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パリの名所は北部だけではない!穴場スポット霊廟パンテオンの実態とは?

パンテオン(Panthéon)とは?

世界で一年間に訪れる観光客の数が多い都市パリ。

エッフェル塔や凱旋門、ノートルダム大聖堂、ルーブル美術館など、世界を代表する有名観光スポットや世界遺産が多く点在しています。

パリの中心部は少し歩くだけ、またはあたりを見渡すだけで有名な建物や観光スポットが何かしら見える、というほど名所が密集しています。

日本人にも人気の高い観光スポットは、ほぼパリの中心からセーヌ川を挟んで北側(エッフェル塔のみ川を挟んで西側にあります)に位置していますが、パリの南側にも数多くの見どころが点在しています。

2回目以降のパリ滞在で、中心部の有名スポットを大方見終わった人などにオススメのエリアです。

南部の観光名所の一つがパンテオン(Panthéon)です。

パンテオンといえばギリシャやローマの神殿を思い浮かべる方も多いと思いますが、このパリのパンテオンはそれらがモデルとなっています。

ここに神々は祀られていませんが、代わりにフランスの偉人たちが祀られ、地下のクリプト(納骨堂)には彼らが眠っています。

「なんだ、偉人の墓か」と思われるかもしれませんが、ここは歴史と芸術の都パリ。建物そのものの美しさや内装は必見の価値ありです。

パンテオンは元々、聖人ジュヌヴィエーヴに献堂する教会として18世紀に建てられた新古典主義様式の建物でした。

しかし、建造直後にフランス革命が起こり、国民会議で偉人の墓所としての利用が決まり、現在に至っています。

幅10メートル、奥行きは約85メートルもある大きな神殿で、真ん中のドームや十字の形が特徴的です。

新古典主義建築の傑作の一つとして名が挙げられるほど、素晴らしい外観・内観を擁しているパンテオン。

今回はこのセーヌ川河南エリアに位置するこの霊廟の見どころなどを詳しくご紹介します。

パンテオンの見どころ

パンテオンに近づくとまず目に入るのが美しく壮大な外観です。

ある程度離れたところからでもわかる正面ファザードの彫刻は実に見事です。

ファザード下まで来ると人物の彫刻だけでなく、細かい紋様の彫刻まではっきりと見ることができます。

天井や壁の一面に広がる繊細な紋様や人物の彫刻はまさしく傑作と言えるほどの美しさです。

扉などにまで細かな彫刻が施されているので、ぜひじっくりと見てみましょう。

パンテオンの地上階内部は彫刻と巨大絵画のオンパレード。

壁や天井には多くの色鮮やかな巨大フレスコ壁画や絵画が描かれています。

フレスコ画はフランス革命時に被害を受けたものの後に復元され、聖書などに関連するものや百年戦争やフランス革命に関する壁画が多く見受けられます。

日本でもよく知られているジャンヌ・ダルクの一生を現した壁画もあるので探してみて下さい。

巨大壁画にも見劣りしないのが、天井やアーチ部分、柱などに施されている緻密で美しい彫刻です。

入口から入ってすぐのドーム型天井や建物両翼の天井には花の模様の彫刻が同心円状に広がっており、その繊細さにはため息が出るばかり。

定期的に開催されるガイドツアーに参加すればドームの展望台へ入ることができます(ツアー時間は建物内部の案内板に掲示してあります)。

建物全体が巨大な芸術作品のような仕上がりで、スケールの大きさは圧巻です。

パンテオンの中心には、この建物の中心には天井から吊り下がった巨大な振り子があります。

振り子といえば、物理で習う地球の自転の証明に使われた「フーコーの振り子」が有名です。

そして、このパンテオンこそ1851年にフーコーの振り子の公開実験が行われた場所なのです。

金色の錘が一定のスピードでぐるぐると弧を描いて回る姿はとても印象的です(実験に使われたオリジナルの振り子は別の博物館に保管されています)。

世界中で巨大フーコーの振り子がある場所はここを含めて10箇所程度。

ぜひ実際に実験が行われた場所に再現された振り子を写真に収めて下さい。

地下には18世紀後半以降の偉人たちが眠るクリプト(納骨堂)があります。

クリプトに降りる階段の中広場には珍しい黒の彫刻があり、その間には真っ赤な美しい壺が。

ここだけ独特な美術品?と思うほど印象的なのですが、実はこの壺の中には19世紀フランスの有名な政治家であるガンベッタの心臓が入っているとか。

それを知ると壺の色と独特な周りの彫刻なども納得がいくプチスポットです。

心臓入りの赤い壺の前から階段をさらに下ると、その先は少し冷たい空気が漂うクリプトが広がっています。

内部はほぼ装飾や彫刻もなく、かなりシンプルなつくりです。

ここには、世界的に有名なフランス出身・在住の偉人たちが眠っています。

「社会契約論」の著者であるジャン=ジャック・ルソー、ノーベル賞受賞者のキュリー夫人と夫のピエール・キュリー、「レ・ミゼラブル」の著者である小説家ビクトル・ユーゴーなどがその代表です。

特に、ルソーの納骨棺の正面には小さな扉が掘られており、そこから黄金の手がニョキッと出てきている印象的なものです。

クリプトにはタッチパネル式の解説が何箇所も設置してあり、どの偉人がどの納骨堂に安置されているのかや、どのような人物だったかなどを知ることができます。

彼らの墓所の前で彼らの偉業を学んで見てはいかがでしょうか。

(ちなみに、フランス人で一番有名であろうナポレオンも18世紀以降の人物ですが、彼は別格なのでアンヴァリッドという所の場所に埋葬されています。)

パンテオンへのアクセス・基本情報

パンテオンへのアクセスで旅行者が一番使いやすいのはメトロ(地下鉄)かRER(近郊鉄道)です。

メトロであれば、10番線のCardinal Lemoine(カーディナル・ルモワーヌ)が最寄駅で、パンテオンまでは徒歩5分ほどです。

RERならB線のLuxembourg(リュクサンブール)駅で下車し、徒歩5分程度です。

駅にある地図で出口や道のりを確認すれば迷うことはないでしょう。

パンテオンはクリスマスや元日、メーデーなどの一部の祝日を除き、基本的には毎日オープンしています。

ただ、ストライキやメンテナンスなどで不定期に休館したり午後から開館したりする日もあるので、事前にホームページで確認するといいでしょう。

開館時間は10~18時(夏場は18:30まで)で、入場料は大人一名9ユーロです。

パリのミュージアム・パスも使えます。

チケットは公式ホームページで事前購入もできますが、基本的に現地で長時間待つことなく買うことができます(筆者は日6月の日曜午後に行きましたが、5分も待ちませんでした)。

ただ、霊廟という性質上一応入場者数制限があるそうで、学生団体や団体観光客が集まる時期や夏の休暇時期はごく稀に待ち時間が発生することもあるようです。

人が少なく静かな環境で見学したい人には午前中に訪問することをお勧めします。

最後に、パンテオン観光に限らず、パリまたはフランスを旅行する上で考慮しておくべきことの一つにストライキがあります。

最近はマクロン政権の財政緊縮策や企業に対するストが相次いでおり、国鉄や航空会社の運休・欠航、果ては有名観光スポットの臨時閉鎖などの影響が出ています。

今夏にフランスへの旅行を考えている場合は、計画を立てる際に交通情報や観光地のオープン情報をホームページで事前に確認するようにしたほうがいいでしょう。

まとめ

世界中から観光客が集まるパリ。

中心を流れるセーヌ川から北側に有名観光スポットが集中していますが、河南エリアにも見どころが点在しています。

その中の一つであるパンテオンはフランスの偉人を祀る霊廟および納骨堂で、18世紀に建築されました。

十字形の建物と円形ドームが特徴で、新古典主義建築の傑作の一つと言われています。

正面ファザードの天井や扉の彫刻、内部の天井やアーチに施された彫刻は大変緻密で美しく、芸術の極みと言えるほどです。

壁にはフランスの歴史に関連する巨大なフレスコ画や絵画が描かれており、その大きさと鮮やかさは圧巻です。

また、この霊廟はフーコーの振り子の公開実験が行われた場所で、建物中央部分のドームからは巨大な振り子が垂れ下がっており、一定スピードで弧を描くその姿は印象的です。

地下にはクリプトがあり、ジャン=ジャック・ルソーやキュリー夫人など世界史などで習う有名人たちの墓所となっています。

パンテオンへはメトロかRERでのアクセスが便利です。

メトロ10番線のカーディナル・ルモワーヌ駅、またはRERのB線のリュクサンブール駅から徒歩5分ほどです。

開館時間は10~18時で、入場料は大人一名9ユーロ。

基本的に一部の祝日を除き毎日開館していますが、不定期に閉館したりすることがあるので、事前にホームページで確認するといいでしょう。

また、最近フランスではストライキが頻繁に行われており、交通網や有名観光スポットにも影響が出ています。

今夏にフランスを訪れる予定のある人は考慮しておきましょう。

パリ市内南部の観光スポット、パンテオン。

筆者もこの記事を書く1日前に行ってきましたが、中心エリアの観光スポットと違って観光客もそこまで多くなく、ゆっくりと見て回ることができました。

内装はどこを見ても素晴らしいのですが、個人的には彫刻の繊細さと美しさに圧倒されました。

歴史建造物や美術に興味がある人にはかなりオススメの観光スポットです。

また、近くには穴場スポットであるサン・ティエンヌ・デュ・モン教会など、他の見どころもたくさん(これらも追ってご紹介します)。

華やかさでは中心部の観光スポットに劣りますが、荘厳さや雰囲気では引けを取らない穴場スポットが多いパリ南部。

今後パリを訪れる予定がある方は、ぜひ訪問先にパンテオンや南部エリアを加えて見てはいかがでしょうか。