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エジプトのシナイ山に潜む世界遺産!荒涼とそびえたつ山々の中に、神聖な雰囲気を醸し出して佇んでいる聖カトリーナ修道院地域をご紹介!

皆さんはモーゼという人の名前を聞いたことがあるでしょう。

「モーゼ」といえば「十戒」、「十戒」といえば「モーゼ」とセットで覚えている方が大半だと思います。そのモーゼが十戒を授かった場所が、標高2285mにも及ぶシナイ山。

その名称にははまさに「モーゼの山」という意味があります。そして今回ご紹介する世界遺産は、エジプトのシナイ半島南シナイ県にあるそのシナイ山に位置する聖カトリーナ修道院です。

2002年に登録されたこの世界遺産は、世界最古の修道院と言われており、正教系のキリスト教修道院ではありますがユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地としてそれぞれの教徒が世界各国から訪れるスポットとなっています。

6世紀にローマ・ビザンチン皇帝ユスティニアヌス1世によって建築されたこの聖カトリーナ修道院は、その名を文字通り女聖人カトリーナから由来しています。

聖堂の外側には花崗岩で作られた防壁が、内側にはモーゼ由来の燃える柴の礼拝堂や聖カトリーナの遺骸があるとされる教会堂がある、神聖なビザンチン建造物です。

この修道院はいまだ機能しているものであり、祈りを捧げることが可能です。もし普段礼拝をされるのであれば、ここで礼拝をしない手はないでしょう。

修道院図書館

聖カトリーナ修道院を訪れた際に必ずチェックしたい場所が、『修道院図書館』です。

コンスタンティヌス帝の命により書かれた4世紀頃の聖書写本である「シナイ写本(または文書ともいう)」に代表される古代写本を含めた貴重な書物の宝庫となっており、ここに置かれている書物は今見つかっているものだけでも3000冊を超え、今後さらに新しい写本が発見される可能性もあります。

これはバチカン図書館に次いで世界で2番目に多い蔵書数であり、その多くがギリシャ語、コプト語、アラビア語、アルメニア語、ヘブライ語、古代シリア語で書かれているのが特徴的です。

イコン・ギャラリー

聖カトリーナ修道院にはイコン・ギャラリーも残っており、5〜6世紀の間は初期イコン作品の拠点とされていました。また旧約聖書を題材とした最古のイコンの保管場所ともされていました。

主聖堂であるワシリカや複合施設にギリシャとロシアのイコン、蝋画法による絵画、司祭の装身具、聖餐杯や聖遺物箱など貴重な美術品が保管されていた貴重な場所で、こちらもぜひ訪れておきたいスポットです。

シナイ山からご来光を拝顔

聖カトリーナ修道院地域を訪れた際に訪れないわけにはいかない、いや見ないわけにはいかないものがこれ、息を呑むほど美しい『シナイ山からのご来光』です。

これ以上ないほど神聖な場所で、大自然の神秘的な姿を拝める、これだけでもこの地を訪れる価値があるというものです。
ご来光とはいっても、太陽が登り始めるのは実は真夜中頃です。

聖カトリーナ修道院付近のゲートから出発してご来光が見えるところまで登り切るのに、2時間半〜3時間ほどかかります。

登山自体はそれほど厳しいものではありませんが、登頂が真夜中であることとその標高から気温差が激しいので、防寒はきちんと対策しておく必要があります。

どうしても登頂が苦手な場合はところどころ、特にゲート付近で見かけるラクダに乗り登ることも可能ですが、やはりできるかぎり自身の足で登りたいですね。

夜明け前であることと人口的に作られたものが周りに極端に少ないことから、この時間に空に見える星の眺めはこれまで見たことがないほど格別なものとなります。

星の集合体というより、その姿はもはや「天の川」と表現しても過言ではないほどです。いくら写真でみても実際に生でみるものには到底及ばないので、聖カトリーナ修道院を訪れる際には必ずプランに組み込むようにしてください。

聖カトリーナ修道院地域伝説1:モーゼの十戒

紀元前13世紀前後、奴隷労働者として虐げられていたヘブライ人であったモーゼがとあることから主のエジプト人を殺害したことから、当時逃げた先のシナイ山麓で暮らしていましたが、
ある日突然柴が燃え上がり、モーゼはその炎の中に現れた天使に「ヘブライ人をカナンの地に導くよう告げられます。これがモーゼ由来の燃える柴の礼拝堂の由来です。

指導者となったモーゼを筆頭にヘブライ人がエジプト退却を画策しますが、それを認めないエジプトのファラオに感化され怒った神が、ヒョウを降らせたり、病気を撒き散らすなど「十の災い」をもってヘブライ人を戒めようとします。

それをもってしてもエジプト退却を実現させたヘブライ人でしたが、その後を追ってきたファラオの軍隊に追い詰められてしまいます。紅海のほとりに追い詰められた時、モーセが振り上げた杖により背にあった海が割れ、ヘブライ人たちは無事にシナイ半島へと到着することができました。

しかしここでも神が登場し、かの「十戒」をシナイ山頂上の石に刻むのです。
第1戒 わたしのほかに、ほかの神々があってはならない
第2戒 偶像を造ってはならない
第3戒 主の御名を、みだりに唱えてはならない
第4戒 安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ
第5戒 あなたの父と母を敬え
第6戒 殺してはならない
第7戒 姦淫してはならない
第8戒 盗んではならない
第9戒 偽りの証言をしてはならない
第10戒 あなたの隣人の家を欲しがってはならない

これはいわゆる神との契約であり、その契約書とも言える石を入れた箱は「聖櫃」とも呼ばれ、光輝き出したと言われています。ヘブライ人はこの聖櫃を先頭にしながらカナンを求めて旅を続けました。

聖カトリーナ修道院地域伝説2:聖カトリーナ

エジプトのアレクサンドリアでカトリーナが生まれたのは3世紀の末期。

イエス・キリストと夢の中での婚約を結んだことから、キリスト教へ改宗しましたが、当時ローマ帝国に支配されていたエジプトでは、キリスト教は弾圧対象であったため、カトリーナは処刑されてしまいます。

最終的には斬首の刑に処せられましたが、諸説にはもともと予定されていた車輪刑が頓挫したためとも言われています。

しかしこの処刑が行われた後、奇妙なことが起こりました。処刑されたはずのカトリーナの遺体が忽然と姿を消したのです。

そしてこの遺体が発見されたのはシナイ山麓。その時はすでに8世紀末でした。天使がカトリーナの遺体をシナイ山まで運んだというのが今なお語り継がれる伝説です。

最後に

荒涼とそびえたつ山々の中に、神聖な雰囲気を醸し出して佇んでいる聖カトリーナ修道院。

まさに独特な雰囲気をもつその地域一帯からは歴史を、大自然の偉大さを、そして伝説を肌で感じることができます。

まず訪れる前に歴史や伝説の予習復習をきちんとして、事前準備を万全にしておくことで、聖カトリーナ修道院への旅が唯一無二の経験となります。またとない体験をぜひお楽しみください。