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アイスランドの世界遺産!シングヴェトリル国立公園に迫る!

 

今回ご紹介するのは世界遺産、アイスランドの「シングヴェトリル国立公園」です。

皆さんはシングヴェトリル国立公園についてご存じでしょうか。

シングヴェトリル国立公園は世界で最も北に位置する国、アイスランドの南西部、首都レイキャビクの東側にある国立公園の名前です。

この付近はユーラシアプレートが東に北米プレートが西に広がっているため各地でギャオと呼ばれる大地の裂け目が見ることができるので有名です。

しかし、シングヴェトリル国立公園は自然遺産ではなく、文化遺産です。

つまり、大地の裂け目が見えることや、海底山脈の頂上付近に当たることではなく、別の理由で世界遺産に登録されているということです。

そんなシングヴェトリル国立公園の魅力について、歴史を踏まえながらご紹介していきたいと思います。

アイスランドの歴史について

アイスランドは海底山脈の活発な火山活動によって約1600万年前に隆起して島になったと言われています。

西暦871年に大規模な噴火があり、島全体が火山灰に覆われました。

近年まで人工物は火山灰層の上からしか発見されていなかったため、従来は最初にアイスランドに人類が入植したのは西暦874年と考えられていましたが、西暦2001年に火山灰層の下から人工物が発見されたことにより現在では西暦871年以前に人類が定住していたとみられています。

北欧のヴァイキングやスコットランド、アイルランドのケルト人が移住する前はアイスランドには大型の陸上動物はホッキョクギツネしかいなかったことが判明しています。

アイスランドに定住した人々は暖を取るために森林を伐採し続けました。

このため、9世紀までは島の8割近くあった森林が、20世紀初頭には1%以下に減少してしまいました。

これは人間による森林伐採だけでなく、入植者が持ち込んだ大型の家畜にも原因があります。

寒帯気候に属するアイスランドでは、防寒具を作るための羊毛を必要としたため、牛や豚に加えて多くの羊が持ち込まれ、飼育されました。

こういった大型の草食動物たちによって大量の植物が消費されたことも島の緑地が減少する原因の1つでした。

アイスランドに移り住んだ人々は、君主によって支配されるのではなく自分達で政治を行いたいと思っていました。

西暦930年には住民による民主的な議会が開催されました。

この議会は「アルシング」といいます。

今回ご紹介する世界遺産、シングヴェトリル国立公園はこのアルシングが開催されていた場所で、アルシングが開催されたことこそが世界遺産に登録された理由となっています。

アルシングについては別途ご紹介しようと思います。

アルシングによる島の統治は概ね順調でしたが、アイスランドの住人の中には更に西を目指す人々が現れました。

かつてはアメリカ大陸を発見したヨーロッパ人はクリストファー・コロンブスとされていましたが、現在では最初にアメリカ大陸を訪れたヨーロッパ人はアイスランドの住人、レイフ・エリクソンであるとされています。

最新のDNA解析を用いた研究でも、母系によって子孫に伝わっていくミトコンドリアDNAを解析した結果、アメリカ先住民とアイスランド人との間に共通のミトコンドリアDNAが発見され、科学的な立証も進んでいます。

身分に関わらない民主的な政治を行っていたアイスランドでしたが、13世紀以降はノルウェーやデンマークの支配下に組み込まれました。

シングヴェトリル国立公園について

シングヴェトリル国立公園は大西洋中央海嶺の地上露出部分です。

付近一帯ではギャオと呼ばれている大地の裂け目などユニークな風景を楽しむことができますが、先程お話ししたようにシングヴェトリル国立公園が世界遺産に認定された理由は自然の景観が素晴らしいからという理由ではなく、世界最古の民主的な議会である、アルシングが開かれていたという文化的な理由によるものです。

かつてアルシングが開催されていた場所には、アイスランドの国旗が掲揚されています。

アルシングについて

アルシングはアイスランドの各地域のシング(民会)の代表がシングヴェトリルの丘に集まって、島全体のことについて話し合う会議です。

西暦930年に初めて開催されて以来、定期的に開催されてきたアルシングでは、初期は立法と司法の機能を持っていて、そこで決められた法律や裁判の結果を実際にどのように運用、適用するかは各地のシング(民会)に任されました。

西暦1000年のアルシングでは、キリスト教派と北欧神話派が島のキリスト教への改宗をめぐって激しく議論していました。

この時、シングヴェトリル付近のヘトリスヘイジと呼ばれる3つの丘で同時に噴火が始まり、それをきっかけにしてアイスランド全体のキリスト教化が決まったいう伝説が残されています。

西暦1262年にノルウェーによってアイスランドが植民地化され、アルシングは有名無実の存在となってしまいました。

しかし、ノルウェーの支配期間中、また西暦1380年からのデンマークの支配期間中も形式上ではありますが、アルシングは開催され続けました。

これは、もともとアルシングの開催期間中にスポーツや音楽、詩の朗読や宴会が開かれるなど、お祭りとしての側面があったからかもしれません。

西暦1800年からは一時期アルシングの開催自体が禁止され、途絶えてしまいましたが、西暦1847年に復活し、現在ではアイスランドの国会を指す言葉となっています。

最後に

いかがでしたか。

これをきっかけにシングヴェトリル国立公園に興味を持って頂けたなら幸いです。

氷と火山の国、アイスランドは距離が遠いこともあり、なかなか訪れた方がいません。

しかし、北欧やイギリスからのアクセスは比較的良いため、実際に訪れる場合には他のヨーロッパ地域と比べてそこまで大変なわけではありません。

世界中でここでしか見られない珍しい景色やオーロラ、人気のダイビングスポットや温泉などもあり、実は隠れた人気スポットともなっているのです。

また、アイスランドは非常に治安が良いことでも有名で、女性が一人歩きしていてもまず凶悪事件に巻き込まれることは無いと言われています。

次回のご旅行先がお決まりでないようでしたら、世界で最も寒い国、アイスランドへのご旅行も是非ご検討下さい!