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危機遺産からの脱却!世界遺産ガラパゴス諸島をご紹介!

ガラパゴスと聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

ゾウガメでしょうか、イグアナでしょうか?皆さんそれぞれ思い浮かべるものはさまざまでしょう。では「ガラパゴス化」や「ガラケー」という言葉に聞き覚えはありますか?これは“時代遅れ”であるという意味と誤解されることもありますが、そうではありません。

ガラパゴス諸島のように限られたスペースで特殊な文化が育まれることを比喩して「ガラパゴス」という言葉が使われます。

独自の生態系を持ち、一時期はかのダーウィンでされ魅了されたガラパゴス諸島。知っているようでまだまだ知らないことも多いこの諸島について今回はご紹介します。

ガラパゴス諸島について

ガラパゴス諸島と聞いてすぐに位置がわかりますか?

ガラパゴス諸島はエクアドル共和国領土です。エクアドルの西側に位置する諸島です。エクアドルからその距離は約1000キロメートルで、ちょうど赤道直下にあたります。

人は住んでいますが、全ての島にではありません。現在約3万人が4つの有人島に暮らしています。

名称について

ここまで周知の通り、ガラパゴス諸島という名前には皆さんにとって馴染みのある名称ですが、ガラパゴスという言葉に意味があるということをご存知ですか?

実はこの名称、ガラパゴス諸島の象徴的な存在であるゾウガメから由来しています。

スペイン語で「ガラパゴ」とは“ゾウガメ”や“馬の鞍”という意味があります。大きな甲羅を背負ったその姿が馬の鞍に似ていることから「ゾウガメ=ガラパゴ」と名付けられたと言われています。

辻褄は合いますが、日本人の感覚では象のように大きなカメが「馬の鞍」に似ていたために「ゾウガメ」という名前が島に名付けられた、と言われると少し混乱してしまいますね。

またさらに、南米大陸を発見したクリストファー・コロンブスから取って、ガラパゴス諸島は「コロン諸島(コロンブスの群島)」という別名も持っています。

ガラパゴス諸島を構成する島

ガラパゴス諸島はその名の通り、一つの島ではなく数々の島の集合体です。島々は大小さまざまで、目に見える大きさのもので19の島、その他全て合わせると123の島々から構成されています。

以下が19の島の名称です。(50音順)
普段は「ガラパゴス諸島」と一括りにされてしまっているので、この機会に少し目を通しておくとおもしろいですよ。

• イサベラ島
• ウォルフ島
• エスパニョラ島
• サン・クリストバル島
• サンタ・クルス島
• サンタ・フェ島
• サンチャゴ島
• セイモア・ノルテ島
• ダーウィン島
• トルトガ島
• バルトラ島
• バルトロメ島
• ピンソン島
• ピンタ島
• フェルナンディナ島
• プラザ島
• フロレアナ島
• ヘノベサ島
• マルチェナ島
• ラビダ島

生態系について

冒頭でも少し触れましたが、「ガラケー」や「ガラパゴス化」という言葉に代表されるように、閉ざされた領域で独自の進化を遂げてきたのがガラパゴス諸島です。

閉ざされた領域という部分を見て「井の中の蛙」「時代遅れ」「古くさい」というイメージが先行することありますが、それは決して正しくありません。

ガラパゴス諸島の生態系は、この諸島の外では決してお目にかかれない独特なものです。では、なぜそのような状況が生まれてしまったのでしょうか?その謎を紐解くには、地経学の観点からガラパゴス諸島の歴史を振り返る必要があります。

「大陸島」と「海洋島」という言葉をご存知でしょうか?現在の世界地図に見える世界の大陸図は地球誕生当時と違い、地殻変動によりもともと一つの大陸だったものが割れて離れてしまったことで今の大陸の形が出来上がりました。

この地殻変動の過程で、もともと大陸であったものが切り離されて最終的に島となったものを「大陸島」といい、地殻変動以前からすでに単体の島であり、一度も大陸に触れたことのないものを「海洋島」と言いますが、ガラパゴス諸島は後者の海洋島に属します。

海洋島は主に海底火山やサンゴ礁の隆起によってできたと考えれています。

そのため、もともと海底だったものが海面にできてたものであり、かつ大陸とつながったことがないため、海洋島の生態系は偶発的に漂着した生物や、その付近に生息していたものが棲み着くことになります。

また空からくる海鳥などが生息するのもそのためです。ガラパゴス諸島が生まれた頃からすでに周囲から隔離されていたために、とても特殊な生態系を育む温床となったのです。

動物について

ガラパゴス諸島に棲息する動物は主に爬虫類と海鳥で、全て固有種です。

ガラパゴス諸島に大陸から吹きつける貿易風や、諸島の位置により生み出される海流により海鳥や爬虫類、海洋生物がガラパゴス諸島に流れ着いたと考えられます。

また周辺に産み付けられた卵が海流に乗って諸島に漂流した可能性もあります。いずれにしてもとても長い長い時間をかけて子孫を育んできたのです。

・ガラパゴスゾウガメ
・ガラパゴスペンギン
・ガラパゴスリクイグアナ
・ウミイグアナ
・ヨウガントカゲ
・ガラパゴスアシカ
・ガラパゴスオットセイ
・ガラパゴスカツオドリ
・ガラパゴスグンカンドリ

植物について

ガラパゴス諸島は500万~1000万年前に誕生したとされており、その要因は海底火山活動だと言われています。

先述の通り、一番近いエクアドルからでも1000キロメートルも離れており、また誕生方法を鑑みても、もともと植物がガラパゴス諸島に存在したとは考えにくいです。

大陸から吹き付ける貿易風によりシダやコケなどの胞子、被子植物の種子が運ばれてきた可能性は高いですが、実は現在ガラパゴス諸島に生息する植物がどのようにガラパゴス諸島にたどり着いたのか、未だ謎が多く解明されていません。

ダーウィンと『進化論』

ガラパゴス諸島を語る上で欠かせないのが、イギリス人学者でのちに「進化論」を唱えることになるチャールズ・ロバート・ダーウィンです。

当時22歳だったダーウィンはビーグル号に乗り込み、動植物の観察や化石調査などに参加していました。そして1835年、ついにガラパゴス諸島に到着します。

ガラパゴス諸島での5週間の滞在は『ビーグル号航海記』に記されていますが、その中でダーウィンはガラパゴス諸島を「南米の衛星」だと書き記しています。ガラパゴス諸島の独特で特異な生態系に気づいたのです。

そして若かりし頃のこの経験が、ダーウィンによる『種の起源』の出版へ繋がります。

ガラパゴス諸島の特異な生態系とそこに至るまでの生態系の順応力や変化への耐性を目の当たりにしたダーウィンは、進化の仕組み要因などを「自然選択」という言葉とともに科学的に説明したのです。

この『自然選択説』は進化生物学において現代のの礎となっているのは言うまでもないでしょう。

最後に

1978年世界自然遺産に世界で初めて登録されたガラパゴス諸島は、2007年に重大な危機にさらされ価値を失いかけている世界遺産として危機遺産リストに入れられてしまいます。

有名になったが故に増えた観光客や外来種が生息しだしたこと、また海洋資源の乱獲が主な要因でしたが、エクアドル政府の賢明な努力により、2010年にガラパゴス諸島は危機遺産リストから脱却することに成功しました。

ダーウィンが書き記したように、まるでその生態系が必死に世代を育んできたように、ガラパゴス諸島そのものも必死に生きています。もちろん地球は人間だけのものではなく、地球上に生息する動植物や生物全てのものです。

珍しい部分に焦点が当たりがちなガラパゴス諸島ですが、私たちに命の大切さとその命を後世に残していくことの重要性を再認識させてくれます。