翻訳(Language Change)

スペインの世界遺産!アランフェスの文化的景観の魅力を徹底解説!

今回ご紹介するのは世界遺産、スペインの「アランフェスの文化的景観」です。

皆さんはアランフェスの文化的景観についてご存じでしょうか。

アランフェスの文化的景観はスペイン中央部の町、アランフェスにあるスペイン王室の王宮とその周囲の庭園、町並みの事を指しています。

そんなアランフェスの文化的景観の魅力について、歴史を踏まえながらご紹介していきたいと思います。

アランフェスの歴史

世界遺産となっているスペイン王室の王宮と庭園があるアランフェスですが、その起源ははっきりとしていません。

バスク語で谷という意味を持つ言葉である「アラン」に由来しているという説もあればアラビア語のクルミの生える土地という意味を持つ言葉「イブン・アランケジュ」に由来しているという説やラテン語でジュピターの神殿を意味する「アラ・ヨウィス」に由来しているという説もあります。

はっきりとしているところでは、7世紀に現在のアランフェスが初めて文献に現れた時の名前は「アラウス」または「アランス」と呼ばれており、その後「アランス・エケ」という名前を経て、16世紀以降に「アランフェス」に定着したということです。

11世紀にカスティーリャ王国のアルフォンソ6世がアランフェスの南西にある重要な町、トレドを征服した後は、イスラム教国家であるタイファ諸国とカスティーリャ王国の間でアランフェスをめぐって何度も戦いが起こりました。

西暦1178年、長い戦いの末アランフェスはカスティーリャ王国によって征服され、一帯の土地はサンティアゴ騎士団に下賜されました。

サンティアゴ騎士団は、サンティアゴ・デ・コンポステーラに聖遺物がある、イベリア半島の守護聖人、聖ヤコブを奉ずる騎士団でカスティーリャ王国、レオン王国の保護の下にイスラム教勢力との戦いのために創設された騎士団です。

15世紀末から16世紀初頭にかけて、他に2つあった有力な騎士団(アルカンタラ騎士団、カラトラバ騎士団)とともにスペイン王国の管理下に置かれるまでの間、アランフェスはサンティアゴ騎士団の領地でした。

3騎士団がスペイン王国の管理下に入ると、アランフェスはスペイン王室の領地とされます。

西暦1561年にはスペイン王国の最盛期の王、フェリペ2世の命によってアランフェスに宮殿が建設されることになります。

それまでスペイン王国の都は北西部に近いヴァジャドリードにありましたが、よりイベリア半島の中央に近いマドリードに都が移されましたのです。

フェリペ2世はスペイン・ハプスブルク家の最盛期に君臨した王で、スペイン王国だけでなく、ミラノ公国、ナポリ王国、シチリア王国、イングランド王国、ポルトガル王国、ネーデルランド17州、そしてアメリカ、アフリカ、アジアに広がる広大な海外植民地の王でもありました。

フェリペ2世はハプスブルク家の出身ですので、場合によっては神聖ローマ帝国皇帝位とローマ王位、オーストリア大公位、ボヘミア王位、ハンガリー王位も併せて継承する可能性もあり、歴史にもしはありませんが、もし、そうなっていれば、この時代にヨーロッパのほぼ全土を統一する巨大な帝国が出来上がっていた可能性もありました。

実際には東方領土と神聖ローマ皇帝位は叔父のフェルディナント1世が継承したため、スペイン・ハプスブルク家とオーストリア・ハプスブルク家に分化しました。

フェリペ2世が建設を命じたアランフェスの王宮は、約200年の年月をかけて18世紀に完成します。

しかし、首都機能がマドリードにあって久しく、アランフェスには王族と王宮の使用人以外が移り住むことはありませんでした。

アランフェスの宮殿

アランフェスの宮殿は、真西を正面として左右対称になっている宮殿です。

王宮手前の広場である、コロネレス広場から王宮側を見ると、木立の間の遙か遠くに王宮の姿を見る事ができます。

ルネサンス式とバロック式の混交様式の宮殿ですが、僅かながらイスラム建築の影響をうけている部分もあります。

宮殿正面のファサードに設けられているイーワーンはその一部です。

宮殿の内部は写真撮影が禁止されているため、なかなか内部を見たことがある方はいらっしゃらないかもしれませんが、このアランフェスの宮殿はスペイン王室の別荘として使用されていたため、歴代の王様の趣味、嗜好が色濃く繁栄されています。

アラブの間と呼ばれる部屋にある巨大なシャンデリアは、煌びやかな内装と一体化して、当時ろうそくの火を灯した時にはどんな雰囲気だったのかと思わずにはいられません。

磁器の間と呼ばれている部屋は、部屋一面が中国製の陶磁器で覆われていて、見る者を圧巻します。

東洋の陶磁器は、当時ヨーロッパの富裕層の間で大流行していました。

かつてはチャイナと言えば陶磁器、ジャパンと言えば漆器を表していた時代もあったほどです。

別荘とはいえ、王宮の玉座の間はやはり絢爛豪華な調度品で彩られています。

赤と金を貴重としたこの部屋からはヨーロッパ最大の大帝国の権勢が感じられます。

アランフェスの庭園

アランフェスの王宮はその庭園も世界遺産に認定されています。

王宮の脇を流れるタホ川と組み合わされたその庭園は訪れる人々の憩いの場となっています。

王宮の真裏にあるバルテレ庭園が、北側にはイスラ庭園が広がっています。

イスラ庭園の入り口には川を利用したカスケードがある他、各所にヨーロッパらしい噴水がいくつもあります。

お役立ち情報

こちらではアランフェス観光に役立つ情報や豆知識をお伝えします。

アランフェス名物

アランフェス一帯ではアスパラガスとイチゴが名産品となっています。

アランフェスのレストランに入って、アランフェスで有名なものが食べたいと伝えると必ず出てきます。

アスパラガスはメインディッシュではありませんが、結構な量が出てきますのでご注意を。

デザートはもちろん名産のイチゴです。

アランフェスのイチゴはスペインで最上級とされているため、他の産地のイチゴと比べて数倍は数倍です。

最後に

いかがでしたか。

これをきっかけにアランフェスの文化的景観に興味を持って頂けたなら幸いです。

アランフェスはもともとフェリペ2世が王宮として建設を命じましたが、フェリペ2世をはじめとする歴代のスペイン王がこの王宮に住むことはありませんでした、

もっぱら避暑地や保養地として利用されたため、アランフェスの王宮は政治的中心地となる事も無く、戦火にさらされることもありませんでした。

それが逆に純粋な文化遺産としての価値を高め、結果として現代の私達に当時のスペイン王室の私生活を知らせてくれる事になっているのです。

アランフェスはマドリードから1時間で着きますので、日帰りで訪れるにはぴったりの観光地です。

スペインの首都、マドリードに起こしの際には、是非アランフェスへも足をお運び下さい!