翻訳(Language Change)

バルセロナで最も優雅なストリート!グラシア通り(Passeig de Gràcia)とは?

世界中の観光客を魅了してやまない街、バルセロナ。

バルセロナといえば、サグラダ・ファミリアを筆頭に稀代の建築家アントニ・ガウディの作品群が有名ですね。

バルセロナ一の繁華街と言われるのはランブラス通りですが、グラシア通りもかなり重要な観光スポットです。

名前はあまり聞きなれないかもしれませんが、バルセロナを訪れる観光客の九割はこの通りを訪れるはず。なぜなら、世界遺産のカサ・バトリョとカサ・ミラがあるのがこの通りだからです。

グラシア通り

グラシア通りは、地下鉄のディアゴネル駅からカタルーニャ広場まで続く約1.4キロの大通りです。

旧市街のランブラス通りとは異なり、道幅は広くてモデルニズモ(スペイン語でアール・ヌーヴォーに当たるもの)の建築物がずらりと並んでおり、ハイブランドからファストファッションブランドまで幅広い店舗が展開されているショッピングストリートとしても知られています。

通りの並木道は新緑の季節になると大変美しく、洗練された雰囲気の中での散歩はとても気持ちがいいです。

ランブラス通り同様、この通りをぶらぶら歩くだけでもさまざまな観光スポットやシャッタースポットを見つけることができます。

カサ・バトリョ周辺はモデルニズモ様式の建物が固まっているバルセロナ屈指のスポット。

ここは、当時を代表する建築家であるガウディ、ドメニク、ガダファルクの建築作品が三件並んで建てられている大変貴重な一画なのです。それぞれ異なったデザインや趣向のため、「不協和音の一画」と呼ばれています。

ガウディのカサ・バトリョが世界遺産になっていおり圧倒的に人気があるため、それに比べると霞みがちですが、他の二つもなかなか見応えのある建物です。

今回はこの不協和音の一画を担う他の二軒の建築物を中心に、グラシア通りの魅力をお伝えします。

カサ・アマトリェール(Casa Amatller

はじめにご紹介するのは、カサ・バトリョの真横に建っており、不協和音の一画の中心に建つカサ・アマトリェールです。

こちらは1851年に建てられた建物を、1900年頃にジュゼップ・プッチ・イ・カダファルクの設計により大々的に改装したものです。

「アマトリェール」は1797年に創業したスペイン最古のチョコレート屋で、この建物は三代目のアントニ・アマトリェールが娘と暮らした屋敷です。

この建物の外見の特徴は、バルコニーの彫刻と階段のような切妻屋根。

オランダの町並みでよく見かける茶色い切妻屋根の建物を、もっと可愛らしくポップな色調で仕上げたような外観です。

それに加え、バルコニーやテラスなどの彫刻の部分は一昔前のゴシック様式のデザインを取り入れており、当時の流行であったモデルニズモとこれまでの伝統様式を掛け合わせたところが、この建物の最大の見どころと言えるでしょう。

もちろん、内装の素晴らしさも見逃せません。

一階の回廊は、落ち着いた黄色に綺麗な模様が施された天井とダークブラウンの梁のコントラストが見る者を引きつけます。

一階奥にはカフェがあるのですが、カフェ入口の扉もカラフルな水玉模様のガラスが埋め込まれており、とても印象的です。また、二階に上がる階段があるスペースの天井を見上げると、美しいステンドグラスが視界に飛び込んできます。

一階のカフェの中には、にはアマトリェールのチョコレート販売スペースもあります。アマトリェールのチョコレートのパッケージにはアルフォンス・ミュシャの作品があしらわれています。

アントニ・アマトリェールがミュシャのパトロンであったことから、彼の作品が使われているのです。アート好きにはぴったりのお土産です。

カサ・アマトリェールは、嬉しいことに一階部分の見学は無料です。二階より上は2015年から有料ツアーでのみ見学が可能になりました。

有料ツアーであれば二階の居室なども見学することができます。ツアーは約1時間で、毎日11時から英語ツアー、17時からスペイン語ツアーなどがあります(曜日によってはこれ以外もあり。事前にネットで予約すると15%オフ)。

カサ・アマトリェール一階部分のみでも十分見応えがあるので、カサ・バトリョの訪れる機会があればぜひ一緒に訪れて見てください。

カサ・リェオ・モレラ(Casa Lleó Morera

 こちらは不協和音の一画の左端にある建物で、ガウディの師匠でライバルであったリュイス・ドメネク・イ・モンタネールが1902~1905年の間に改装指揮をとった集合住宅および店舗が入っている建物です。

一階にはスペインを代表するブランドの「Loewe(ロエベ)」が出店しています。

 この建物の外観は、デザインに花や木、太陽などの自然をモチーフにしたものを多用するドメネクのスタイルをそのまま表現しています。

柱にはピンクや白のモザイクで描かれた花と細かい彫刻の花が並んでいます。

手すりやベランダなど至るところに花のモチーフがあしらわれていますが、ドメネクのこだわりで全ての部分ごとに花のデザインは異なっていると言われています。

花以外にも、ドラゴンをモチーフとした彫刻も多数見ることができます。どの彫刻も繊細でディテールまでこだわっており、芸術の精緻とも言える作品です。

このカサ・リェオ・モレラ、以前は有料で内部の見学が可能だったのですが、残念なことに2017年の春に建物の補修・保護の目的のために一般見学不可となってしまいました。

個人所有の建物ということもあり、今のところ、今後一般観光客向けに見学が再開される予定はないそうです。その代わり、公式ホームページでは内部を詳細に説明したフォトギャラリーや動画を見ることができます。

それを見ながら、今後オーナーの気持ちが変わって一般見学が再開されることを祈るばかりです。

内部は見られずとも、外観だけでも見る価値は十分にあるので、ぜひ足をとめて眺めて見てください。

散策時のチェックポイント

グラシア通りには、不協和音の区画や世界遺産の建築物以外にもぜひチェックしてほしいポイントがあります。

まずは通りにあるH&MとZARAの旗艦店です。H&Mの建物はぜひ閉店時間に見てください。

というのも、H&Mが入っている建物の正面入口が宮殿のゲートのようにおしゃれなのです。3つの大きな入口が並んでおり、閉店中に見ると金色の豪華な柵とゲート上のアーチが際立って美しく見えます。

入口の左右には女性をモチーフにした彫刻も。美しい入口とH&Mの赤いロゴが共存するちょっと不思議な光景を見ることができます。

H&Mの道路挟んで反対側にあるZARAも見ものです。

こちらは外観よりも内装が見どころで、ぜひチェックしてほしいのは上階へ登る階段(エレベーターがある入口横にあるもの)です。

こちらの階段には壁一面に絵画が描かれており、上に登るにつれて移り変わる絵はシンプルなものですが印象に残ります。

手すりの部分もシックな彫刻がされており、著名建築家などのデザインと比べると見劣りはするものの、芸術的な建物が集まる通りなのだと再認識させられます。ショッピングをする場合はぜひこれらの点にも目を配ってみて下さい。

そしてもう一つチェックすべきは、グラシア通りの地面と通りに並ぶ街灯です。地面に目をやると、グレーの六角形のタイルに美しい模様が描かれていることに気づきます。

このタイルの模様、実はガウディによってデザインされたもの。1904年にカサ・バトリョのためにデザインしたタイルですが、のちに量産されグラシア通りに敷き詰められることになりました。

カサ・バトリョ内のギフトショップではオリジナルの青色のタイルを買うことができます。

また、グラシア通りに一定間隔で並んでいる32本の街灯もスペインのモデルニズモ建築を代表するペラ・ファルケスのデザインによるものです(よく街灯もタイルもガウディ作だとされていますが、ガウディが手がけた街灯はレイアール広場のガス灯であり、グラシア通りの街灯はガウディ作ではありません)。

花と蔦をモチーフにしたシンプルで美しいデザインのブラウンの街灯は、ポストカードにもなっているほど有名なフォトスポットの一つ。

街灯の基礎部は白いモザイクでできたベンチになっており、散策中の休憩にもうってつけです。グラシア通りを歩く際は、地面と上を眺めながら歩くことを強くオススメします。

グラシア通りは昼間に歩いても大変気持ちがいいですが、ぜひ夕方から夜にかけても歩いてみてほしいと通りです。

日が落ちた後の暗めの青空に映るライトアップされたカサ・バトリョ、街灯と空と白いカサ・ミラのコントラスト、明かりがついて一際浮き立つ街灯など、夜にしか堪能できない景色がたくさんあります。

暗くなってからでも人通りが多い通りですので、安心して散策できます。

最後に

いかがでしたか?

バルセロナ一優雅と言われ、世界遺産も立ち並ぶグラシア通り。カサ・バトリョが建つ区画は「不協和音の一画」と呼ばれ、当時の高名な三人の建築家が手がけた建物三つが並び立つ名スポットです。

真ん中に位置するカサ・アマトリェールはガダルファクの設計によるもので、スペイン最古のチョコレート屋であるアマトリェールの三代目が娘と住んでいた屋敷です。

当時の流行であったモデルニズモ様式のカラフルな切妻屋根と、ゴシック様式のバルコニーの彫刻が外観の特徴です。

内部の一階部分は無料で見学でき、カフェ入口の水玉模様のカラフルなガラス扉やホール天井に広がるステンドグラスなどが見どころです。

左端に建つカサ・リュオ・モレラはガウディの師匠であるドメネクのデザインで、彼の特徴である花をモチーフにした柱やバルコニーやテラスの彫刻が必見の建物です。

現在、内部の見学はできなくなってしまいましたが、外見のみでも見る価値があるので、ぜひ足を止めて鑑賞してみて下さい。

芸術的にとても貴重な価値があるこのグラシア通り。

世界遺産観光のついでに、不協和音の一画の建築物、および地面と上を見上げた景色まで、是非気にかけて歩いてみて下さい。