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フランスのストーンヘンジ?カルナック列石群とは?

フランスのストーンヘンジ?

先史時代の列石などの遺跡は世界中に点在しています。

その代表格はイギリスにあるストーンヘンジですね。

しかし、フランスのブルターニュ地方にもヨーロッパ最大級の巨石群があるんです。

カルナック列石群と呼ばれているそれは、日本ではほぼ知名度ゼロでしょうが、現在世界遺産の認定を目指し、世界遺産暫定リストに登録中。将来的には世界遺産になり、知名度がグッと上がるかもしれません。

列石群のあるブルターニュ地方はフランスの中でも長い歴史を持ち、旧石器時代以降から人類がこの地域に定住したとされ、この地方にはカルナック列石群以外にも多くの巨石遺構が残されています。

5世紀末にはブリトン人が移住し始め、1532年にフランスに合併されるまでは独立したブルターニュ公国という国でした。

19世紀初めまではイギリスの古語であるケルト語などに近いブルトン語という独自の言語が使用されており、イギリスとの文化的な繋がりも深いエリアです。

カルナックはブルターニュ地方のモルビアン県に位置する小規模の街です。海に近いことや近隣にこの地方では人気のあるサーフスポットやビーチがあることから、夏場はリゾートとして人気があります。

カルナック列石群は、紀元前2~3000年頃の間に作られた遺構で、メネク列石・ケルマリオ列石・ケルレスカン列石の3つのエリアから成り立っています。

約3キロに渡るこの主要エリアだけでもおよそ3000の巨石が並んでおり、この3エリア以外も含むと約4キロの範囲に4000近くの巨石が点在しているそうです。

この列石群が作られた理由は未だ謎に満ちていて、天文学的な用途、宗教の儀式用など様々な説が囁かれています。この地域では、ローマ兵に追われていた聖人コルネリが魔法で兵を石に変えたという伝説がずっと信じられていたそう。

未だ謎に満ちたミステリアスなカルナック列石群。日本ではかなりマイナーな観光スポットですが、近い将来はフランスのガイドブックなどに大きな見出しで載るかもしれません。今回はこのカルナック列石群の見どころを紹介します。

カルナック列石群の見どころ

*メネク列石(Alignements de Ménec)

 メネク列石は3つのエリアの内西側にあるエリアで、カルナック列石群観光のスタート地点になるところです。

メネク列石は3つのエリアの中で最長の距離で、約1.2 キロに渡ります。だだっ広い草原の中に、大小の巨石1169個がずらっと列をなして並んでいます。

これらの巨石はメンヒル(ブルターニュ語で「長い石」を意味し、単独で立っている石のこと)と呼ばれ、ひたすら先まで巨石が連なる光景はなんとも奇妙な光景です。

エリアの両端には特に大きなメンヒルが集まっています。

メネク列石の道路を挟んで反対側にはビジターセンター(Maison de Mégalithes)があります。

こちらは観光案内所や展示スペース、売店などがあるのですが現在改修中で、木目のフェンスに掲げてある案内板パネルでカルナック列席の巨石群について大まかに知ることができます。

売店と観光案内所は横の建物に移してあり、利用可能です。

カルナック観光の際は、最初にここで地図付きの解説パンプレット(日本語もあり)をもらうことをお勧めします。

広い範囲に見所が渡っていますが大きな案内板などはないので、地図がないと名スポットを見損ねたり通り過ぎたりしかねません。

*ケルマリオ列石(Alignements de Kermario)

真ん中に位置するケルマリオ列石。ここもメネク列石同様、メンヒルが約1.1キロに渡って並びます。

総石数は1029個で、ケルマリオ列石の一番西の地点には、ドルメン(ブルターニュ語で「石の机」を語源としており、巨大な一枚岩が支柱となる岩の上に乗せられているもの)があります。

巨大なメンヒルが立ち並ぶエリアの隅っこに、ひっそりとドルメンが置かれています。

ケルマリオ列石のエリア内には古い石造りの建物を利用したレストランや、その先には一般の民家が立っています。巨石群の中に建物が混じっている光景はなんとも不思議です。

また、ケルマリオ列石の中間地点を過ぎたあたりには、風車小屋の跡(Moulin de Karmaux)があります。ここは現在上に登れるようになっていて、高さは4メートル程度しかありませんが西に広がるケルマリオ列石を眺めることができます。

ケルマリオ列石とケルレスカン列石に移動する途中にも必見のスポットがあります。

ケルカド石塚(Tumulus de Kercado)は、巨石で出来た入口とそれを囲んで無数に積まれた石、その上にドンと立つ一柱のメンヒルが特徴の古墳のようなものです。

木々に囲まれた場所に急に出てくるこの場所は、列石群とはまた違った魅力があります。入口はドアで施錠されているのですが、日中は解放されていて中を覗き見ることもできます。

列石群な並ぶ道の反対側の脇道から少し奥まったところにあるのですが、石塚の小さな案内板とそれより大きなレストランの看板が目印です。

*ケルレスカン列石(Alignements de Kerlescan)

ケルレスカン列石は3つのエリアで東側に位置し、最も小さいエリアなのですが、見どころが点在しています。

他のエリアよりも大きなサイズの巨石が多く、555個のメンヒルが並んでいます。しかしならが、このエリアは巨石が立ち並ぶ草原のエリアよりも、周りに点在する遺構の方が有名です。

一つは、巨石草原のエリアの少し手前にある脇道を進んだところにあるマニオの巨石(Géant du Manio)とカドリラテール(Guadrilat ère du Manio)です。

マニオの巨石はカルナック列石群の中で最大のメンヒルで、高さ約6メートルに及びます。

林の中を進むとひらけた場所があり、その中に一柱だけ空から落ちてきたかのようにメンヒルが突き刺さっています。現在はこれが最大ですが、以前は20メートル近いメンヒルもあったと言われています。

周りは小さな石積みの囲いがあり、神秘的な雰囲気が漂います。春から夏にかけては、木々の緑と青空とメンヒルでとても美しい景観になります。

カドリラテールは大きな石が長方形の形に並べられている場所です。まるでそこに何かが建っていたか囲われていたかのよう。カドリラテールの真ん中に入ったら何か不思議なことが起こりそうな雰囲気が漂っています。

この2つの遺構もメインの通りから奥に入っていかないといけないので迷いがちです。ケルレスカン列石群(石が立ち並ぶ草原の部分)の手前にある乗馬クラブの横から、林道を歩いて5分ちょっとです。

もう一つの見どころはドルメンです。

マニオの巨石などからはケルレスカン列石群を挟んで反対側にあります。

ここにあるドルメンは一つ手前にあったケルマリオ列石のそれよりもより大きなものです。どちらかというと石塚に近い遺跡です。

林の中に突然現れ、大きな天井部の平たい石とそれを支える巨石、その奥には小さな石が積み重ねられて壁のようになっています。このドルメンは他の観光スポットに比べて穴場で観光客が少なく、かなりミステリアスな雰囲気。

穴場的なスポットで周りに目印もないので、このドルメンヘいくには地図が必需品です。

アクセスや見学時間などについて

残念なことに、アクセスがあまり良くないカルナック。パリやレンヌ、ナントなどの近郊都市からのアクセスの場合は、オレー(Auray)駅まで電車で移動し、そこからキブロン行きのバスに乗りカルナックビーチ・観光案内所前(CARNAC PLAGE – Office de Tourisme)で下車になります。

しかもそのバス停からは列石群まではさらに徒歩30分以上かかるので、バス停前の案内所でタクシーを呼んでもらったほうが無難です。

また、オレー駅からのバスも1日10本ほどしかありません。

見どころも広範囲に点在していますし、近郊にはビーチや他の遺跡などもあるので、もし国際免許証をお持ちでしたらオレーかヴァンヌからレンタカーを借りて車で観光することをお勧めします。

カルナック列石群は草原などに広がるエリアなので無料でいつでも見ることが可能です。メネク列石エリアにあるビジターセンターは季節によって会館時間が異なります。

夏場は9:00~19:00又は20:00まで、冬場は10:00~17:00まで、毎日オープンいています。

ビジターセンターではセンター主催のガイドツアーや体験イベントへの申し込みもできます。観光客が増える春以降の週末や休暇期間は、ハイキングや実際に昔の道具を使って巨石を動かす体験などのイベントが開催されています。運良くイベントが開催していたら、参加して見るのも楽しいでしょう。

最後に

ヨーロッパ最大級の巨石遺構で、フランスのブルターニュ地方に位置するカルナック列石群。

紀元前2~3000年に造られたとされるこの遺跡は用途もまだわかっておらず、魔法で兵士が石にされたなどの伝説も残るミステリアスな場所です。

メネク列石・ケルマリオ列石・ケルレスカン列石の3つのエリアから成っており、約3キロに渡って3000近くの巨石が並んでいます。

メネク列石エリアは3つの中で最長で、大小様々な巨石がずらっと遠くまで並んでいます。観光の起点ともなるエリアでビジターセンターがあるので、まずここで地図付きのパンプレットを入手するのがオススメです。

ケルマリオ列石には、巨大なメンヒルが集まっているエリアの端っこにポツンとあるドルメンが名所の一つ。エリアの真ん中付近にある風車小屋の跡からは、けるマリオ列石を一望できます。また、近くにあるケルカド石塚も必見です。

ケルレスカン列石のエリアにはカルナック列石群の中で最長である6メートルのマニオの巨石や、四方を石で囲まれたカドリラテール、穴場スポットになっているドルメンなどが点在しています。

カルナック列石群へのアクセスは、パリやレンヌ、ナントなどの主要都市からオレーまで電車で移動し、オレー駅からはバスでカルナック(繁華街エリア)まで、その後徒歩かタクシーでカルナック列石群まで移動となります。

交通の便はお世辞にもいいとは言えないので、国際免許証を持っているのであれば近郊都市からレンタカーを借りる方がオススメです。

いずれは世界遺産になる可能性もあるカルナック列石群。観光客が増える前に先取りで、冒険がてらこのカルナック列石群まで旅して見てはいかがでしょうか。