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ドイツの戦争遺跡カイザー・ヴィルヘルム記念教会とは?

ドイツの首都ベルリン。ブランデンブルク門やホロコースト記念館、ベルリン大聖堂やペルガモン博物館などが位置する博物館島など、世界的にも有名な観光名所が多くあります。

そのベルリンに、半分廃墟のような教会があるのをご存知でしょうか。

カイザー・ヴィルヘルム記念教会という建物で、第二次世界大戦の惨禍を今に伝える戦争遺跡です。日本でいうと、広島の原爆ドームのようなものでしょうか。

今にも崩れそうなこの教会は連日多くの観光客で賑わっており、ベルリンを代表するランドマークの一つになっています。今回はこのカイザー・ヴェルヘルム記念教会を詳しくご紹介します。

カイザー・ヴィルヘルム記念教会の概要と歴史

 

ベルリン西部のシャルロッテンブルク地区に位置するこの教会は、近代的なビルやショッピングモールに囲まれています。

この教会は19世紀末に建てられ、今は戦争遺跡として残っている旧教会塔、戦後に新しく建てられた新教会堂、鐘楼、小礼拝堂の4つの建物から成り立っています。

旧教会は1895年に完成したネオロマネスク様式の教会で、ドイツ帝国初代皇帝のヴィルヘルム1世の功績を記念し讃えるために、時の皇帝ヴィルヘルム2世の提案によって建てられました。当時は5つの塔があり、その中で一番高かった塔は113mもあったそうです。

しかしながら、第二次世界大戦中の1943年にイギリス軍のベルリン空襲を受け、その際に一部を残しほぼ崩壊してしまいます。現在残っているのは一番高かった教会塔とその基礎部で、113mあった塔は空襲で頂部が折れてしまったため現在の高さは約70mになっています。

旧教会の内部は記念館となっており、修復された天上モザイク画や教会に着いての展示資料をみる事ができます。ベルリン市民からは「虫歯」の愛称で親しまれています。

旧教会の正面に建てられているのが、八角形の形をした新教会堂です。1961年に完成した高さ22mの現代教会で、外観も内装ととてもモダンな建物です。内部の直径は35mで、約千人が収容できる広い作りになっています。

旧教会の反対隣には新教会と同年に完成した新鐘楼が立っています。こちらは六角形の建物で、高さが53mもあります。鐘楼には6つの鐘が設置されており、鐘楼の一階部分には世界の雑貨を取り扱ったショップが入っています。新鐘楼の愛称は「リップスティック」。残念ながら鐘楼内にはいることはできません。

その他の小礼拝堂や新教会に付属しているロビー部分は1963年に完成した建物ですが、現在一般には公開されていません。一般開放されているのは旧教会の記念館と新教会内部になりますが、次はそれらの魅力を紹介します。

新・旧教会の見どころ

• 旧教会(記念館)

旧教会は、モダンな建物郡の中にポツンと一つだけ古い遺跡が取り残されているためか、圧倒的な存在感を誇ります。崩れた教会塔の頂部は戦争の恐ろしさを今に伝えています。

崩れ落ちた旧教会内部に入ってまず息を飲むのが、天井に広がる色鮮やかなモザイク画です。

聖書や王権神授説をモチーフにしたこのモザイク画は精巧で大変美しいのですが、修復の継ぎ目がいたるところに施されており、戦争の爪痕をも色濃く残しています。継ぎ目の入った天井中心部のイエスキリストや周りの天使たち、皇帝一族のモザイク画は大変印象的です。

壁側面には彫刻のレリーフがずらりと並んでおり、記念館奥には教会の歴史を伝えるパネルが展示されています。床のモザイク画も天井や壁に劣らず見応えがあり、入口正面の床にある天使が龍?を退治している大きなモザイク画は必見です。

• 新教会

新教会の見どころは何と言っても教会内部のステンドグラスです。

昼間に外から見た場合はわかりませんが、2万枚以上もの青のステンドグラスが壁一面を覆っており、内部から見るとまるでキラキラ輝く海のように見えるのです。

所々に赤などの他の色がかすかに混じっていて、光の加減によっては青ではなく紫に見えることも。ステンドグラスのデザイン者曰く、青色は平和を、赤色は喜びを表しているとのことです。

旧教会とは打って変わりシンプルな内層ですが、厳かさを維持しつつ安心感も与えてくれるスポットです。

旧教会の入り口の真上には、もう一つの見どころであるパイプオルガンが設置してあります。1962年に教会内に設置されたパイプオルガンですが、2005年に大改装が行われました。

現在使用されているパイプの数はなんと五千本以上!64個の音栓を持ち、そのコンビネーションの数は256に登るため、多彩な音を出す事ができるそうです。
旧教会は定期的にコンサートが開かれているので、日時が合えば行って見るのもいいでしょう。

アクセス方法とお役たち情報

ベルリン市内での移動方法は、電車(S-bahn)・地下鉄(U-bahn)、トラム、バスの4つがあります。全てが一つの会社によって運行されているため、チケットは共通です。

カイザー・ヴィルヘルム記念教会へのアクセスは電車か地下鉄がオススメです。

教会はベルリン動物園と隣同士で、最寄りのベルリン動物園駅はベルリンの中でも大きな駅の一つ。電車も地下鉄も両方乗りいれていますし、教会までは徒歩5分程です。電車ならS5やS3ライン、地下鉄ならU9ラインなどが動物園駅に停車します。

動物園駅前には観光客にも使い勝手の良い100番と200番のバスも停車します(このバスはベルリン市内の主な観光名所をカバーするルートで運行しています)。
ベルリン観光の際はほとんどの観光客は一日乗車券を利用すると思うので、交通手段に困ることはないでしょう。

カイザー・ヴィルヘルム記念教会の見学は無料ですが、建物によって見学可能な時間が異なります。

新教会は毎日9時から夜7時まで開いています。ただし、日曜日は朝10時と夕方6時からはミサがあるので、その前後はミサ参加者以外入れません。また、コンサート等のイベントがある際も準備時間などで入れないこともあります。

旧教会(記念館)は、平日は10時から6時まで、土曜は10時から17時半まで、日曜日は12時から17時半までが開館時間です(2018年3月現在)。

キリスト教関連の祝祭日などは例外的に閉まることもあるので、必ず中を見たい場合は事前に教会のホームページで確認するといいでしょう(ホームページはドイツ語ですが、一部に英語案内があります)。

また、こちらの教会では無料の教会内ツアーも毎日実施されています。記念館集合・出発で所要時間は約30分です。ドイツ語での説明ですが、必要に応じて英語でも説明してくれるとのこと。曜日によってツアーの回数や時間が異なるので、参加希望の場合は事前にホームページで確認して下さい。

みなさん、昼間に色々と観光地巡りをされると思いますが、カイザー・ヴィルヘルム記念教会は夜も大変魅力的です。新教会と鐘楼は夜になると内側からの光で
外からでも青く輝いて見えます。また、旧教会も夜間はライトアップされるので、昼間のみならず夜も一度訪れて欲しいところです。

最後に

第二次世界大戦時の惨禍を今に伝えるカイザー・ヴィルヘルム記念教会の旧教会塔と、戦後新しく建てられた青のステンドグラスが美しく輝く新教会堂。

旧教会内部の記念館では、戦争の爪痕である修復跡が残る美しい天井モザイク画や壁面の彫刻レリーフなどが、新教会堂では一面光り輝く青の世界とド迫力のパイプオルガンを見る事ができます。

最寄り駅のベルリン動物園駅はベルリン中心部でも主要な駅で、電車・トラム・バスで容易にアクセス可能です。駅から教会までは徒歩5分ほどで到着します。

旧教会内部の記念館と新教会堂は曜日によって開館時間が異なるので、事前に確認しておきましょう。無料の教会内ツアーも毎日開催されています。

また、夜になるとライトアップされたり外から青のステンドグラスが見られるなど、昼間とはまた違った景観と雰囲気を楽しめるのでオススメです。

いかがでしたか?ベルリンへ旅行の予定がある方は、ぜひカイザー・ヴェルヘルム記念教会を訪れてみて下さい。新旧二つの教会に感銘を受けること間違いなしです。