向けての整備が始まりました。1898年についに最初のゲストが洞窟に招かれ、翌年からは公式に一般公開が開始されました。

マーテルの情熱によってできた洞窟の見学施設は、公開初年度の観光客は6000人でしたが、2017年には約48万人もの観光客が訪れる近隣エリア有数の一大観光地に成長したのです。

パディラック洞窟観光

現在一般向けのガイドツアーで見学できるのは奥行き2.5キロ程の地点までです。

10名程度が乗れる小型ボートと徒歩で観光し、所要時間は1時間半ほど。ツアーはフランス語または英語になります。今からこのガイドツアーでの見所を簡単にご紹介します。

*裂け目(Le Gouffre)

まずは地上からも見える巨大な穴を75メートル下まで降りて行きます。エレベーターまたは階段が利用できます。エレベーターは直行ではなく、2回乗り換えがあります。

穴の中の石灰岩の壁は苔やシダなどの植物で覆われています。天気がよければ日光を浴びて水滴がキラキラと輝く美しい景色が見られるので、どこかの区間は階段を利用して景観を楽しむことをお勧めします。

75メートル地点まで来て上を見上げると空がかなり高く感じられ、穴の底から見る青空は絶景です。上から光が差し込み岩や緑を照らす景観も自然の神々しさをひしひしと伝えています。

*地下水脈(La Rivière Souterraine)

しばし歩くとボート乗り場があります。

ここからは漕ぎ手兼ガイドと一緒にボートで600メートルほど地下水脈を進みます。中は所々ライトアップがされていて美しいのですが、残念ながらここから先は撮影禁止ですので、景色を脳裏に焼き付ける準備をして乗り込みましょう。

地下水脈の両側の壁には、いびつな形をした岩やヒビが無数見受けられます。

光があるところの近くで下を眺めて見ると、場所によっては透き通った水から川底を見ることができます。水面に映ったライトもとても幻想的。洞窟内はかなり静かで、水の滴る音が反響するように響きます。

*雨の湖(Le Lac de la Plui)

地下水脈を進むと洞窟内のボート乗り場が見えます。

その手前の広い空間は雨の湖と呼ばれ、天井からぶら下がる奇妙な形の鍾乳石が見所のスポット。このエリアの天井は層が薄くヒビが多く入っているため、地上に降った雨がそのヒビからこの雨の湖に流れ着くそう。

後数十センチもすれば水面に届きそうな巨大な鍾乳石の手前は、川底からのライトアップでエメラルドグリーンに輝く水面と歪な鍾乳石がまとめて眺められる絶景スポットの一つです。鍾乳石から滴る水も神秘的です。

*大聖堂(La Salle du Grand Dôme)

雨の湖からはボートを降りて、狭い散策路を歩いて先に進みます。高低差のある散策路からはライトアップされた川や奇形の岩などを見ることができます。

さらに歩き進めると一際天井の高い広い空間に出ます。

ここは大聖堂と呼ばれる場所で、最も高いところまでの高さはなんと94メートル。94メートルの高さなので、地上までの厚さはほんの数メートルしかありません。この空間は年月が経てば崩落し、第二の裂け目になると考えられています。地下の大聖堂の名にふさわしい巨大丸天井の景観は圧巻です。

*グール湖(Le Lac des Gours)

大聖堂からさらに散策路を進んでいくと、グール湖と呼ばれるエリアに到着します。

水温は年間を通して12度前後で肌寒く感じるこのエリアは、川が棚田のようになっており、川底からの鍾乳岩で多くの仕切りができています。そのため、他の場所よりも水が透き通って見える絶景スポット。

緑や青のライトで照らされた水面は棚田状の仕切りの深さで色が微妙に変化するため大変美しく、ため息しか出ないほどです。

このエリアはここに至るまでに見た奇形の岩はそれほど多くなく、場所によってはグランドキャニオンのように地層の筋が流れるように入った天井部分もあります。水面の美しさはいうまでもありませんが、ぜひ天井の岩の線模様にも目をやって見てください。

*未開の地(Face Cachée

グール湖エリアからは下り坂が続き、散策路の終点にたどり着きます。周りには高い天井から垂れ下がった鍾乳岩に囲まれています。まるで地の底にいるようで、自然の雄大さと底知れなさを肌で感じることができます。

散策はここで終わりですが、まだまだ水脈は先へ細々と続いているため、現在でも地質学者などの専門家が未開エリアの探検を続けているそうです。いずれは散策路が先まで伸ばされるかも知れませんね。

この後は来た道を戻って地上に戻ります。帰り道の雨の湖付近では写真撮影もありますので、わかったらちゃんとポーズを取りましょう(遊園地のアトラクションで取られるようなやつです)。

アクセス・お役たち情報

冒頭でも書いた通り、残念なことにパディラック洞窟に行くのにバスなどの公共交通機関がないので車での移動が必須となります。

国際免許証がある場合はレンタカーを借りましょう。

一番近い大都市はトゥールーズ(Toulouse)になります。トゥールーズへは飛行機・列車・高速バスなど様々な方法でアクセスできます。

自分の旅程に合わせて都合のいい方法でアクセスしてください。トゥールーズからパディラック(Padirac)までは片道2時間ほどです。

運転距離をできるだけ減らしたい人は、トゥールーズからさらにカオール(Cahor)まで列車で移動すれば、そこからでもレンタカーを借りられます。カオールからは1時間ほどでパディラックに到着します。

問題は国際免許証がない場合です。その場合の交通手段はタクシーに限られています。しかし、パディラック近郊はかなり田舎のため、流しのタクシーを捕まえるのはほぼ不可能。また、ローカル線が走る鉄道駅もありますが、駅が小さすぎてタクシーは常駐していません。

この場合は、パラディック近郊の鉄道が通っている町まで列車で移動し、駅近辺のホテルで一泊。

宿泊するホテルでタクシーを読んでもらって洞窟観光へ向かうのが妥当でしょう。この際の滞在場所の選択肢はグラマ(Gramat)かロカマドゥール(Rocamadour-Padirac)。

これらの町からであればタクシーで洞窟まで20分かかりません。グラマの方が大きめの町で、駅前から10分ほど歩けばパン屋やスーパーなどがあります。

ロカマドゥール=パディラック駅の周りはほぼ何もありませんが、タクシーで10分弱の距離に世界遺産であるサンティアゴ・コンポステーリャの巡礼路の構成建築物があります。観光客が多く英語もまだ通じるので、多少移動費がかさみますがせっかくならロカマドゥールの方に滞在することをお勧めします。

また、田舎はタクシーを呼んでもすぐに来てくれない場合もあります。前日までにタクシーを呼んで貰うようホテルの人に頼んでおきましょう。

また、タクシー移動の場合は事前にオンラインで日時指定のチケットを購入し、洞窟観光後にピックアップして貰う予約をしておくことも忘れずに。

パディラック洞窟の見学可能期間は、2018年は3/24~11/4まで。時間は時期によって異なりますが、基本的に9時から18時まで、7,8月は8時から夜の9時半までオープンしている期間もあります。公式ホームページでオープン時間と混雑予想のカレンダーを確認できます。

ツアーは15分おきにスタートしますが、夏場は昼前からチケットオフィスに長蛇の列ができ、2時間待ちなどになったりすることもあるそうなので、事前に日時指定のチケットを購入しておいた方がいいでしょう。チケットは大人一名13.5ユーロです。

洞窟の中は大変滑りやすいので、運動靴は必須です。また、洞窟内の気温は15度前後と夏場でも低めです。着脱しやすい上着を持って行くようにしましょう。

まとめ

フランスのミディ・ピレネー地方にある秘境パディラック洞窟。

秘境の言葉が表す通り、公共交通機関でのアクセスが不可能な穴場中の穴場です。フランスやヨーロッパでは有名な観光スポットで、期間限定でオープンする春先から秋にかけて多くの観光客が訪れます。

洞窟内へはガイドツアーでのみ入ることができます。深さ75メートルの巨大な穴を降り、その先はボートや徒歩で約1時間半かけて見学します。

ぽっかりとあいた巨大な穴の下からの空の眺め、洞窟内の不思議な形の鍾乳岩、透明度抜群で美しくライトアップされた水面、100メートル近い高さがあるドーム型の大天井、エメラルドグリーンに輝く棚田のような景観など、洞窟内には自然の絶景がてんこ盛りです。

アクセス方法は車に限定されるため、国際免許証を準備してレンタカーを借りるのが一番のお勧めです。一番近い大都市はトゥールーズ。

トゥールーズまでは飛行やバス、列車など様々な方法でアクセスできます。トゥールーズからパラディック洞窟までは車で片道2時間ほどで到着します。

国際免許証が準備できない場合は、タクシーでの移動になります。列車でアクセスできるロカマドゥールやグラマの駅近くのホテルに一泊し、ホテルでタクシーを呼んでもらって洞窟観光に向かいましょう。

田舎なのでタクシー会社に連絡してもすぐに来てくれないこともありますので、事前にホテルの人に頼んでおきましょう。その際は洞窟観光後の帰りのタクシーも予約しておくことを忘れないようにしましょう。

なかなか自力で行くのが難しいパディラック洞窟ですが、そこで見られる絶景は行くまでの苦労を全部吹き飛ばしてくれるでしょう。

冒険も兼ねて、ぜひ今年の夏の旅行先に選んで見てはいかがでしょうか?