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フランスの大修道院の村!サン・タントワーヌ・ラベイ特集!

サン・タントワーヌ・ラベイとは?

東フランスのオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方はアルプスにも近い自然豊かな地方です。その南部にサン・タントワーヌ・ラベイ(Saint-Antoine-l’Aabbaye)という小さな村があります。

日本での知名度はほぼゼロに近いですが、カトリック信者が多いフランスやヨーロッパでは比較的名前が知られている村です。というのも、この村はスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへと続くフランスの巡礼路上にあり、巡礼地の一つなのです。

村の言い伝えによると、1070年頃に地元の領主がパレスチナへの聖地巡礼から帰ってくる際に、コンスタンティノープルから修道士の創始者と言われる大アントニウスの聖遺物を持ち帰ったため、この村は大アントニウスにちなんでサン・タントワーヌの名を冠するようになったとのこと。

その後13世紀に村の代名詞であるサン・タントワーヌ大修道院が建てられたため、この修道院の名称自体が村の名前として定着していきました。

小さな村には似合わないほどの大きな修道院で、その美しい景観と素朴な村の町並みから、数年前に「フランスの最も美しい村」の一つに登録されました。

かなり田舎にありアクセスが悪いのが難点ですが、辿りついた先に待っている村の景観は大変美しいものです。かなりの穴場スポットであるため、王道から外れた珍しい場所に行きたい人にはオススメの観光スポット。

今日はこのサン・タントワーヌ・ラベイの魅力と行き方をご紹介します。

村の見どころ

 サン・タントワーヌ・ラベイの見どころは、村のおよそ1/4ほどの面積を有するサン・タントワーヌ大修道院と、そこへ続くプロムナードに凝縮されています。

観光案内所も面している町の中心、フェルディナン・ジルベール広場には修道院の門塔があります。この門の特徴はアルプスに近い地方独特のうろこ状の屋根です。

カラフルなジグザグ模様が描かれた屋根と重厚感のある石造りの門、そして門の両端にあるピンク色の尖塔が絶妙な具合に混じり合っており、普通の修道院の門とは違った雰囲気が感じられます。

この門をくぐるとそこは別世界だった…と言っても過言ではないほど、門の外と中では景観が異なります。門から先には大修道院へ続くプロムナードとなっており、その両側には古い石造りの家屋が立ち並んでいます。

ここだけ切り取るとまるで中世にタイムトリップしたかのようです。プロムナードには大きな街路樹が並んでおり、春から夏にかけては緑が美しく木漏れ日がキラキラと地面を照らす様子は心和む景観です。プロムナード沿いの家屋はカフェやレストランがあり、観光客や巡礼者の休憩ポイントとなっています。

プロムナード奥には村一番の見どころの大修道院があります。13~15世紀に建てられたゴシック様式の建物で、奥行き62メートル、幅32メートル、高さ22メートルという大きな修道院で、内部には17の礼拝堂があります。

教会正面ファザードは繊細な彫刻が施されており、上部には大アントニウスのステンドグラスが設置されています。内部は白の花崗岩で落ち着いた印象ですが、大理石の棺や柱に並ぶ彫刻、年季が感じられる壁画や聖歌隊席、翼をひろげた鳥のような形のパイプオルガンなどは重厚感が溢れており、この大聖堂の長い歴史を彷彿とさせます。

フランス国内には豪華なゴシック建築の教会も多いですが、サン・タントワーヌ大聖堂は煌びやかさではそれらに負けるものの、荘厳さという点では引けを取らず雰囲気のある大修道院です。聖堂内の見学可能時間は9~19時(ミサ時を除く)です。

修道院の横には20世紀になってから増築された新たなファザードがあり、それらの建物は、現在は博物館として利用されています(3月初旬から11月中旬の午後のみ開館。夏は午前中も開館)。

小さな博物館ですが入場は無料で、修道院に関する資料やサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路などについての展示物を見ることができます。

修道院は大規模なので、全景を写真に収めようとすると近くからではなかなか難しいです。

そこでおすすめなのが、修道院とは反対側の村はずれのエリアです。なだらかな丘陵になっているため、道なりに歩いてくだけで村の修道院の遠景を見ることができます。のどかな田園風景の中にどっしりと構える大修道院の景観はまるで絵画のよう。天気がよければぜひ散歩がてら歩いて見るのもいいでしょう。

アクセス

前述の通り、サン・タントワーヌ・ラベイへのアクセスは容易ではありません。一番手軽なのはレンタカーです。

国際免許証がある場合は迷わずレンタカーをお勧めします。サン・タントワーヌ・ラベイの近郊都市でフランス国鉄の主要駅とレンタカーがあるのはリヨン(Lyon)かグルノーブル(Grenoble)です。

パリや南仏の大都市からの移動の場合はリヨンを基点とするといいでしょう。リヨンはフランスを代表する大都市の一つなので、パリなどからも頻繁にTGV(新幹線)が出ています。パリからリヨンまではTGVで2時間ちょっとです。

リヨンからサン・タントワーヌ・ラベイまでは車で1時間半ほどで到着します。

国際免許証がない場合は、電車とバスの乗り継ぎまたはタクシー利用になります。

まず、国鉄の駅がある最寄り町のサン・マルセラン(Saint-Marcellin)まで特急列車TERで移動し、そこからTransisereが運行する5250番のバスでサン・タントワーヌ・ラベイまで行くことができます。

ですが、5250番のバスは1日に一本(2018年5月現在16:20分発)しかありません。しかも、バス乗り場は駅前ではなく、駅から徒歩10分程度のところにある高校前の駐車場になります。乗り場の地図やバスの時間はTransisereのホームページ(英語あり)で確認できます。

また、タクシーを使う手もありますが、サン・マルセラン駅は小さな駅なので駅前にタクシーは常駐していません。

運よく流しのタクシーが捕まればいいですが、そうでない場合は町中心部にある観光案内所まで行ってタクシーを呼んでもらったほうがいいでしょう。サン・マルセランからサン・タントワーヌ・ラベイまでは車で20分程度なので、料金の目安は25~30ユーロ前後です。タクシーで往復する場合は、復路のタクシーも行きの時点で予約しておいたほうがいいでしょう。

まとめ

フランス南東部にあるサン・タントワーヌ・ラベイは、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の途中にあり、「フランスの最も美しい村」に登録されている村です。村の名前は大アントニウスと13世紀に建てられたサン・タントワーヌ大修道院に由来しています。

サン・タントワーヌ大修道院は村の規模からは想像もできないような大きな修道院。修道院への門はこの地方独特のカラフルなウロコ状の屋根が特徴です。

その門をくぐると景観は一転し、修道院までのプロムナードには古い石造りの家屋が建ち並び、まるで中世にタイムトリップしたかのよう。現在これらの家屋はカフェやレストランが入っており、観光客や巡礼者の憩いの場になっています。

13~15世紀に建てられたゴシック様式の修道院は大変美しく、正面ファザードは繊細な彫刻や大アントニウスのステンドグラスなどが特徴です。内部は比較的落ち着いたつくりで、回廊の柱にある彫刻や大理石の石棺、歴史を感じさせる聖歌隊席や独特の形のオルガンなどが見どころです。

修道院横には20世紀に建てられた新たなファザードがあり、その建物は現在博物館として利用されています。また、修道院と反対側の村はずれからは、大修道院の全景を見ることができます。

サン・タントワーヌ・ラベイへの交通の便はよくないので、国際免許証を持っているのであれば迷わずレンタカーを利用しましょう。リヨンやグルノーブルからであれば車で1時間半ほどです。

公共交通機関を利用する場合は、電車とバスまたはタクシーの乗り継ぎになります。サン・マルセランまで特急電車で移動し、そこからバスがありますが、サン・タントワーヌ・ラベイへ行くバスは一日1本しか運行しないので、タイミングが合わなければタクシーを利用しましょう。

美しい修道院と村の景観が魅力ですが、日本人はあまり行かないであろう穴場中の穴場スポットであるサン・タントワーヌ・ラベイ。珍しい場所に行きたい人やオンリーワンの旅行を求める人は、ぜひ知名度が上がる前に先駆けしてみてはいかがでしょうか。