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スペインの世界遺産!街全体が魅力的な古都トレドとは?

今回ご紹介するのは世界遺産、スペインの「古都トレド」です。

皆さんは古都トレドについてご存じでしょうか。

トレドはスペインの首都マドリードから南西約80キロメートルにある人口約80,000人の町の名前で、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の3つの宗教の文化が花開いた町で、町全体が世界遺産と言われています。

そんなスペインの世界遺産、古都トレドの魅力について、歴史を踏まえながらご紹介していきたいと思います。

トレドの歴史

トレドの歴史は古く、青銅器時代から人類が住んでいた事が確認されています。

最初はイベリア系ケルト人が定住し、後に古代ローマが進出します。

古代ローマ領になってからは「トレトゥム」と名付けられ、これが現在の町の名前、「トレド」の由来となっています。

3世紀には既にキリスト教が伝わり、司教座が置かれ、西暦400年にはトレド教会会議が開催されています。

西暦476年に西ローマ帝国が滅亡した後は、ゲルマン系の西ゴート族の統治下に入り、西暦560年には西ゴート国王アタナヒルドによって首都が移されました。

西ゴート王国の統治下でもトレドでは定期的に教会会議が開催されていたため、その宗教的権威が高まり、イベリア半島のキリスト教会を統べる大司教座に格上げされました。

西暦711年、北アフリカからイベリア半島に侵入したムスリム勢力のウマイヤ朝によってトレドは征服されます。

西暦1031年に後ウマイヤ朝が滅亡した後はタイファ諸国のトレド王国がこの地を統治しました。

西暦1085年カスティーリャ王国によるレコンキスタ(国土回復運動)がトレドにも押し寄せ、長期に渡る包囲戦の後、5月26日にトレドは降伏しました。

翌西暦1086年にはモロッコに本拠を置くムスリム勢力ムラービト朝のユースフ・イブンターシュフィンとカスティーリャ王アルフォンソ6世の戦いではカスティーリャ軍が敗れてしまいましたが、トレド防衛には成功しました。

12世紀から13世紀にかけて、「翻訳学派」と呼ばれる学舎達の集団によって、古代ギリシア・ローマの文献がアラビア語からラテン後に再翻訳されます。

この作業にはイスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒が共同して参加していました。

この時の研究は後のルネッサンスに大きな影響を与えました。

トレド出身のアルフォンソ10世の時代には、国策として翻訳を推進し、アラビア語からラテン語、カスティーリャ語へと次々に翻訳されていきました。

翻訳研究はトレド意外にも広まっていき、セビリア、ムルシアにも翻訳研究の為の施設が建設されました。

カスティーリャ王国の治世下で、トレドには一時期宮廷が置かれていた他、武器の生産が行われていた為、現在でもこの伝統を引き継いでナイフや包丁の製造が行われています。

西暦1561年にフェリペ2世によってマドリードに王都が移された後は徐々に衰退し、現在では小さな田舎町となっています。

マドリードに王都が移されて間もなく、有名な画家エル・グレコがトレドに定住し、残された数々の名画の一部はエル・グレコ美術館などの施設に展示されています。

代表的建造物

トレド大聖堂

トレド大聖堂はフェルナンド3世の命によって、西暦1226年から西暦1493年にかけて建設されたゴシック式の大聖堂です。

上空から見ると大きな十字架の形をしているこの大聖堂内部は、数多くの装飾や彫刻で彩られ、レコンキスタ(国土回復運動)当時のカスティーリャ王国の勢いが感じられる荘厳な作りになっています。

大聖堂聖具室にはエル・グレコの有名な絵画も飾られています。

アルカサル

アルカサルとは要塞という意味の言葉です。

古代ローマ帝国の時代に置かれていた宮殿を歴代のカスティーリャ王が増改築を行い、16世紀頃に現在の姿になりました。

トレド大聖堂の東側にあり、現在は博物館としても利用されています。

エル・グレコ美術館

ここではトレドに住んでいた有名画家エル・グレコのアトリエが再現されている他、多くの作品が展示されています。

トレド大聖堂の南西約700メートルの位置にあります。

サンタ・マリーア・ラ・ブランカ教会 

12世紀から13世紀にかけて建設されたシナゴーグです。

この教会は随所にイスラム風の建築様式が採り入れられた、ムデハル式と呼ばれる建築様式で作られています。

サン・フアン・デ・ロス・レージェス修道院 

15世紀末に建設された修道院で、ゴシック式とムデハル式の混交様式となっています。

この修道院は、イザベル1世の王位継承争いを勝利して作られたそうです。

アラゴン王フェルナンド2世と結婚したイザベル1世でしたが、この結婚は完全な政略結婚であった為、アラゴン派以外にもフランス派、ポルトガル派などの諸派が存在しており、反イザベル派との間では軍事衝突も起きたのです。

この戦いをトロの戦いといい、その勝利を記念して作られたのがこの修道院です。

役立つ情報&豆知識

こちらでは古都トレド観光に役立つ情報や豆知識をお伝えします。

トレドの名物料理

トレドは肉料理が有名なところで、名物料理も肉料理ばかりです。

ボリュームも満点で、お店によっては1人では食べきれない量が出てくることもあります。

・カルカムサス

豚肉とチョリソー(辛味ソーセージ)、グリンピースをトマトソースで煮込んだ料理です。

この材料だけ見てもわかるかもしれませんが、とても美味しいです。

トマトソース煮込みは普段日本でも食べる事があるからでしょうか。

どこのお店で食べてもハズレの無い一品です。

・コチニージョ

コチニージョは仔豚の丸焼きです。

お皿で出てくるときも豚の形のまま出てきますので、見た目が苦手・・・という方もいるかもしれません。

ですが、皮はパリパリ、肉はジューシーというありきたりの言葉がぴったりなコチニージョの味は非常に美味しく、やはり日本人の舌にも合う一品です。

最後に

いかがでしたか。

これをきっかけに古都トレドに興味を持って頂けたなら幸いです。

スペインに1日しかいないなら迷わずトレドに行けと言われるトレドは、モスク、教会、シナゴーグの混ざり合うエキゾチックな町です。

今回ご紹介した建物以外にも数多くの歴史的建造物があります。

首都マドリードからもバスで1時間~1時間半、電車では30分程度で訪れる事もできるため、マドリードとセットで訪れる方が多いです。

料理も日本人の舌に合うものが多いですし、お土産品も豊富です。

女性へのお土産でしたら象眼細工のアクセサリーなどが良いのではないでしょうか。

マドリードから日帰りも十分可能なトレドですが、やはり宿泊してゆっくり町を見て回る方がその魅力を満喫できると思います。

トレドに宿泊するならお勧めはパラドールです。

パラドールというのは、スペインの国営宿泊施設なのですが歴史的建造物を改装している事が多く、トレドのパラドールも非常に人気があります。

シティビューのツインルームで1泊14000円程度ですので、値段もお手頃です。

マドリードまでお越しの際には、是非トレドへのご旅行もご検討下さい!