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イギリスの世界遺産!歴史から見るブレナム宮殿の魅力に迫る!

 

今回ご紹介するのは世界遺産、イギリスの「ブレナム宮殿」です。

皆さんはブレナム宮殿についてご存じでしょうか。

ブレナム宮殿はイギリス南部のオックスフォード郊外、ウッドストックにあるバロック式の宮殿で、初代マールバラ公ジョン=チャーチルという人が当時の女王から下賜され、代々のマールバラ公爵の邸宅として使用されていた建物の名前です。

そんなブレナム宮殿の魅力について、歴史を踏まえながらご紹介していきたいと思います。

ブレナム宮殿の歴史

この宮殿は、スペイン継承戦争中の西暦1704年にあったブレナムの戦い(ブレンハイムの戦い)で勝利した事を讃えて、当時のイングランド女王アンから初代マールバラ公爵のジョン・チャーチルに下賜された宮殿です。

イングランドのアン女王はステュアート朝最後の王で、最初のグレートブリテン及びアイルランド連合王国の女王でもあります。

ブランデーをこよなく愛したことからブランデー・ナンという愛称で呼ばれることもあります。

初代マールバラ公爵となったジョン・チャーチルは、Vサインで有名な第二次世界大戦時のイギリスの首相チャーチルの先祖で、イギリスのダイアナ元皇太子妃の先祖でもあります。

ジョン・チャーチルは一代で貴族の最高位である公爵にまで上り詰めたほどの人物で、ブレナム宮殿を下賜されたのはブレナムの戦いに勝利した功績によるものでした。

宮殿の名前もこの戦いに由来しています。

スペイン継承戦争は、西暦1701年から西暦1714年までヨーロッパの各地で行われた戦争で、この戦争の原因は継承者の途絶えたスペイン王位を巡ってフランス王国とオーストリア=ハプスブルク家の間で起こった戦争です。

スペイン王位を巡る2国の思惑と、周辺諸国の利害が交差して多くの国を巻き込む大戦争となりました。

この戦争に参加したのべ人数は両軍合計で50万人を越え、当事者のフランス、オーストリア、スペインだけでなく、イングランド、オランダ、プロイセン、バイエルンなどの英独諸侯の他、バレンシア、ナバラ、カタルーニャ、バスクなどのイベリア諸侯、サヴォイア公国とハンガリー貴族まで巻き込んで、ヨーロッパ全土と北アメリカで多くの戦いが発生しました。

ブレナムの戦いは西暦1704年に発生した戦いで、この当時のイングランド・オーストリア=ハプスブルクは危機的な状況に立たされていました。

神聖ローマ皇帝位を狙っていたバイエルン選帝侯マクシミリアン2世エマヌエルがフランス王国と手を結び、神聖ローマ帝国のベルギー(南ネーデルラント)総督だったにも拘わらず、フランス軍のベルギー進駐を認め、ウィーンに向けて侵攻を始めた時期だったのです。

またこの頃フランス王国の資金援助によってハンガリーではトランシルヴァニア公爵のラーコーツィ・フェレンツ2世が率いる反ハプスブルクの反乱が発生し、神聖ローマ帝国は東西に軍事危機を抱える状況となっていました。

この危機的状況を打破するためにイングランドは大陸に増派を行い、神聖ローマ帝国軍と合流して、バイエルン・フランス連合軍に挑んだ決戦がブレナム(ブレンハイム)の戦いです。

この時のイングランドの指揮官がジョン・チャーチルです。

神聖ローマ帝国の指揮官は有名なプリンツ・オイゲンでした。

歩兵数、野砲数ともに劣るイングランド・オーストリア連合軍でしたが、終ってみればイングランド・オーストリア連合軍の死者4500人、負傷者6000人に対してバイエルン・フランス連合軍は死者20000人、生き残った兵士もほぼ負傷し、14000人が捕虜となりました。

この勝利を契機として戦局を有利に進められたオーストリア側は、最終的にスペイン国王フェリペ5世のフランス王位継承権を放棄させることに成功するのでした。

ところで、さきほどブレナム宮殿はアン女王から下賜されたとお話しましたが、実際には宮殿を譲ったのではなく、ジョン・チャーチルが受け取ったのは2000エーカー(810ヘクタール)を超える広大な土地と、宮殿の建設費用24万ポンドです。

庭園と宮殿が完成するまでには20年近い年月がかかり、西暦1722年にやっと完成しました。

ブレナム宮殿について

ブレナム宮殿はクリーム色のライムストーンで作られているため、緑の庭園の中にあるその建物は、はるか遠くからでも目に鮮やかに映ります。

ブレナム宮殿への入り口は、正殿の正面である北側ではなくて東側の小さな門となっています。

この門にはユニオンジャックが掲げられ、門扉にはマールバラ公爵家の紋章が施されています。

宮殿の東翼の建物には時計塔が備わっていて、イングランドの象徴であるライオンがフランスの象徴である雄鶏を襲っている彫刻が施されています。

宮殿正殿のファサードにはマールバラ公爵家の紋章と2頭のグリフォンが彫られています。

屋根の上にはブリテン島の守り神であるブリタニア女神像が置かれています。

宮殿には200以上の部屋があり、華麗な装飾や豪華な調度品で彩られています。

書斎や客間、食堂などの一部の部屋は内部を見学することが可能です。

大広間にはマールバラ公爵家に縁のある人々の肖像画や写真が飾られていて、遠縁にあたるダイアナ元皇太子妃の写真も飾られています。

ブレナム宮殿はその広大な庭園も有名です。

ウォーター・テラスは中でも有名な庭園で、大きな噴水越しに宮殿が見える場所は観光客に一番人気があるスポットです。

ブレナム宮殿にはウォーターテラスの他にも、幾何学模様が美しいイタリアンガーデンや、自然の姿を生かした風景式庭園のシークレットガーデン、バラとラベンダーが咲き乱れるローズガーデン、巨大な迷路やフィールドアスレチックがあるプレジャーガーデンなど、いろいろな庭園があります。

お役立ち情報

こちらではブレナム宮殿観光に役立つ情報や豆知識をお伝えします。

マールバラ公爵家

ジョン・チャーチルに始まるマールバラ公爵家は現在でも続いていて、イギリスの大貴族となっています。

マールバラ公爵家の当主はマールバラ公爵位以外にも多くの爵位を兼ねていることでも知られています。

マールバラ公爵位以外に所有する爵位は、ブランドフォード侯爵位、サンダーランド伯爵位、スペンサー男爵位、チャーチル男爵位と、マールバラ公爵位の従属爵位であるマールバラ伯爵位です。

現在の当主は12代マールバラ公チャールズ・スペンサー=チャーチルという方ですが、この方は若い頃には薬物中毒になったり懲役刑で刑務所に収監されたりと、スキャンダラスな行動が話題となったこともあります。

最後に

いかがでしたか。

これをきっかけにブレナム宮殿に興味を持って頂けたなら幸いです。

ブレナム宮殿とマールバラ公は日本では知名度は高くありませんが、その美しい宮殿と豪華な内装は、当時のイギリスとしては珍しい建築様式で建てられていることもあり、多くの観光客が訪れています。

人によってはこの宮殿は庭園が楽しいから、最初にさっさと宮殿を見て回って、後の時間は庭園でのんびりすごす方がいいよ、という方もいらっしゃいます。

確かに6月頃のローズガーデンでバラが咲き乱れる姿は見事なものですし、プレジャーガーデンの迷路で子供と一緒に迷うのも楽しい事でしょうね。

ブレナム宮殿はオックスフォードからバスで20分程度ですので、ロンドンからでも日帰りで訪れることが可能です。

イギリスへお越しの際には、是非ブレナム宮殿へも足をお運び下さい!