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アルゼンチンにそびえ立つ神秘的な氷河の世界遺産!ロス・グラシアレス国立公園をクローズアップ!

アルゼンチンにそびえ立つ神秘的なロス・グラシアレス国立公園。氷河は地球上に数多くありますが、様々な理由からロス・グラシアレスは世界に2つとない唯一無二の存在です。

立地条件や気候など、奇跡とも呼べるような様々な条件の偶然の一致が織り重なってできあがった大自然のアートとも言えるロス・グラシアレスについて、今回はご紹介します。

場所

ロス・グラシアレス国立公園は、アルゼンチンのサンタクルス州パタゴニア(アンデス山脈の南端)の、2つの主要町エル・カラファテとエル・チャルテンを拠点としてます。

『エル・カラファテ』

この町はアルヘンティーノ湖に面しており、ロス・グラシアレス国立公園の南側に位置しています。ペリト・モレノ氷河、ウプサラ氷河、スペガッツィーニ氷河へ行く際はこの町を訪れることになるでしょう。

『エル・チャルテン』

この町はロス・グラシアレス国立公園の北側に位置しており、デシエルト湖、ビエドマ氷河へ行く際はこの町を訪れることになるでしょう。フィッツ・ロイ山周辺へトレッキングに向かい際は拠点として滞在する町ともなります。

氷河の種類

『ペリト・モレノ氷河』

ロス・グラシアレス国立公園で最も代表的で有名な氷河で、全長は35キロメートルにもなります。世界で唯一活発に成長を続ける氷河としても知られており、パタゴニアにある48の氷河のうち地球の温暖化にも負けず後退することなく依然として1万年以上前の氷期と同じ活動を続ける3つの氷河の1つとして存在しています。

アルヘンティーノ湖にせり出すペリト・モレノ氷河は船・トレッキング・展望台など様々な種類のツアーがあり、氷河に近いところ遠いところの両方で楽しむことができるのが最大の特徴です。ツアー方法については後ほどご紹介します。

『ウプサラ氷河』

南パタゴニア氷原からアルヘンティーノ湖に至り全長約60キロメートルにもおよぶこの氷河はロス・グラシアレス国立公園の中も最大を誇ります。

かつてはさらに20キロメートル長い氷河でしたが、ペリト・モレノ氷河と違って地球温暖化の影響を受けて後退してしまった氷河の一つです。

ウプサラという名前は、この氷河の研究を進めていたスウェーデンのウプサラ大学から名付けられました。

この氷河もクルーズ船・3時間のトレッキング、また近隣のオネージ湖を経由するなど数種類のツアーがあり、美しい氷山と森林双方の景色を楽しむことができます。

『スペガッツィーニ氷河』

崩落のペリト・モレノ氷河、長さのウプサラ氷河に対し、スペガッツィーニ氷河は高さが特徴的でその高さは最長135m(日本でいうと京都タワーと同じくらい)にもなります。

高さがあるおかげで太陽に照らされた際に色味に深みが加わることでみられる独特の光景を見るのが楽しみですね。
ウプサラ氷河のツアーで立ち寄ることもでき、近隣のセコ氷河と合わせて観光することも可能です。

ロス・グラシアレス国立公園について

・名前の由来

「ロス・グラシアレス」という名前は、スペイン語の「氷河」の複数形(Los Glaciares)の意味でその実情は「氷河群」という意味を表しています。

・大きさについて

氷床としては南極、グリーンランドに次いて世界第3位の氷原である南パタゴニア氷原の一部も含む総面積は約4500平方キロメートルに及び、大地を覆うその広大さは、東京と神奈川を合わせた面積にも匹敵します。

その美しく荘厳な氷河に代表されるように山と湖の織りなす大自然の美しいコントラストや景観の保護を目的とし、1937年に氷河とその一帯が国立公園に指定、1981年に世界遺産(自然遺産)に登録されました。

・青い氷河

広大なロス・グラシアレスの氷河は一年中積み重なるその積雪が成長してできたものですが、これだけ広大な氷河群が形成され、かつその広大さが維持されているには、パタゴニアの独特な気候と密接な関係があります。

太平洋から湿度の高い空気が標高3500mにも及ぶアンデス山脈にぶつかることで、夏でさえ雪を降らせますが、と同時に真冬でもそれほど気温が下がることなくマイナス5度前後で推移します。これにより氷河が溶けたり凍ったりを繰り返します。

さらにそこに、着々と雪が降り積もっていくというこのサイクルが半永久的に続くため、ロス・グラシアレスの氷河群はが成長を止めることなく年々その成長して大きくなるのです。

積雪量が多いため積もった雪が後から新たな雪がのしかかってくることで圧力がかかり、そのため氷河が凍結します。高圧力がかかった氷は透明で、長い時間圧縮され空気をほとんど含まず通常より気泡が少なくなります。

空気を含まない氷は青い光だけを反射させる特質があり、それ以外の色の光は全て吸収されるため鮮やかな青い色の氷河が形成されるのです。氷河はまるでコンピューター・グラフィックのように高い透明度で青く輝いており、その神秘的な姿は天然に形成されたこの世のものとは思えないほどです。

太陽の光の元に輝く昼の間も、暗めの色ながら荘厳さを醸し出す夕方の間も、どちらも違った美しさを醸し出す青色にも注目です。ロス・グラシアレスはまさに、これ以上ないほど絶妙な匙加減で生成された大自然の神秘と言えます。

・氷河の大崩落

ロス・グラシアレス氷河を訪れる際に必ず見たいもうひとつのもの、それは「氷河の大崩落」です。

先述の通り、溶けたり凍ったりを繰り返しているロス・グラシアレスはその過程で次第に高いところから低いほうへ移動していくうちに山の斜面から次第に押し出されてていきます。これがビルの高さほどの氷塊が轟音と共に一気に湖へ崩落していくのです。

巨大な氷河が、それほどの高さから美しい湖に轟音とともに崩れ落ちるそれは、大自然の力強さと荘厳さをものすごいスケールで私たちに教えてくれます。

夏季に大崩落が起きやすいため、ロス・グラシアレスの観光にとってのベストシーズンはアルゼンチンの夏季である1月〜2月です。

用意するべき物

これはロス・グラシアレス国立公園だけに限らずパタゴニアへの旅行全般に言えることですが、厳しい寒さに耐えられるよう防寒対策は綿密に練る必要があります。

それを踏まえ、防寒性と防水性を兼ね添えたウィンドブレーカーは必需品です。靴はトレッキングシューズがおススメです。

できれば氷河の上を歩くのに適した耐久性があり滑り止めとしてグリップ力の優れた靴底を持つものがベストです。また強い日差しへの対策として日焼けどめクリームやサングラスも忘れずに準備しておきましょう。

ツアーの種類と留意事項

ロス・グラシアレス国立公園はとても広大なため、氷河によって観光方法が違いますが、一般的にはツアーに申し込むのが多いです。ただしツアーは種類が豊富でみなさんの予算や観光時期、みなさんの得意な方法を鑑みてツアー方法を選択することができます。

・トレッキング

アイゼンにより青い氷河の上をトレッキング(歩く)するのが一番人気のある観光方法です。氷河を遠くから眺めるのではなく、氷河を実際に感じることができる、氷河の上を踏みしめることができるまたとない貴重な体験をぜひ味わってください。

トレッキングには「ビッグアイス」と「ミニトレッキング」の2種類がありますので、お好みの方を選択してください。

・船

船上ツアーとしてウプサラ氷河などを遊覧できるツアーです。船の上からゆっくりと壮大な自然のアートを楽しむことができるこのタイプのツアーは、まさに地球の偉大さを教えてくれます。

・展望台

おもに氷河の崩落を見学できる展望台ツアーはバス会社を経由して自力で行く方法、ツアー会社で申し込む方法があります。
1時間という限られた時間の中での見学なので、展望台ツアーのみに絞って観光する方もいます。

ツアー全般において、基本的には、エル・カラファテからの日帰りとなりますが、ロス・グラシアレス国立公園全体をたっぷりと満喫したいのであれば3日間は時間を開けておいてください。またオンシーズンにツアーがなくなってしまうこともあります。

渡航前・計画する前に必ず事前確認をお願いします。

これ以外にもキャンプ、カヌー、乗馬などアクティビティも楽しめ、パタゴニアの自然を全身で満喫できるまたとない旅となること間違いなしです!

最後に

これまで写真などでロス・グラシアレス国立公園をみたことは数多くいると思いますが、氷河群について知らない方も多くいたことと思います。

人類が創り出してきたものも美しいものであふれていますが、大自然が創り出したこの芸術の一級品に敵うことはないでしょう。訪れる時期も観光方法も一つではありません。

人生で一回だけ訪れるも良し、何回も訪れるも良し。

行けば行くほど新しいロス・グラシアレスの美しさに気付くことができる観光をぜひお楽しみください。