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オランダの天国の本屋!世界で最も美しい本屋ブックハンデル・ドミニカーネンとは?

「世界で最も美しい本屋:天国の本屋」とイギリスのガーディアン紙から評された本屋がオランダにあるのをご存知でしょうか?

オランダ南部の都市マーストリヒトにある「ブックハンデル・ドミニカーネン」という本屋で、本屋なのにこの街の有名観光スポットの一つとなっています。

その秘密は、外は教会、中は本屋というギャップにあります。この本屋は、700年以上前に建てられたキリスト教ドミニコ会の教会をそのまま利用しているのです。

この教会は1794年のナポレオンとフランス軍の侵攻により教会として使われなくなった後、自転車置き場や倉庫として利用されていたのですが(かなり勿体無い使い方ですよね)、2006年に本屋として生まれ変わり、現在はマーストリヒト最大の本屋として市民の生活を支えています。

教会の建物自体がとてもシンプルなつくりなので派手さや豪華さはありませんが、教会と本屋というギャップが不思議な雰囲気を醸し出しているここは、行ってみる価値のある観光スポットです。今回はこの本屋の見どころやオススメの過ごし方を紹介します。

書店内の見どころ

この教会の第一の見どころは天井に残されているモザイク画です。今残っている天井画のほとんどは1619年前後にジャン・ヴァッセンによって追加で描かれたものですが、中には1337年に描かれたとされる哲学者トマス・アクィナスの天井画も現存しています。

18世紀後半のフランスの侵攻を受けた後はしばらく放置されていたため、天井画はかなり損傷していたそうですが、19世紀にVictor de Satuerという人物によって天井画を覆っていた石灰層が除去されました。その際に彼が模した天井画の写し絵が残っており、現在見ることの出来る天井画はその絵を元に修復を施されたされたものだそうです。

修復されていても、天井画からはかなりの年季が感じられ、教会の長年の歴史を垣間見ることができます。

また、教会という歴史ある建築物の内装と、三階建になっているモダンでシックな本棚のコントラストも魅力の一つです。

本棚はほぼ黒に近いダークブラウンで統一されており、ぎっしりと本が並べてあります。教会内部の落ち着いた白壁と高さのある空間に、右側の壁に沿って並んだダークトーンのシンプルな本棚、さらにそこに並ぶカラフルな本の表紙や背表紙はなんとも不思議な光景を作り出しています。

本棚の三階部分からは、教会の窓の装飾を間近で見ることが出来ます。この教会の窓ガラスはステンドグラスではなく無色のシンプルなものですが、それでも日の光に当たってキラキラと輝く窓ガラスは美しく、どことなく落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

夕方や陽が沈む頃にはガラスが空の色を反映して青や紫がかって見えるので、それもまた美しいです。

この本屋の奥、教会の元教壇部分は現在カフェになっており、コーヒーやお菓子などを楽しみつつ休憩することができます。観光の合間に立ち寄って休憩するのもいいでしょう。

また、このカフェの中央には大きな白いテーブル席が配置されているのですが、実はこのテーブル、十字架の形になっているのです。

本棚の三階部分からは、ダークブラウンの床から浮き上がっているように見えるこの十字架型のテーブルとシャンデリアの眺めを堪能できます。

大変シンプルな景観なのですが、教会自体とマッチして荘厳な雰囲気を醸し出しているシャッタースポットです。人が多いとごちゃごちゃとして雰囲気が削がれてしまうため、利用客が少ない午前中などに是非眺めて欲しいところです。

書店内のオススメの過ごし方

この本屋、立ち寄って内装を見るだけでもいいのですが、せっかくならばそれ以外も楽しんで欲しいところです。というのも、この書店には本だけでなく、CDやDVDなどの音楽メディアの品揃えも充実しています。

特にクラックや教会音楽の分野に特化しているそう。教会音楽のCDなんて日本ではあまりお目にかかる機会はないと思うので、旅の記念に買って見るのもいいかもしれません。

また、本棚の上階部分には中古本のセクションもあります。特に、料理本や大型の美術本、演劇や映画についての中古本が多く揃っています。

9割オランダ語の本なので内容はわかりませんが、料理本などはカラフルなものが多く、見ているだけでもウキウキした気分になれます。インテリアとしてもおしゃれですので、小さな本であれば女性向けのお土産にもなるでしょう。

そして、海外の本屋での楽しみの一つといえば、日本に関する本を見つけてみることでしょう。

その中でも特に興味深いのは観光ガイドの本と日本語学習の教材本です(2016年に筆者がこの書店を訪れた際は、観光ガイドはもちろん、日本語の教材も少数ですが売ってありました)。

観光ガイド本は、物によっては古めの写真などが使ってあるものも多く、現在とのギャップに笑いがこみ上げてきます。

日本語教材本も、使ってある例文などを冷静に読んで見ると変な言い回しだったり、日常生活ではあり得なさそうなシチュエーションだったりと、面白い発見があったりします。

時間に余裕がある場合は、是非カフェで休憩しながらこれらの本を覗き見されることをオススメします。

アクセス・営業時間

みなさん、マーストリヒトまでは電車で移動する場合がほとんどだと思います。マーストリヒト市内はコンパクトで観光名所も旧市街地付近に集中しているので、移動に困ることはありません。

マーストリヒト駅からドミニカーネン書店までは市バス利用、または徒歩で行くことができます。市バスであれば駅前の乗り場から3・7・9番のどれかの市内循環バスに乗り、Helmstraatバス停で下車すれば本屋までは徒歩60メートルほどです。

この書店は、街の中心地で観光スポットが集中するフライトホフ広場(Vrijthof)からも徒歩5分かからないので、周辺の観光スポットを見た後に立ち寄ることも十分可能です。

駅からドミニカーネンやフライトホフ広場までは徒歩20分弱で到着するので、天気がよければ歩いて行くのもいいでしょう。駅と市内中心部は川を挟んでいるため橋を渡ることになりますが、徒歩であればその橋から両岸の街並みの眺めを楽しむことができます。

ブックハンデル・ドミニカーネンは基本的に毎日オープンしています。2018年4月現在の基本的な開店時間は9時~18時(月曜は10時~、木曜は~21時、日曜は12時~)です。

それ以外にも、クリスマスやイースター、その他の祝日の一部、イベント開催の場合は店休日となっているので、この書店目的でマーストリヒトに行く場合は念のため事前に書店のホームページで確認しておくといいでしょう。

マーストリヒトはオランダで最も歴史ある街としても知られています。ドミニカーネン以外にも由緒ある教会や博物館など見所がたくさんあります。オランダの王道観光地をある程度制覇した人にはオススメの観光都市です。

最後に

世界で最も美しい書店の一つに選ばれたブックハンデル・ドミニカーネン。

キリスト教ドミニコ会の教会の内部を改装して2006年にオープンしたこの書店は、歴史ある教会の建物とシックでモダンな内部のコントラストが不思議な景観を生み出しています。

天井に残されている長い歴史を感じさせるフレスコ画もこの書店の見どころの一つ。書店奥の元教壇部分はカフェスペースになっており、本を読みながらゆっくりとした時間を過ごすことができます。

新品の本のみならず、CDやDVDなどの音楽メディア、中古本の販売もされています。旅の記念としてCDやカラフルな中古本を買ってみるのもいいでしょう。

また、日本についての観光ガイドブックや日本語学習教材などに目を通しながらカフェでゆっくりするのも面白い過ごし方です。

マーストリヒト駅からドミニカーネンまでは市内循環バス、または徒歩でアクセスすることができます。開店時間に多少差はありますが、基本的に毎日オープンしています。

クリスマスなどの祝日やイベントの際には店休日となることもあるようなので、必ず中に入りたい場合は事前に公式ホームページで確認しておくと安心です。

教会と本屋が融合している世界的にも珍しい書店であるブックハンデル・ドミニカーネン。この書店以外にもマーストリヒトには歴史ある観光スポットが点在しています。旅行の時間や日程に余裕がある際は、是非マーストリヒトにも足を伸ばして見てはいかがでしょう?